資料請求を増やすためにできる基本施策を解説します
主にBtoBでの取引、BtoCの中でも高額商品や高額サービス(住宅や高級車などです)の販売には「資料請求」が必要になります。
というのも、ある程度まとまったお金を使うのですから、購入検討している人としては、完全ではなくても「ある程度」取引する企業や相手、検討している商品やサービスについて知っておきたいためです。
今回は、資料請求を用意しているけれど、思っているように請求されないで困っている。そんなあなたに、資料請求を増やす基本施策を解説します。
1: 資料請求を増やすなら知っておきたい基礎知識
資料請求を増やすためには、知っておきたい基礎知識があります。
この基礎知識を正しく理解し、実践していないと資料請求が上手くいっているのかどうか判断できません。
また、いくら時間と労力を使っても望んでいるような結果に届かず、いつまでも残念な気持ちのままストレスを溜めて過ごすことになります。
(1)コンバージョン
資料請求を増やすためには、現状はどのようになっているのか、勘ではなく数字で判断しなくてはいけません。
「何となく今月は請求されていそう」とか「たぶん資料請求されているだろう」というのはNGです。反対に「何となく資料請求されていない気がする」「たぶん資料請求されていないだろう」というのもよろしくありません。
まず大切なのは、あなたの資料はどれくらいの比率で請求されているのかを理解することです。
これを「コンバージョン率」と言います。
数式にすると以下のようになります。
資料請求してくれた人の数 ÷ 集客数 × 100 = コンバージョン率
例えば、ホームページで資料請求を行っていたとします。
一ヶ月にホームページへ訪問されるのが1000人、そのうち資料請求してくれたのが20人。
この場合、以下のようになります。
20人 ÷ 1000人 × 100 = 2.0%
2.0%が良いか悪いかは、簡単に判断できません。なぜなら価格や希少性などによって変化するためです。一般的に費用が発生する場合のコンバージョン率は1%なら成功。2%なら大成功と言われています。
無料の資料請求なら5%前後あれば成功していると言えます。
いかがでしょう。このような数字を計算して判断されたことはあるでしょうか?
(2)見える化
資料請求を増やすためには、コンバージョンの推移を「見える化」することも大切です。
人は数字を見ただけでは、どのように変化しているのかイメージできません。そこで数字をグラフへ変換し、視覚化することで推移を見やすくしましょう。
こういった見える化は、継続して増やすための行動のモチベーションになります。
(3)0円で売る
資料請求を増やすための基礎知識として理解頂きたいのが、あなたが提供する資料が仮に無料だったとしても
「タダであげる」
という考えではなく
「0円で販売している」
と考えることです。
ちょっとした違いですが、資料請求への重みや動機が違ってきます。
「タダであげる」というのは、どうしても「こんなものでいいか」というニュアンスを含んでしまうため、請求する人へ大切さが伝わりません。
いっぽう「0円で販売する」というのは、他の商品やサービスと同じ扱いですから、大切さが伝わりますし、最初から商談へのニュアンスが含まれており、請求する人もある程度の覚悟を持っています。
この違いによって、質の良い(ホットな)見込み客を多く獲得できるかどうかが変わってきます。結局のところ、資料請求を増やすという言葉には、どうでも良い人や、冷やかしの人を増やすのではなく、商談できる人だけを増やすという意味になるとSONIDOは考えています。
ビジネスをされている方ならご理解いただけると思います。単に資料請求数を増やすのは意味がありません。あなたのビジネスに関心を持っている人の資料請求を増やすことに意味があります。
2: 資料請求を増やす基本施策
資料請求を増やすための基本施策をお話していきます。
(1)母数を増加させよう
コンバージョンを増やすには、集客数(母数)を増やす必要があります。
- SEO対策
- WEB広告
- SNS広告
- SNS運営
- 動画運営
あなたのビジネスに関心を持っている人が集まっている(普段からよく使っている)媒体で集客活動を行い、母数を増やしましょう。
(2)誘導しよう
集客の次は、資料請求の申し込みまで、シンプルにわかりやすく誘導することです。
ごちゃごちゃしたデザインや動線では、資料請求をする行動へたどり着く前に「離脱」されてしまいます。
それくらい現在の人は「面倒」なことが大嫌いです。
ちょっとでも迷う、ちょっとでも面倒と感じる、ちょっとでも「?」と思う。こんなことで即離脱されてしまいます。
丁寧にシンプルにわかりやすい動線を使って、資料請求の申し込みまで誘導しましょう。
(3)資料請求したくなるメッセージ
資料請求をするところで「こちらからどうぞ」というメッセージだけではいけません。
人に資料請求という「行動」を起こさせるためには、資料請求することで得られる明るい未来がイメージできるメッセージを伝えることが不可欠です。
- どういったことが知れるのか
- 知った情報をどのように活用できるのか
- 活用した結果に得られる未来の姿
この3つのメッセージは最低でも必要です。
「ぜひ資料請求してください!」
というだけのメッセージは、あなたからの一方的なメッセージであり、相手のことを考えていないメッセージです。これではいけません。常にメッセージは「相手を主体」にする必要があります。
(4)ウェブならフォームを最適化
ウェブ(ホームページが多いです)から資料請求をしてもらうなら、資料請求フォームの最適化は必須です。
項目数や項目内容の変更、フォームのメッセージによって請求される数が変わります。
3: 基本施策を実現する方法
実際に資料請求を増やすためにできる基本施策を見ていきましょう。
(1)タイトルで大きく変わる
資料のタイトルは最重要項目です。
書籍でも、タイトルで販売数が大きく変わります。
ポイントは、一つの資料に複数のテーマを入れたタイトルにしないこと。
一つの資料には、一つのテーマのタイトルにしましょう。
例えば
「ホームページのSEO対策とウェブ広告の教科書」
ではなく、
「SEO対策の教科書」
「ウェブ広告の教科書」
こちらの方がわかりやすいので反応も高まります。
(2)ビジュアルに手を抜かない
資料の表紙は大切です。表紙のビジュアルは手を抜かないでください。
どこにでもある無料画像ではなく、プロが撮影した写真や有料画像を使いましょう。
資料は長く使うモノですから、表紙をプロのデザイナーさんに依頼されても良いと思います。見た目も出来映えも違います。
(3)ちょっと見できるかどうか
資料請求する前に、どのような内容なのかを知りたい。誰もが感じることです。
そこで、資料の「ちょっと見」ができるようにしておきましょう。
- 表紙
- 目次
- はじめに
- もっとも興味を引くページ
こういう部分だけでも良いので見られるようにしておくと喜ばれます。
(4)個人情報は最小限に
資料請求と共に、請求した人の個人情報を手に入れたいと思います。
そのため、資料請求時には面倒に感じるくらい細かく入力したり、手で記入したりすることがあります。
これって大変面倒です。そして人は面倒なことが大嫌い。
そこであなたに考えてほしいのは、資料請求の段階で手に入れたい個人情報は何なのかです。
例えばリフォーム業であれば、
- 名前
- 地域(都道府県+市区町村)
- メールアドレス
まずはこれだけで良くないですか?メールアドレスがあれば、定期的に情報発信できますし、後から細かなことを教えてもらうのも可能です。
(5)資料請求の後がイメージできる
資料請求したら、何度も営業電話が掛かってきて鬱陶しい。誰でも経験があると思います。
でも、誰でも嫌な経験があるのに、自分はやってしまうのです。
資料請求した後、どのようなアクションがあなたから行われるのかをイメージできるようにしておきましょう。
例えば電話番号は入力してもらうけれども、こちらからの電話連絡は一切ありませんでも良いです。
誰でも同じですが、提供する個人情報の使い道(理由)を知った上で資料請求したいものです。
理由なき情報提供の依頼は、取引として成立していません。
- なぜ提供してもらうのか
- 提供するとどうなるのか
- 提供することで何を得られるのか
この3つは資料請求後のイメージに影響します。必ず伝えるようにしてください。
4: 間違えやすい資料請求の注意点
世の中に多い資料請求で失敗する注意点です。
(1)資料請求はゴールではない
資料請求はビジネスのゴールではありません。
本当のゴールは「成約」です。「受注」です。「販売」です。
資料請求の次へ繋げる仕組みを準備しておきましょう。
ということは、資料請求で嫌われては次へ進めないということです。嫌われないためのステップも考えておく必要があります。
(2)3000円で販売できるか考える
あなたが提供する資料ですが「3000円で販売」する自信はありますか?
そして、誰かが3000円で購入してくれると感じていますか?
もし、自信がなく感じられないのなら、その資料は残念ながら全く魅力がありません。仮に資料請求されたとしても、役に立たないので本当のゴールへ進んでもらうことは難しくなります。
(3)「面倒」と感じられたらアウト!
資料請求をするときの流れ。
資料請求をするときの申し込み方法や入力(記入)方法。
どちらも「面倒だなぁ~」と感じられた即アウトだと思ってください。余程特別な感情やこだわりがなければ、ガマンして頭を使って面倒なことと格闘する人はいません。
また、提供した資料の内容が読み進めづらい。そもそも日本語が読みづらい。レイアウトがごちゃごちゃして集中できない。
こういうケースも「面倒」に感じられるため、資料を最後まで見てもらえません。ということは、あなたに関して「良い印象」を持ってもらえないことになります。
これでは本当のゴールへ進めません。仮に進めようとすると「強引なセールス」と捉えられてしまいますから、より「嫌われる」対象になります。
資料の内容に関しては、自社に文筆を得意とするスタッフが居れば良いですが、そういうスタッフは居ないという場合、プロのライターに依頼されるのがおすすめです。
特に「セールスコピーライター」と呼ばれる「売るための文章を書く仕事」の人へ依頼することをおすすめします。なぜならセールスコピーライターは人間の心理的な動きを理解して文章を書きますので、
- 読み進めやすく
- 興味をもってもらいやすく
- 最後には好感を抱いてもらいやすい
こうした資料に適したスキルを持っているからです。
5: まとめ
資料請求が増えてくれればビジネスが上手くいくのに。このように感じておられる方の参考になるお話をしました。
資料請求は本当のゴールへの「とっかかり」です。見込み客候補との具体的なファーストコンタクトの機会です。
人との出会いでは第一印象が大事と言われますが、ビジネスでの出会いも第一印象が大事です。
そのためには、相手の視点に立った資料を準備し、相手が楽に安心して資料を手にできる環境を作るようにしてください。
間違っても自分本位の資料や請求方法ではいけません。
「資料請求の後に電話して断れないようにしてやろう」なんて考えた資料請求は愚の骨頂です。
こういうやり方は、一時的には上手くいっているかもしれません。しかし、中長期的に見ると必ずしっぺ返しがやってくるものです。
誰だって無理なセールスや面倒なセールス電話を受けたくはありません。自分が嫌なことは相手もイヤなのです。
資料請求とはコミュニケーションの機会を得た「チャンス」です。このチャンスを良い方向へ進めることにフォーカスしてください。