潜在顧客と顕在顧客にアプローチするマーケティングを解説
ビジネスにおいて、潜在顧客の発見・発掘・獲得は、新規顧客を増やすために欠かすことはできません。
さらに潜在顧客を顕在顧客へ成長させるには、正しいマーケティングを導入し、成果へとつながる道筋を整えておく必要があります。
今回は、どのようなビジネスをされているとしても、継続的に売上を上げていくために欠かすことの出来ない存在「潜在顧客」「顕在顧客」へ、アプローチするマーケティングについて解説していきます。
目次
1: 潜在顧客と顕在顧客の違いを解説
はじめに、潜在顧客と顕在顧客の違いについて解説していきます。復習をかねて読み進んでいただきたいと思います。
(1)顧客にはステップがある
まず、潜在顧客や顕在顧客ということ以前に、僕たちが必ず理解しておかないといけないのは、顧客にはステップがあることです。
いきなり朝目覚めて「○○が必要だ!」と閃き、大手スーパーや百貨店へ足を運び、何の前情報も無く購入する人は、天啓を受けた特別な人以外にありません。
一般的な消費者は、次のようなステップを歩むことで、それぞれの顧客になっていきます。
- ステップ1:自分の悩みや課題を知り、解決策となる商品やサービスを探し出会う
- ステップ2:詳しい情報を得る
- ステップ3:購入する
- ステップ4:毎日使う
- ステップ5:数ヶ月から1年くらい使う
- ステップ6:満足すると口コミする
多かれ少なかれ、こういうステップを歩むことで強烈なリピーターに成長します。
(2)潜在顧客とは
では、潜在顧客とは、先ほどのステップのどこに位置するでしょうか?
正解はステップ1の前です。
何となく自分の悩みや課題を認識し、できれば解決したいと考えている。でも、未だ解決できそうな商品やサービスには出会っていない。
もし、出会うことがあれば購入して試してみたい。
こういう段階の人を潜在顧客と呼びます。
市場の中の圧倒的多数が、ここに属しています。そのため大手企業は何とかして獲得しようと大金を注ぎ込んでプロモーションを行っています。
(3)顕在顧客とは
顕在顧客は、先ほどのステップでいうと「ステップ1」です。
自分の悩みや課題を知り、解決策を探している。そして解決できる方法に出会ったので、購入に近づいている人です。
(4)見込み客って?
顕在顧客と「ほぼ同じ」で問題ないと僕は思っていますが、敢えて区別すると次のようになります。
顕在顧客よりも購買意識が高い人。購買予定の段階に入っている人。
ちょっとした一押しで購入まで進んでくれる。企業にとっては大変ありがたいステップまで成長してくださった方々です。
2: 潜在顧客へアプローチするマーケティング
潜在顧客へアプローチをするマーケティングをお話します。ここで問題になってくるのが、潜在顧客は「知らない」「気づいていない」ということです。
興味すら持っていないかもしれない人を発見するところから始まります。
(1)見つけ方を理解しよう
何もないところから見つけるのは難しいことです。そのため既存顧客の特性をまとめることから始めます。
- どういった市場にあつまっているのか
- どういった属性を持った人たちなのか
- どういったコミュニティーに属しているのか
マーケティングの分析としては「STP分析」を使うと良いですね。
S:セグメンテーション
T:ターゲテイング
P:ポジショニング
これらを分析することで、自社にとって「勝利できている層」を発見できます。
そして、適切な層が発見できれば、次の方法を導入していきます。
(2)SEO対策
インターネットを活用して潜在顧客へアプローチするためには、ほんのちょっとしたキッカケから知ってもらう必要があります。
そこで、今や誰もが日常的に使っている「検索」という行動から「きっかけ」を生み出します。
そのためには、SEO対策が必要になってきます。SEO対策とは、GoogleやYahoo!から検索したとき、検索結果の上位へ自社のホームページやブログ記事が表示されるように最適化する方法です。
また、SEO対策が上手くいくと、「Google砲」と呼ばれる「Google Discover」機能によって、Googleの作ったアプリを使っている人のスマートフォンへ「おすすめ記事」として表示されるようになります。
潜在顧客にもアプローチできる可能性が広がります。
(3)コンテンツマーケティング
「コンテンツ=読者へ役立つ情報」
こういうものをホームページから提供することで、信頼関係を構築する方法があります。潜在顧客の場合、自分自身で悩みや課題を直接的には理解していませんが、悩みや課題の周辺にある事柄から集めることができます。
例えば、「ダイエットしないといけない」という課題を持っているけれど、今は気づいていない人へアプローチするなら、
- もっとキレイなる方法
- もっとモテる体質になる方法
- 憧れの○○さんのようになる方法
というように、ダイエットという直球を投げるのではなく、その前段階で興味を持っていることをコンテンツで提供していきます。
(4)SNS運用
スマートフォンを使っている人の多くが日常的にチェックしている「SNS」。
- YouTube
- TikTok
いろいろとありますが、毎日日常的に見ている場所へ「こんな○○に悩んでいませんか?」とアプローチする方法があります。
SNS運用は潜在顧客を掘り起こすのに便利です。悩みや課題に気づいていない人へ、意識させることが「投稿」するだけで出来てしまいます。
(5)プレスリリース
インターネットを積極的に使っていない潜在顧客や、情報の信頼性を重要視する潜在顧客には、プレスリリースを使ってアプローチするのがおすすめです。
プレスリリースには「信頼性」があります。メーカー企業様にとっては、SNS運用よりもプレスリリースの方が適していることが多いものです。
(6)広告
この場合の広告とは、新聞折り込みのチラシや、ポスティングを指しています。潜在顧客が偶然目にしたことから成長してもらうのを期待しています。
大手企業なら
- テレビCM
- ラジオCM
- インターネットのディスプレイ広告
こういった方法も使えますが、広告費用が高額なので中小企業では難しいところです。しかし、新聞折り込みやポスティングなら「月10万円以内」で始められます。
中小企業が潜在顧客を掘り起こすためには、こうしたアプローチで戦っていく必要があります。
3: 顕在顧客へアプローチするマーケティング
何らかの方法で、自分の悩みや課題に気づき、解決策を探す段階に成長してもらった人へは、別のアプローチが使えます。
(1)検索連動型広告
解決策を探している人の行動で大きく変化したのは、インターネットで検索することです。
スマートフォンが登場してから、これまで以上に誰もが検索するようになりました。そこで僕たちとしては、解決策を検索している人へ向けて出す
「検索連動型広告」
いわゆる「リスティング広告」を実施することでアプローチできます。
検索しているということは、かなり積極的に「何とかしたい」と考えています。そこに、あなたのビジネスで提供している商品やサービスを広告すると、高い確率で興味を持ってもらえるはず。
顕在顧客へもっとも安くアプローチする方法がこれです。
(2)動画広告
顕在顧客が動画によって解決策を知りたいと考えているのなら。
例えば、
- 筋トレの方法
- メイクの方法
- ヘアスタイルの方法
こういう悩みや課題は、動画の方がわかりやすいので見られることが増えます。そこで動画広告を使ってアプローチします。
(3)SNS広告
より多くの顕在顧客へアプローチしたい場合は、SNS広告です。
拡散性が高い媒体なので、共感されると一気に注目が集まります。
SNS広告でアプローチするときのキーワードは「共感」です。ここを間違えると「炎上」し、悪い印象を与えてしまうことになりかねません。
(4)セミナー
いつの時代でも、顕在顧客へのアプローチで有効なのが「セミナー」です。
例えば、外壁塗装や屋根塗装業界では、今でも「定番」の方法です。
- 外壁が傷んできた
- 屋根の雨漏りが心配
- 隣の家と比べると古ぼけてきた
こういう具体的な悩みや課題を持っている顕在顧客へセミナーを紹介し参加してもらいます。
セミナーは対面で話しをすることができますから、顕在顧客へのアプローチと共に、見込み客への育成も出来てしまいます。
(5)展示会
メーカー企業の場合、外せないのが展示会です。
興味を持っている人が集まってきますから、出展しない理由はありません。時代はインターネットの活用を勧めますが、展示会は今後も無くならないはずです。
というのも、今でも「IT業界」の展示会が、幕張やインテックス大阪で行われているからです。効果がないのなら、IT業界がやりつづけていません。
4: どちらのアプローチにも重要な点があります
潜在顧客、顕在顧客、どちらにアプローチするときにも、重要になるポイントがあります。
(1)ターゲット設定
これが本当に大切です。
どんな人に向けてアプローチするのかを明確に設定しましょう。
政治家のように「みなさん!よろしくお願いします!」というのはNGです。
僕たちは「○○に困っている人」「○○に悩んでいる人」に向けてアプローチしなければいけません。そうしないと成果が出て来ないのです。
(2)悩みと課題の発見
ターゲットが設定されると、悩みや課題が発見できます。
- 何に困っているのか
- どういったことを変えたいのか
- もっと「こうなったらいいのに」と思っているのか
ぼんやりとしているかもしれません。でも、ターゲットを設定すれば、ぼんやりの中に悩みや課題の片鱗が見えてきます。
(3)ゴールの設定
潜在顧客へアプローチしたときのゴールは何か。
顕在顧客へアプローチしたときのゴールは何か。
それぞれにゴールは変わってきます。
例えば、潜在顧客のゴールは、ホームページへ訪問してもらうことかもしれません。顕在顧客のゴールは、問い合わせや相談かもしれません。
業種・業界によって変わってきますが、あなたのビジネスにとってそれぞれのゴールを明確にしておきましょう。
ゴール設定が出来ていないと、成功しているのか失敗しているのか判断できませんので、マーケティングを実施する意味がなくなります。
(4)視点
忘れがちですが大切なポイントです。
常に「顧客視点」を持ってください。
あなたが伝えたいことをアプローチするのではなく、顧客が知りたいと考えていることを使ってアプローチしてください。
例えば、ホームページを購入したいと考えている場合。
「ホームページがないと会社として信頼されません」ではなく、「ホームページがあると売上が増えやすくなります」の方が顧客視点です。
だって、ほとんど潜在顧客や顕在顧客は、ホームページを持つことで「売上を上げたい」と思っているからです。
5: 潜在顧客を見込み客へステップアップさせるなら
潜在顧客を顕在顧客に成長させ、見込み客へステップアップしてもらうためには、次の準備をしておきましょう。
(1)ターゲットをより深く理解
よりターゲットを深く理解する必要があります。
とにかく
- 悩み
- 課題
- 理想の未来像
この3つを徹底的に掘り下げていきましょう。
(2)コンテンツの充実
コンテンツを継続的に公開することが大切です。
最低でも二週間に1つはコンテンツを公開する必要があります。そうしないと、SEO対策の効果を感じられなくなります。
もし、二週間に1つのコンテンツ公開が難しいのなら、次の方法で改善することができます。
- コンテンツ制作代行を利用する
- コンテンツライターを見つけて契約する
- SEO対策は諦めて広告に注力する
(3)カスタマージャーニー
潜在顧客の感情や行動を地図にしたものを作ります。
潜在顧客から顕在顧客へ、見込み客になっていく様子を想像して描きます。
それぞれの、
- どういったきっかけでステップアップするのか
- どういった情報を得ることでステップアップするのか
これらを書き出していきます。
このとき、必ず顧客目線が必要になります。あなたが動いてほしい歩みではなく、顧客が歩む流れを見つけることが大切です。
(4)ホワイトペーパーの活用
技術情報や資料ですね。
PDF形式でも良いですし、小冊子にしても良いです。
表紙のデザインでもキャッチコピーでも良いので、「少し権威」が感じられる装丁にして配布しましょう。
もらった人が「ちょっと得したかも」と感じるようにしておくことがポイントです。
(5)メルマガでの関係性構築
潜在顧客から顕在顧客へ進んでもらえたら、メールアドレスを獲得しましょう。今ではLINEなどもありますが、継続的に接触しやすいのはメールです。
月に一度でも構いませんので、忘れられない程度にメルマガを発行して関係性を維持できるように努めてください。
6: まとめ
潜在顧客と顕在顧客へアプローチするマーケティングを解説しました。
SONIDOの経験から申し上げますと、どちらへアプローチするためにも有効なのは「コンテンツを使ったマーケティング」です。
コンテンツは作るのが面倒ですが、作ってしまうと
- ブログ
- メルマガ
- ホワイトペーパー
こういった販促として何度も流用することができます。そのため、潜在顧客や顕在顧客へのアプローチに使い回しやすく、簡単に内容を改善できるのでステップに合わせた情報として再編集し提供できます。
コンテンツマーケティングをスタートされたい方は、SONIDOまでご相談ください。6年以上の実績と経験から、やるべきこと、やらなくていいことをお話できると思います。