感情マーケティングとは~心を動かす刺激的なテクニック
マーケティングの中には「感情(エモーション)」を刺激する手法があります。
この手法は、単一の手法としても活用できますが、僕たちとしてはコンテンツマーケティングと組み合わせて使いたいところです。
というのも、感情マーケティングの手法を取り入れることができると、これまで以上に訪問者や顧客との絆を強めることができるから。
知っていて損はありません。今回は「感情マーケティング(エモーショナルマーケティング)」について学んでいきましょう。
1: 感情マーケティングとは?
感情マーケティングとは何か。ここからはじめたいと思います。
(1)感情マーケティング
感情マーケティングとは、顧客(見込み客も含む)が抱いている感情へ訴えることで、購買行動をはじめとする「成果」へつながる行動を起こさせる手法です。
では、感情を刺激し行動を生み出すためには、どのような具体的方法を準備しておく必要があるのでしょうか。
次から重要なポイントになる2点をお話していきます。
(2)ツーステップが基本
感情という曖昧な部分に訴求することで完成する「感情マーケティング」。では、感情に訴えかけるためには、どういうことに注意しておく必要があるのでしょうか。
[1]価値を感じるのは何か
例えば、ワイシャツを販売する広告があるとします。
Aのチラシには「1枚25%OFF」と書かれています。
Bのチラシには「3枚買うと1枚無料」と書かれています。
さて、顧客が感じる「価値」としては、どちらが高いと思いますか?割引率を強く打ち出すのも得策ではありますが、同じ値引率なら「おまけが付いている」方が価値を大きく感じるのです。
その証拠に「ドミノピザ」のチラシを見てみましょう。半額という言葉以外に「お持ち帰りなら1枚無料」という言葉もあります。
彼らはこうした方法のスペシャリストです。何十年もテストを繰り返しています。そういう企業が今でも「1枚無料」をやっているということは、顧客の感情を刺激するだけの価値があるという証拠なのです。
[2]ツーステップの設計図
高額商品を販売したい。そんなとき、いきなり感情を刺激するのは難しくなります。仮に「激安」としても「怪しさ」が出てきます。どちらかというと「マイナスの感情」を刺激してしまう可能性が高いです。
そこで、どうすればスムーズに感情を刺激しつつ、マーケティングの成果を出せるのかというと「ツーステップの設計図」を作ることです。
例えば、マンツーマンのパーソナルトレーニングを考えてみましょう。月額数十万円するサービスですから、LPやチラシを見ただけで「はい、契約します!」という人は少ないです。
ここでツーステップの設計図を使います。いきなりLPやチラシで契約を目指すのではなく、契約の一つ手前に一段挟みます。
具体的には、先ほどのパーシナルトレーニングなら「無料体験」です。無料体験ならLPやチラシからも行動を起こしやすくなります。顧客の心理的ハードルも下がります。すると、「まずは行ってみようか」という人が増え、最終的には契約数を増やすことができます。
高額商品やサービスでない場合は、[1]の方法だけでも感情マーケティングは成立しますが、高額な場合はツーステップで感情を刺激するように考えましょう。
(3)ニーズとウォンツ
何かの商品やサービスを購入してもらうためには、
- ニーズ(必要性)
- ウォンツ(欲求)
2つを満たす必要があります。これは感情マーケティングでも同じです。
例えば、テスラのEV自動車はウォンツがめちゃくちゃ高いです。しかし、テスラを所有するニーズはというと、プリウスでも良いのですから高くはありません。
もしテスラがこの状態のまま経営していれば、今ごろイーロンマスクも宇宙には行けて無かったことでしょう。しかしテスラはニーズを上手に開拓しています。
- テスラは資産価値が高い
- テスラは成功者の証なのでビジネスシーンで使うと取引も進みやすい
どちらも欲求に近いですが、必要性として見せています。こうすることでニーズとウォンツの両方が満たされ、感情が刺激されると購入へつながっていきます。
2: 感情マーケティングで知っておきたい7つのこと
感情マーケティングを行うとき、知っておきたい7つの感情があります。
- (1)恥・羞恥心
- (2)心・感情的な痛み
- (3)怒り・憤り・反逆
- (4)神秘性(秘密)
- (5)リベンジ・復讐
- (6)恐怖心・不安
- (7)強欲・怠情
これらは、僕たち人間がもっとも刺激を受けやすい感情だと言われてます。
ということは、マーケティングでは、これら7つを意識して使うと言うことですね。
特に誰でも刺激を受けやすいのが「恥」でしょう。
人は愚かでありたいと思っていません。恥をかかないためなら、お金を使って不安を取り払おうとします。
初デートでフォーマルなレストランへ行く予定があるとき、相手のことが気に入っているのなら「恥」をかきたくないので、これまで買ったことのないようなブランドの洋服を購入するでしょう。おそらく、こういうシーンでは、販売スタッフおすすめのアイテムを疑問もなく購入するはずです。
3: 感情は価値観の影響を受ける
感情と価値観の関係で、もう一つ知っておくと良いことがあります。
それは、相手が信じているイメージに合わせて、言葉を置き換えると一瞬で価値が高まるということです。
例えば、古着の販売。古着って中古の服です。
- 人が着ふるした服
- 古いデザインの服
- 古いので安い服
- 古いから清潔じゃないかもしれない服
- 破れやほつれが多いかもしれない服
こういう言葉で伝えると、たぶん古着なんて一着も売れません。
しかし
- ユーズド
- レトロ
- アンティーク
このように言葉を置き換えると一瞬でポジティブな価値が湧き上がってきます。人とは違ったおしゃれを楽しみたい人なら「これは自分のライフスタイルにぴったりだ」という気持ちがむくむくと出てきて感情に働きかけることでしょう。
4: 感情マーケティングを使う方法
感情マーケティングを使う方法ですが、以下の5つからスタートしましょう。
(1)苦痛に共感
顧客が感じている苦痛に共感し、解決できることを示しましょう。
人は誰でも苦痛から離れ、快適にストレスなく暮らしたいと考えています。
(2)達成を促す
顧客が期待している
- 購入
- 場所
- 収入
これらの夢を実現するために、わたしたちの動機を伝えて達成できることを促します。
(3)正当な理由
昨今の顧客が感じる価値の中には、社会貢献度が入っています。
そのため、どのようなサポートを社会に対して行っているのかも、感情マーケティングでは重要になります。
SDGsの取り組み。医療従事者へのサポート。子供達の教育への寄付。
こうしたことが、感情を刺激することも覚えておきましょう。
5: まとめ
感情マーケティングは、顧客の購買行動を促進し、より良い関係性を築くために不可欠な手法です。
上手に活用するためには、
- 価値を感じるのは何か
- ツーステップ設計図
- ニーズとウォンツ
まずはこれらから整理していくことをおすすめします。
市場が感じていることは変化しています。アンテナを常に張り、
今はどのような感情に刺激を受けやすいのか = 最も苦痛なのは何か
を見つけ、市場にフィットした提案をしていきたいですね。