「ホームページを作れば集客できる」と思っていたのに、実際は問い合わせがまったく来ない。この失敗は、驚くほど多くの会社で起きています。

理由はシンプルです。ほとんどのホームページは、集客できるように作られていないからです。きれいなデザインの会社案内を作ることと、問い合わせを生むホームページを作ることは、まったく別の作業です。

この記事では、SONIDOが制作の現場で実際に行っている手順に沿って、集客できるホームページの作り方を、設計・ページ構成・原稿作成・公開後の運用まで、実務レベルで解説します。自分で作る方にも、制作会社に依頼する方にも使える内容にしています。

集客できるホームページと、できないホームページの分かれ目

作り方の話に入る前に、大前提を1つ。集客できるホームページとできないホームページの違いは、デザインの美しさではありません。「基礎」または「土台」と呼べる部分、つまり設計の差です。

家づくりと同じです。外壁や内装がどれだけおしゃれでも、基礎工事や間取り設計が甘ければ、住み心地の悪い家になります。ホームページも同じで、デザインは仕上げの部分。集客力を決めるのは、その前の設計段階です。

だからこの記事は、いきなり「デザインのコツ」から始めません。設計→構成→原稿→デザイン→公開→運用という、実際に集客できるホームページが作られる順番で解説します。

STEP1:目的とターゲットを決める(すべての土台)

最初にして最重要の工程です。ここを飛ばして次に進むと、あとの工程がすべてブレます。

目的を1つに絞る

「ホームページで何を達成したいのか」を1つに絞ってください。多くの会社にとっては「問い合わせを増やすこと」ですが、業種によっては「資料請求」「採用応募」が先に来ることもあります。欲張って複数の目的を並べると、訪問者が何をすればいいか分からないサイトになります。

ターゲットを1人まで具体化する

「30代の経営者」ではなく、「ホームページを作って3年経つのに問い合わせが月1件もない、地方の建築会社の社長(52歳)」というレベルまで具体化してください。

ターゲットが曖昧なまま作ると、誰にでも当てはまる当たり障りのない内容になり、結果として誰の心にも刺さりません。ターゲットの決め方はターゲットオーディエンスの選び方で詳しく解説しています。

STEP1で決めること
  • 目的(問い合わせ/資料請求/採用など、1つに絞る)
  • ターゲット(具体的な一人の悩み・状況まで描く)
  • ターゲットに伝えるべき自社の強み(お客様から見た魅力)

強みの見つけ方は、自分で「うちの強みはこれだ」と決めつけないことがコツです。既存のお客様に「なぜうちを選んだか」を聞くと、自社が思っていた強みとズレていることがよくあります。詳しくは顧客価値とはで解説しています。

STEP2:サイト構成(サイトマップ)を設計する

目的とターゲットが決まったら、どんなページが必要かを設計します。ここも「なんとなくよくあるページを並べる」のではなく、ターゲットの行動を想像しながら組み立てます。

集客できるホームページに欠かせないページを、役割と一緒に整理します。

トップページ 「誰のための、何の会社か」を3秒で伝える玄関。各ページへの入口
会社紹介 代表者の顔・想い・仕事への姿勢を伝え、信頼を作る
サービス・料金 何を・いくらで・どう提供するかを明確に。不明瞭さは離脱の原因
お客様の声・事例 第三者の言葉が最も信頼を生む。数字と業種入りが効果的
よくある質問 問い合わせ前の不安を先回りして解消する。AIにも引用されやすい
ブログ 検索から見つけてもらう入口。積み上がる集客資産
お問い合わせ 最終ゴール。入力項目は最小限に、不安を払拭する一言を添える

業種によって過不足はありますが、「お客様の声・事例」と「よくある質問」は、多くのサイトで軽視されがちな割に、集客への影響が大きいページです。ここを最初から設計に組み込んでください。

業種別・ページ構成の違い

業種によって「訪問者が知りたいこと」が異なるため、力を入れるべきページも変わります。

業種 特に重視すべきページ 理由
工務店・リフォーム 施工事例(写真多め)・対応エリア 高額商材は「実物を見て信頼する」プロセスが必須
店舗(美容室・飲食等) アクセス・営業時間・予約導線 来店の物理的なハードルを下げることが最優先
士業・コンサル 代表者プロフィール・実績・料金体系 「誰に相談するか」が意思決定の中心になる
BtoB・製造業 技術力・取引実績・資料ダウンロード 検討期間が長く、複数人の決裁者が見るため資料が必要
スクール・教室 受講生の声・カリキュラム・体験会情報 「自分にもできそう」という共感が申込みの決め手になる

自社の業種でどのページに力を入れるべきか迷ったら、「ターゲットが契約前に一番知りたいことは何か」で考えると判断しやすくなります。

STEP3:トップページの構成を作る(最重要ページ)

トップページは、会社を知った人が最初に確認したり、各ページへ移動したりする重要なページです。上から下へ、次の順番で構成すると機能しやすくなります。

トップページの基本構成(上から順)
  • ①ファーストビュー:「誰のための、何の会社か」が一目で伝わるキャッチコピー+問い合わせボタン
  • ②悩みへの共感:ターゲットが抱える悩みを言葉にして「自分のことだ」と感じてもらう
  • ③解決策・強み:その悩みをどう解決できるか、他社との違いも含めて
  • ④お客様の声・実績:第三者の言葉で信頼を補強
  • ⑤サービス内容の要約:詳細ページへの入口
  • ⑥よくある質問(抜粋):不安の先回り解消
  • ⑦最後のひと押し+問い合わせボタン:今すぐ行動してほしい理由を添えて

ファーストビュー(最初に見える画面)が特に重要です。ここで「自分向けだ」と思ってもらえなければ、その先は読まれずに離脱されます。3秒で「誰のための、何の会社か」が伝わるかを、身内ではなく第三者に見てもらってチェックしてください。

STEP4:原稿を作る(集客力を大きく左右する工程)

デザインより先に、原稿(文章)の質が集客力を左右します。ここがSONIDOが最も力を入れている工程です。

「説明」ではなく「広告」として書く

会社案内の延長で「弊社は〇〇を提供しております」という説明文を並べても、人は動きません。ホームページは、読んだ人に行動(問い合わせ)してもらうための文章、つまり広告文章(コピーライティング)として書く必要があります。

特徴を並べるのではなく、その特徴がお客様にとってどんな「良いこと」につながるのかまで書いてください。「高性能な設備」ではなく「その設備だから、他社より2日早く仕上がる」というように。この変換技術はベネフィットの作り方で詳しく解説しています。

取材レベルで自社を掘り下げる

良い原稿は、良い取材から生まれます。「うちの強みは何だろう」と改めて考えると、経営者自身も意外と言語化できていないことが多いものです。

SONIDOでは、制作前のヒアリングに数時間かけることも珍しくありません。「なぜこの仕事を始めたのか」「お客様からよく感謝される瞬間はどんな時か」「同業他社と何が違うのか」。これを深掘りするほど、テンプレートでは出せない、その会社にしか書けない言葉が原稿に宿ります。

自分で書く場合も、家族や友人に「うちの仕事の何がすごいと思う?」とインタビューされるつもりで、時間をかけて掘り下げてみてください。

事例・お客様の声は具体的に

「満足しています」だけの声は誰も信じません。「〇〇という悩みがあったが、△△をしてもらって□□という結果になった」という、悩み→解決→結果のセットで書くと、読み手が自分に置き換えて想像できます。

ページごとの原稿の書き方(実例つき)

抽象的な話だけでは実践しづらいので、代表的な3ページについて、弱い書き方と強い書き方を比較します。

トップページのキャッチコピー

  • 弱い例:「地域密着のホームページ制作会社です」(何をしてくれるか分からない)
  • 強い例:「藤沢の小さな会社が、広告に頼らず問い合わせを増やすためのホームページ制作」(誰のための・何をしてくれる会社かが一発で伝わる)

サービスページの説明文

  • 弱い例:「SEO対策も対応可能です」(対応できることの説明で終わっている)
  • 強い例:「検索1位のライバル記事を分析し、勝てる構成で執筆代行します」(具体的に何をするかが伝わり、専門性も感じられる)

会社紹介ページ

  • 弱い例:「創業10年の実績があります」(年数を言われても価値が伝わらない)
  • 強い例:「10年間、断られた提案を数えきれないほど経験し、今は業種別の勝ちパターンが分かります」(経験の中身と、それがお客様にとって何を意味するかまで書かれている)

共通しているのは、「事実」だけでなく「その事実がお客様にとってどんな意味を持つか」まで書くことです。この視点があるかないかで、同じ情報量でも伝わり方がまったく変わります。

STEP5:デザインで信頼を補強する

原稿ができてから、ようやくデザインです。順番を間違えないでください。デザインが先だと、後から入れる原稿がデザインに合わせて削られたり、逆に窮屈になったりします。

デザインの役割は、きれいに見せることではなく、訪問者の理解と信頼を助けることです。次の3点を意識してください。

  • 読みやすさ最優先:おしゃれさより、文字が読める・情報が探しやすいことを優先
  • スマホでの見え方を最初に確認:スマートフォンから閲覧されるケースも多いため、スマホでの見え方は必ず確認
  • 信頼要素を目立たせる:実績・お客様の声・資格・所属団体などは、デザインで埋もれさせず目立つ位置に

見た目だけを競合や有名企業のサイトから真似ても、その会社の理念や強みまでは再現できません。デザインは、STEP1〜4で固めた「自社らしさ」を伝える器として作ってください。

STEP6:問い合わせにつながる導線を作る

ここまで丁寧に作っても、最後の「問い合わせる」という行動へのハードルが高いと、すべてが台無しになります。

問い合わせ導線のチェックポイント
  • どのページからでも、迷わず問い合わせページへ進めるか
  • フォームの入力項目は本当に必要な最小限
  • 「しつこい営業はしません」など不安を払拭する一言があるか
  • 電話・メール・フォームなど複数の連絡手段を用意しているか

問い合わせフォームの改善だけで反応率が大きく変わることも珍しくありません。詳しくはEFO(入力フォーム最適化)とはで解説しています。

STEP7:SEOの基本を組み込む

公開して終わりではなく、検索に見つけてもらう準備も制作段階でやっておきます。

  • タイトルタグ・メタディスクリプション:各ページに、狙うキーワードを含めた分かりやすい説明文を設定
  • 表示速度:画像の圧縮、不要なプラグインの整理
  • モバイル対応:スマホでの表示崩れがないか
  • 構造化データ:検索エンジンがページの内容を理解しやすいよう、必要に応じて設定する

これらは専門的に見えますが、WordPressなら無料のSEOプラグイン(All in One SEOやYoast SEO)で大部分をカバーできます。

STEP8:公開してからが本番

ホームページは、公開した瞬間が完成ではありません。公開後にコンテンツを追加し、数字を見て改善を続けることで、初めて集客力が育っていきます。

公開後にやることは主に3つです。①ブログで悩みに答える記事を発信し続ける(無理のない頻度で継続する。週1本、難しければ月2本など、続けられるペースを決める)②アクセス解析(Googleアナリティクス・サーチコンソール)で数字を確認する ③反応の悪いページ・離脱の多いページを見つけて改善する。

この運用体制を作れるかどうかが、集客できるホームページとできないホームページの、公開後の分かれ目になります。集客の仕組み全体の考え方は集客の仕組みをつくる方法で解説しています。

費用と期間の目安

作り方の手順と合わせて、現実的な費用と期間の目安も押さえておきましょう。

依頼先 費用目安 制作期間目安
自作(WordPress等) 0〜5万円(サーバー・ドメイン代のみ) 1〜3か月(学習時間を含む)
フリーランス 10〜50万円 1〜2か月
中小の制作会社 30〜150万円 2〜4か月
大手制作会社 100〜500万円以上 3〜6か月

費用の大部分は人件費です。同じ10ページのサイトでも、依頼先によって数倍の差が出るのは、ヒアリング・原稿作成・SEO設計といった工程にどれだけ手間をかけているかの違いです。「一式◯万円」という見積もりを見たら、その中に何が含まれているか(特に、STEP1〜STEP4の設計・原稿の工程が入っているか)を必ず確認してください。ここが入っていない見積もりは、後から「デザインだけ整えて集客できないサイト」になりがちです。

制作期間は、焦って急ぐより、STEP1〜STEP2(目的整理・構成設計)に時間をかけた方が、結果的にやり直しが減り早く仕上がります。

集客できるホームページ作りでよくある失敗

手順通りに進めても、次のような落とし穴にはまると、時間と費用をかけたのに成果が出ないホームページになってしまいます。

1 デザインから決めてしまう

「かっこいいテンプレートを見つけたから、これで作ろう」という発想は逆順です。ターゲットと原稿が先、デザインは後。順番を間違えると、伝えたい内容がデザインの制約で削られてしまいます。

2 「作ったら終わり」だと思っている

制作予算をすべて初期制作に使い切り、公開後の運用に予算も時間も残さない。集客力は公開後の積み重ねで育つため、運用の計画がないホームページは、公開直後がピークであとは下がっていくだけになりがちです。

3 競合の真似で終わってしまう

同業他社のサイトを参考にするのは良いことですが、見た目だけを真似ても、その会社の強み・理念までは再現できません。自社のSTEP1(目的・ターゲット・強み)に立ち返って作ることが、結局は一番の近道です。

自分で作るか、制作会社に頼むか

最後に、作る手段についても触れておきます。予算・時間・専門知識に応じて選んでください。

方法 向いている人 注意点
自作(WordPress等) 時間を割ける・低予算で始めたい人 この記事の設計・原稿の工程は自分で担う必要がある
制作会社に依頼 本業に集中したい・専門知識を任せたい人 「集客設計」までできる会社かの見極めが重要

制作会社に依頼する場合の見極め方はホームページ制作で失敗しないためにで詳しく解説しています。

まとめ

集客できるホームページの作り方は、デザインから始まりません。①目的とターゲットを決める→②サイト構成を設計する→③トップページの構成を組む→④原稿を作る→⑤デザインで信頼を補強する→⑥問い合わせ導線を整える→⑦SEOの基本を組み込む→⑧公開後に育てる。この順番を守ることが、集客できるホームページとできないホームページを分けます。

特に見落とされがちなのが、原稿の質と公開後の運用です。デザインは仕上げに過ぎず、集客力の大半は、その前の設計と言葉、そして公開後にどれだけ育て続けられるかで決まります。

完成後にチェックすべき特徴は集客できるホームページの特徴8つ、既存サイトを作り直す場合はホームページリニューアルで集客は改善する?もあわせてご覧ください。


よくある質問

Q集客できるホームページを作るのに、一番大事な工程はどこですか?
A

目的とターゲットを決めるSTEP1と、原稿を作るSTEP4です。ここが曖昧なままデザインに進むと、どれだけ見た目を整えても誰の心にも刺さらないホームページになります。集客力の大部分は、デザインより前の「設計」と「言葉」で決まります。

Qホームページを自分で作ることはできますか?
A

可能です。WordPressなどのCMSを使えば、専門知識がなくても形にはできます。ただし、この記事で解説した目的整理・ターゲット設定・原稿作成といった「集客の設計」部分は、ツールが自動でやってくれるわけではなく、自分で担う必要があります。時間を確保できるなら、低予算で始められる有効な選択肢です。

Qホームページを作ってから集客できるようになるまで、どれくらいかかりますか?
A

公開してすぐに集客できることは稀です。検索からの流入が育ち始めるまで3〜6か月、安定するまで1年程度が目安です。公開はゴールではなくスタートで、記事の追加や改善を続けることで集客力が育っていきます。この前提を知らずに「公開したのに変わらない」と諦めてしまうケースが多いので、あらかじめ心づもりをしておくことが大切です。

Qデザインとコンテンツ(原稿)、どちらを優先すべきですか?
A

原稿を優先してください。デザインは原稿を効果的に見せるための器であり、順番としては先に「何を伝えるか」を固めてから、それに合わせてデザインするのが正しい流れです。デザインを先に決めてしまうと、後から入れる文章がデザインの制約を受けて、伝えたいことが十分に書けなくなります。

Qホームページ制作の費用相場はどれくらいですか?
A

依頼先によって異なります。自作なら0〜5万円(サーバー・ドメイン代のみ)、フリーランスで10〜50万円、中小の制作会社で30〜150万円、大手で100〜500万円以上が目安です。費用の大部分は人件費のため、ヒアリング・原稿作成・SEO設計といった集客の設計工程がどこまで含まれるかで、同じページ数でも金額が大きく変わります。

Q業種によって作り方は変わりますか?
A

基本の手順は同じですが、力を入れるべきページは業種によって変わります。工務店なら施工事例、店舗ならアクセス・予約導線、士業なら代表者プロフィール、BtoBなら実績と資料ダウンロードといった具合です。「ターゲットが契約前に一番知りたいことは何か」を軸に、どのページに時間をかけるかを判断してください。

Qせっかく作ったのに集客できないホームページには、どんな共通点がありますか?
A

多いのは、デザインから決めてしまい原稿が後回しになるケース、公開後の運用計画がなく作って終わりになるケース、競合の見た目だけを真似て自社の強みが伝わらないケースの3つです。いずれも、この記事のSTEP1(目的とターゲット)に立ち返ることで防げます。

完成したホームページが備えるべき特徴は集客できるホームページの特徴8つへ。集客の手法をひと通り知りたい方はホームページ集客の方法もあわせてどうぞ。

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