コーポレートサイト運用の内部業務と外部委託を解説
コーポレートサイトをこれから作ろうと考えている方。すでにお持ちの方。どちらの方にも共通して悩ましいのは「本当に効果があるのか」ということではないでしょうか?
コーポレートサイトの制作に関してお伝えするなら、次のような回答が大変合理的であり、真実に近いとSONIDOは考えています。
「正しく運用を進められれば、思うような成果を出すことができます」
コーポレートサイトは制作にフォーカスされやすいものですが、あなたが考えているような成果を達成したいのなら、運用業務を理解した上で、正しく進めていくことが成功へのカギになります。
今回は、制作することばかりフォーカスして失敗することの多いコーポレートサイトを、成果を生み出すサイトへ成長させる「運用業務」について解説していきます。
目次
1: コーポレートサイト運用における業務とは
コーポレートサイトを制作した後、次のような運用業務を進めていく必要があります。
1.1: 基本の運用業務
まずは、基本の運用業務について見ていきましょう。
(1)更新業務
イメージしやすいのは「ブログ」「お知らせ」などです。こうした情報を常に新しいものにしていきましょう。
特に品質や技術系の情報を発信しているコーポレートですと、新しい基準や方針なども出てきますので、時代に取り残されないように「最新情報」を小まめに更新することが大切です。
コーポレートサイトを制作し、半年、1年が経過しても「何も変化が起こらない」と嘆いている会社さんは、「更新業務」が疎かになっている傾向が強いです。
例えば、どのような状態が疎かになっているのかというと、
- 夏期休暇のお知らせ
- 年末年始のお知らせ
- GWのお知らせ
自社の休業日に関しての情報しか発信していない状態です。これでは、コーポレートサイトへ訪問した人に魅力はありません。これらの情報を見て「良い情報だ!」と思えるのは、既にお付き合いのある会社の担当者くらいでしょう。
(2)新規追加業務
更新業務と並んで重要なのが、新しい情報を発信しつづける業務です。
ここで申し上げる「新しい情報」とは、次のようなものを指しています。
- 新製品(新商品)の紹介
- 新技術の紹介
- 実績の紹介
- 訪問者へ役立つ情報
- 社会貢献事業
また、頻繁に変わることはありませんが、次の情報も年度変わりには「新しい情報」として発信する必要があります。
- 役員情報
- 会社所在地
- IR情報
- 採用情報
この中でも「訪問者へ役立つ情報」は、もっとも大切です。この情報を「コンテンツ」と言います。また、実績紹介も大切です。BtoBがメインの会社さんや、比較的高額なサービスを販売されている会社さん(住宅販売やリフォームなど)では必須だと言えます。
1.2: アクセスアップのための運用業務
続いてコーポレートサイトのアクセスアップをされたい場合に必要な運用業務をお話します。
(1)アクセス解析
Googleが提供している無料のツール
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
最低でもこの2つのツールを使って、コーポレートサイトのアクセス状況を解析しましょう。
どのような流入のパターンがあるのか。
どういったコンテンツが丁寧に読まれているのか。または、読まれていないのか。
また、何曜日のアクセスが多いのかを知ることもできれば、アクセスが増える時間帯を知ることもできます。
こういった情報を集めて解析することで、コーポレートサイトの「今」を知り、今後の方向性を予測することができます。
(2)SEO対策
アクセスをアップさせるためには、より多くの流入を獲得しなくてはいけません。
そのためには、GoogleやYahoo!で検索されたとき、できるだけ検索結果の上位に御社のコーポレートサイトから発信している情報ページの表示が重要になってきます。
では、このような状態へサイトを成長させるためには何をすれば良いのかというと「SEO対策」と呼ばれることを行っていきます。
SEO対策とは、よりGoogleの検索エンジンが理解しやすく、検索した人にとって役立つ情報になるようコンテンツを改善しながら制作することです。
SEO対策についての詳しい内容は「ホームページ集客のSEO対策とは?初心者向けの基本と方法を解説」のコンテンツで解説しています。
(3)他のメディアとの連携
コーポレートサイトとSEO対策だけで劇的なアクセスアップを望むのは、既に知名度の高い会社でないと難しいものです。
そこで、まだまだ知名度が高くない会社さんですと、次のようなメディアとコーポレートサイトを連携して、アクセスアップを狙うための運用業務が必要になります。
- Twitterとの連携
- Instagramとの連携
- プレスリリースとの連携
- 広告との連携
それぞれに特性がありますので、御社の企業イメージや提供している商品やサービスと親和性が高いメディアを選ぶ必要があります。
ただ、これらのメディアとコーポレートサイトを連携して運用することで、アクセスアップの改善を行うことができます。
このような「連携」を考えるのも運用業務の一つです。
1.3: 技術的な運用業務
自社でサイトを運営するサーバーやルーターなどを管理されているのなら、インフラ管理も運用業務に入ってきます。
Xサーバーなどのレンタルサーバーを利用されている場合は、インフラ部分の運用はレンタルサーバー会社が行ってくれますので、自社で実作業をする必要はなくなります。
レンタルサーバーの利用で気をつけておきたいのは、ドメインやサーバーの管理業務(主に契約更新の把握)です。
1.4: 人の介入が必要な運用業務
お問い合わせが発生した場合、迅速丁寧に返答できる体制を整えておきましょう。
せっかくお問い合わせがあっても、返信までに3日以上掛かっているようではいけません。これは運用業務が崩壊していると考えられます。
大変忘れられやすい運用業務です。誰が毎日メールをチェックするのか決めましょう。また、問い合わせがあった場合は、誰に伝え、どのような流れで対応するのかもルール化しておきましょう。
この部分を属人化すると、結局は誰も対応していなかったという残念な企業になってしまいます。
2: コーポレートサイト運用は外部委託することも可能
コーポレートサイトの運用を続けることは難しい。このような場合、外部委託することも可能です。
2.1: 外部委託できる業務とは
主に次のような業務を外部委託することができます。
- コーポレートサイトの更新
- コンテンツ制作
- アクセス解析
- SEO対策
- 広告運用
- SNS運用
お問い合わせへの対応も外部委託できますが、ここはできるだけ自社で行っていただきたい部分です。
2.2: 外部委託を依頼するときのポイント
あなたのコーポレートサイトや会社のイメージを伝えることです。
また、どういった内容がOKで、どういった内容がNGなのかも伝えましょう。
例えば、トラブルに関連する内容はNGとか、原因を伝えるときはエビデンスを添付してほしいとかです。
後は契約期間や支払方法も確認しておきましょう。外部委託先によって様々なので、勝手な思い込みで済ませてはいけません。
外部委託先によっては、1年間の先払いで途中解約時でも返金なし、というケースもあります。
2.3: 外部委託の費用相場
あくまでも「相場」です。かなり幅があります。また、同じ費用でも対応してもらえる内容に差があります。
ここでは一般的な費用相場をお伝えします。
(1)広告運用
広告運用を委託した場合ですが、広告運用代行料として最低でも月5万円は必要です。そして、運用代行料とは別に広告費用が発生します。広告費用は月に10万円からというところが多いです。
これは、月に10万円くらい使わないと、早いタイミングで広告の成果がわからないからです。広告とはちまちまと少額で長く出すものではありません。短期間でお金を使って結果を知り、短いスパンで改善していくものなのだからです。
(2)SEO対策
SEO対策に関するコンサルテーションを外部委託した場合ですが、月10万円からというのが一般的です。上は制限がありません。
また、SEO対策のコンサルテーションは、コンサル内容に開きがあります。毎月のアクセスレポートを提出するだけのところもあれば、SEO対策するべきキーワードを示してくれるところもあります。
どちらが御社にとって良いのかを考えて契約しましょう。SEOキーワードまで提案してほしいのに、毎月のアクセスレポートだけが提出されるようでは満足できないと思います。
(3)コンテンツ制作代行/記事制作代行
続いて、多くの会社さんが困る「コンテンツ制作(記事制作代行)」ですが、費用相場に大きな開きがあります。
例えば、クラウドワークスやランサーズを使うなら、1文字1円とか5円とかで依頼できます。仮に2000文字の記事制作の場合なら、2000円~10000円です。
しかし、コンテンツを使ったマーケティング実績のある会社へ外部委託を依頼すると、コンテンツ1本あたり、最適でも15000円は必要になります。ただしこの費用は業界では破格の値段です。少し有名な外部委託先ですと、1本10万円~30万円というところもあります。
記事制作費用が高くなる理由ですが、ライターの技術やリサーチ力の違いにあります。特に書籍執筆をしているようなライターに依頼すると、これまでの経験からリサーチ力も高いですし、不特定多数の人にとって読みやすい文章を書くことに長けているため、必然的に代行費用は高くなります。
また、外部委託先の企業規模が大きくなると、事務所利用料や光熱費、人件費、広告費も制作代行費用に含まれますので高額になります。
とにかく安く抑えたい方は、クラウドワークスやランサーズ。
良いコンテンツを長く活用したい方は、SONIDOのようにコンテンツを使ったマーケティングで安定した実績を出しているところ。
外部委託先のネームバリューも欲しい方は、大手コンテンツマーケティング企業を選びましょう。
(4)SNS運用
TwitterやInstagramなどを使って認知度アップを狙うために、外部委託すると最低でも月10万円は覚悟しておきましょう。
SNS運用に関しては、広告よりも結果を予測するのは難しくなります。そのため、1ヶ月、2ヶ月で終わることは意味がありません。
最低でも半年は運用して判断するのが合理的です。ということは、月10万円だった場合、半年で60万円の外部委託費用を予算取りしておく必要があります。
外部委託費用ですが、自社で行える作業が増えると委託費用は減っていきます。反対に、自社で行える作業が少ない場合(誰も手を付けられない場合)は、委託費用が嵩んでいきます。
外部委託する範囲をできるだけ狭くしましょう。余程、予算に余裕のある会社でないと丸投げするのは難しいものです。
ここでもポイントは、外部委託を活用するなら、継続して活用できるように計画することです。
外部委託を1ヶ月活用して終わり。これでは何の意味もありません。最低でも3ヶ月~半年は継続して委託することで、お互いのこともわかりあえますし、アクセスデータも取得して改善できるようになります。
3: まとめ
コーポレートサイトを制作される企業は増えています。しかし、運用がお粗末な結果になっていることで、全く成果が出ていないところも多々あります。
正直なところ、まわりの話しを聞いていても成果が出ていない企業の方が多いのではないかと感じています。
こうした「望まない結果」になる理由のほとんどは、今回お話しました運用業務を軽く見ていることから始まっています。
「作ったら成功する」という考えや希望を持たれている人は多いですが、この考えや希望は大きな間違いです。コーポレートサイトは作ってからが勝負です。
そして、作ってから継続して運用できてこそ、アクセスアップにつながり、問い合わせが増えていきます。
高額な費用を払い「作る」だけで良い気分になるのではなく、「作ってから」のことも考えましょう。情報が溢れている時代です。訪問者にとって意味があり、役立つ情報を継続して公開していく。そして、古くなった情報は小まめに最新情報へ更新する。
たった、これだけでもかまいません。続けることで成果に変化が訪れます。
どうしても自社では難しい場合は、コンテンツを使ったマーケティングで実績を出している会社へ外部委託しましょう。ここで間違えてはいけないのは、ホームページ制作会社の全てがコンテンツを使ったマーケティングに長けてはいないことです。
キーワードは「制作会社自身がコンテンツで集客できているのか」です。