顧客が喜ぶマーケティングとは?起点と視点を変えれば成功できる!
良い商品やサービスを提供しているのに、思ったような成果が感じられない。
よく聞く話です。この原因になっているのは「顧客が喜ぶマーケティング」を実践できていないことです。
「そんなことはない!マーケティングもしっかりやっている!」
という返答が聞こえてきそうですが、こういう場合に「やっている」と思っているマーケティングは、得てして「企業視点」であり「顧客視点」になっていないことがあります。
今回は、顧客が喜ぶマーケティングについてお話してきます。
目次
1: 顧客が喜ぶために必要なこと
マーケティングを学んでおられる方なら、絶対に一度は聞いたことがあると思います。
「顧客視点が大切です!」
セミナーや書籍などで見たり聞いたりしたことがあるはずです。それなのに、気が付くと顧客が喜ばないことばかりやってしまっているわけです。まずは顧客が喜ぶために必要なことから見ていきます。
(1)企業視点から離れてみよう
顧客視点を考えているようで、実は企業視点から離れられていない。こういう会社って結構多いです。
企業が「これは良い」と感じた機能を増やす。勝手に「売れそう」と感じた商品をラインナップに増やす。
反対に「手間だし困っている」と社内で不満や問題が出てきた商品をラインナップから外し、自分たちがラクできる代替え商品を提供する。
言葉ではこのように言っていなくても、本心では企業視点から離れることが出来ず、今も昔も変わることなく商品やサービスを作って提供していないでしょうか?
これではいつまで経っても顧客が喜ぶことはありません。
(2)視野を拡大する
「若者はSNSで情報収集している」
このようなことが一般論として伝わってきます。そして企業も、こういった情報を鵜呑みしてしまい、自社の商品やサービスにテイストが合っていないことに気づかず、SNSで呟いたり、よくわかんない動画を配信したりします。それも多額の費用を使って。
希に当たることもあるでしょう。しかし大多数は何の成果も感じられないはず。
実際はどうなのか?本当に自社の商品やサービスに興味を持っている若者も、SNSで情報収集しているのか?
一方的な思い込みで突っ走ると失敗します。
視野を拡大しましょう。そのためには、一般論を参考にしつつも、自分たちで実際に調査し、新しい視野を開拓する努力が必要です。
(3)お客様の声は神のお告げではない
お客様の声は絶対だと思っていないでしょうか?
人によっては「神のお告げ」のように、お客様の声を信じている人がいます。
しかし、お客様の声は「よそ行きの声」でもあります。誰でも自分は「良い人」に見られたいもの。
そのため、お客様の声を求められた時、常に本当のこと(本心)を言うはずはありません。
いくらお客様が「多機能リモコンが便利っぽいからいい」と言ったとしても、本当にそうは思っていないでしょう。このような回答は企業が質問するとき
「リモコンひとつでいろいろ出来れば便利だと思いませんか?」
という聞き方をしているはずです。こう質問されると、ほとんど人は目の前の人に嫌われたくないので「そうですね」と答えます。
短絡的で誰でもできるようなクローズクエスチョンによる間違いへの第一歩です。
2: 起点と視点を変えたマーケティング
ここで間違えやすい「起点」と「視点」についてお話しておきます。
というのも「顧客起点」「顧客視点」という言葉がマーケティングでは出てくるためです。
(1)顧客起点と顧客視点
顧客起点とは、顧客が実際に取っている行動のことです。これは、何らかの結果としてデータを集めることができます。そのためマーケティングで活用しやすくなります。
顧客視点とは、顧客起点で得たデータを元に企業が顧客の心の中を推測することです。そのため、AをすればBになる、というような公式はあてはまりません。
あくまでも顧客の心理的側面の推測ですから、正反対の結果になる可能性も十分にあり得ます。
(2)顧客起点のマーケティング
顧客起点と顧客視点は、どちらも大切なのですが、いきなり顧客視点からスタートするのはかなり難しいのが現実です。
大手企業のように、豊富な広告費用があるのなら、いくつものパターンでテストすることもできますが、僕たちにはそれができるだけの資金がありません。
そのため、僕たちはデータを持っている顧客起点からスタートするのが正解です。
[1]顧客起点マーケティングの概要
顧客起点マーケティングとは、これまでの顧客や、これから成果が生み出せそうな顧客から集めた行動データを集めて使います。
このデータは、実際に行動している人の結果なので、顧客の動向や傾向をチェックできます。すると、大きなハズレを引き起こすことのない具体的な計画を立てていくことができます。
センスや勘ではなく、数字を使った客観的で論理的な判断ができるため、企業計画としても納得のいく進め方を取り入れることができます。
[2]顧客起点マーケティングの目的
顧客起点マーケティングの目的は、最も売上が上がりそうなターゲットを見つけること。そして、見つけたターゲット層へ資金を集中することです。
また、統計学的に考えると、過去データを持っていますから、年間売上予想ができます。
広告費に対しての購買率がわかっていますので、どれくらいの成果が出れば成功なのかも明確になります。
[3]顧客起点マーケティングのメリット
企業が売りたい商品やサービスと、顧客が欲しい商品やサービスの違いから発生する溝を完全に埋めることは、永遠の課題であることに間違いはありません。
しかし、顧客起点マーケティングを使うことで、違いの溝の幅を小さくすることが可能になります。
大きなハズレを生み出すことがないので、企業としてもリスクを最小限にすることができるでしょう。
3: 顧客はピラミッドで考えよう
顧客という言葉は大変大きな範囲を示しています。
顧客が喜ぶマーケティングを実施する場合には、一度、顧客をピラミッドにしてみることが必要です。
ピラミッドの最上部に君臨しているのは「ロイヤルカスタマー」、常連です。
現存顧客の中で利用頻度が高く、高額消費してくださる方々です。いわゆる「熱心なファン」です。
その下に、一般的な顧客が居ます。一回だけで終わる人。たまにリピートしてくれる人。売上額としては少なめです。
一般顧客の下に、未だ出会っていない人がいます。この人たちは、まだ何も購入していません。人によっては、あなたの商品やサービスがあることを知らないはずです。
このように大きく3階層に分けることができるのですが、顧客起点マーケティングでは、どの層に対してアプローチするのかを明確にしておくことが重要です。
また、3階層全てにアプローチするのなら、それぞれの階層に合わせたアプローチ方法を検討しなくてはいけません。
というのも、それぞれの階層によって、あなたの企業への信頼や認知が違っているからです。
4: 顧客を喜ばせるための戦略
各階層にアプローチすることとは、すなわち顧客を喜ばせる戦略を練ることです。
次のポイントに注意して効果的な戦略を練ってください。
(1)ペルソナ
各階層のターゲットを元にした、仮想の顧客像(ペルソナ)を設定しましょう。
具体的なペルソナを作ることで、アプローチする方法や内容のブレが起こりづらくなります。
(2)カスタマージャーニーマップ
ペルソナがどのように購買まで進んでいくのかを記した地図を作ります。
行動と感情を合わせて考え、地図を作ることで、どのようなアプローチが効果的なのかを予測できます。
(3)行動観察
ペルソナ設定に似た人を見つけて行動観察すると、より具体的な情報を得ることができます。
テストマーケティングを行うのも効果的です。
(4)データ利用
過去データやテストマーケティングのデータを集めて利用します。
自分たちが想定していた反応や行動とどれくらい差があるのかを調べましょう。大きな差があるのなら、ペルソナ設定を変更するか、カスタマージャーニーマップの見直しが必要です。
(5)分析と改善
見直しを行い、もう一度テストをしてみましょう。すると改善したことが正解だったのかどうかわかります。
一度で上手くいくことは希です。分析と改善を繰り返し、自社が最も上手くできるポイントを見つけてください。
5: まとめ
顧客が喜ぶマーケティングを実践するなら、顧客起点と顧客視点を忘れずに使うことです。
今の時代は、ほとんどのモノやサービスが揃っています。そのため多くの中から選んでもらうことが難しい時代です。
そして顧客は何を基準に選んでいるのかというと、
- 価格
- サービス内容
- 心地よい体験
この3つがメインになっています。
いくら安くても体験が良くないなら選びません。ネットショップでも同じです。500円安いショップへ注文しても、返信メールもなく、二週間以上経ってから商品が届くようなところでは、二度と購入しようとは思いません。
ホームページ集客も同じです。