高額商品が売れるマーケティング戦略
同じような商品やサービスが巷には溢れています。「○○でしか手に入らない」というような、びっくりするくらいオリジナリティがあり、代替えが不可能な商品やサービスって、今の世の中では存在できないんじゃないかと思います。
このように言ってしまうと身も蓋もありませんが、事実であることはあなたもおわかりのはず。
だからといって、自分たちが提供する商品やサービスを常に低価格で販売して価格競争に加わるというのは、これはこれで間違っていると思っています。
詐欺的な高額販売は必要ありませんが、適正価格では販売したいものですし、品質や内容が他とはレベルが違うのなら高額販売するべきというのが本音です。
そこで今回は、高額商品が売れるマーケティング戦略についてお話していきます。
目次
1: 重要なポイント:「高額」の定義をしよう
はじめに重要なポイントをお話します。
そもそも「高額」とは、どのように定義すれば良いのでしょうか?
単に金額で定義できるものでしょうか?
例えば「100円」は高額ではないと言い切れるでしょうか?「10000円」は高額だと言い切れるでしょうか。
確かに世の中には、どんな商品やサービスでも「100円」なら安く、「10000円」なら高額だと決めつけている人がいるのも事実です。
しかし、ほとんどの消費者は単に値段だけではなく、その商品やサービスが存在している市場との比較で高額かどうかを判断しています。
例えば、ホームページ作成という市場で見ると、1000円で作れるなら安いと判断できます。5万円を超えると高額だと判断する人が増えていきます。ただし、人によっては1000円でも高額だと判断し、無料以外は全て高額と判断する人もいます。
こういう人は、そもそも何に対してもお金を出す気がありませんので、マーケティング戦略としては無視するのが一番。マーケティング戦略は適正価格ならお金を払ってくれる人を相手に考えないといけません。
すいません、少し話しがそれました。話しを戻します。
「高額」という定義ですが、これは市場性によって変化するのです。あくまでも絶対的な定義ではなく流動的なものなのです。
顕著な例をお話しますと、中古バイク市場がわかりやすいです。コロナ禍前なら1台40万円前後で販売されていた自動二輪が、コロナ禍によって芸能人をはじめとしたYouTuberが自慢のバイクを紹介しはじめたこともあり、現在は中古市場でバイク販売が好調のため在庫が減少しています。
すると40万円前後だったバイクが中古市場で品薄になりました。さらに、これまでバイクに興味の無かった人まで芸能人を見て自分も欲しいと思う人が殺到したため、40万円が60万円になり80万円になり今では100万円以上という高値が付いてしまっているんですね。
ここでのポイントは「100万円以上」が高額なのかどうかです。市場で品薄になっているということと、欲しい人が多いという需要と供給のバランスが取れないため100万円でも高額だとは考えずに購入していく人が増えているということです。
しかし、あと3年くらいすると高値は下落するでしょう。市場に同じバイクが溢れます。すると、40万円が高額になるはずです。100万円なんて高額以上のぼったくりです。
このように高額という定義を絶対的なものと認識してはいけません。常に流動的であることをわかった上でマーケティング戦略を進める必要があります。
2: 高額商品を売るためには消費者心理の理解が必要
さて、高額商品を売るために理解しておきたいのが消費者心理です。
というのも高額商品を購入するのはコンピュータやスマートフォンではなく「人」だからです。
2:1 未来の体験
人は高額なものでも、購入することで理想の豊かな未来を体験できるのならお金を払います。
例えば、普段は1杯500円の牛丼を「高い!」と言っているような人でも、自慢できて一目置かれる自分がイメージできるのなら1000万円クラスの高級車を購入します。
高額なものを売るためには「高額に見えますが他店よりも安いですよ」というよりも、手に入れることで、どのような未来の体験が待っているのかを説明しましょう。
2:2 アンカリング
最初にいくらの金額を見せるのかで、高いか安いかを判断するのが消費者です。
通信販売を見てください。最初に9800円と見せておいて最後には「何と今だけ7500円」というように伝えています。
これは9800円でアンカリングしたことで、7500円を安く見せて(本当は高額ですが)購入へ導こうとしているのです。
2:3 痛みを減らす
9800円の商品を3回に分けて購入するのと、3万円で3つの商品を1回で購入するのと、どちらがお金を払う痛みが少ないでしょうか。
どちらも合計すると、ほぼ同じ金額を失ってしまうので痛みは同じはず。しかし実際には9800円を3回払う方が痛みも強いのです。
高額商品を売るためには、支払いの回数を減らすように工夫しましょう。セット商品にできるものを考えましょう。
痛みは誰でも少ない方がいいのです。
2:4 値上げは工夫しよう
値上げは難しいものです。特に高額商品を値上げするのは難しいと考えがちですが、実はそんなことはありません。
消費者は値上げ幅が10%未満だと、あまり不満を感じないのです。これを「ウェーバーの法則」と言います。
例えばスターバックスは、地味に値上げをしています。ただし一度に10%以上の値上げをすることはありません。商品単価の10%未満を、売れている商品から値上げしています。
3: 高額商品を売っている人がやっているマーケティング戦略
高額商品を売っている人が必ずやっているマーケティング戦略があります。
3:1 ターゲット設定
高額商品ということは、必然的に購入見込み客数は少なくなります。そのため確実に獲得しなければいけません。
そのためには、ターゲットを深く調べて設定する必要があります。
ターゲットの特性や行動、モノやサービスとの関わり方。普段の生活プランや価値観などを深掘りすることが大切です。
3:2 信頼を獲得する
高額商品を購入する人は、他人にコントロールされるのを嫌います。そのため、私たちはコンロールするという考えは捨て、質の良い情報を開示し信頼を獲得することへフォーカスする必要があります。
高額商品を購入できるということは、他店を簡単に選べるということです。1円でも安いところを探すのではありませんから、こういう人のお店選びの基準は信頼なのです。
3:3 オファーは明確に
高額商品になるほど、明確なオファーが重要です。
- いくらなのか
- どういう流れで購入できるのか
- 何日で手元に届けられるのか
忘れないでください。高額商品を購入できる人には選択肢が豊富に揃っています。そのため、明確なオファーでないと少しでも「???」と思ったら別の信頼できそうなところへ移動します。
隠し立てする必要はありません。真正面から適正価格を提示しましょう。信頼関係が築けていれば二つ返事で購入してもらえます。
4: まとめ
高額商品が売れるマーケティング戦略では、ごまかしやウソは一切必要ありません。わかりやすいオファーと痛みの回数を減らす工夫。後は役立つ情報と適正価格で信用を獲得することです。
この方法で、SONIDOのお客様でも高額商品を販売されているのですが、毎月依頼が続いていると、うれしいご連絡をいただきます。
高額商品を販売されるときは、今回の内容を参考にしてください。