顧客が持っている本当の価値を知る方法
資本主義社会であれば、生活するためにも社会を回すためにも、お金を生み出す経済的な活動が必要になってきます。
そこで、僕たちはリスクを背負いながらも「起業」「創業」「事業継承」などを行ったわけです。
ほとんどの人は、出発点に居るときや、出発してすぐの頃は、自分にお金を払ってくださる顧客がもっている本当の価値を知りたいと考えていますし、また、熱心に価値を見つけよう、価値を感じてもらえるようにしようと切磋琢磨します。
しかし、人間誰しも同じですが時間が経過すると、「もっと簡単に」「もっとラクに」「もっと多くの人に」お金を使ってもらいたいと感じるようになり、自分の目の前に居る顧客が持っている本当の価値を見失いがちです。
そこで今回は、もう一度初心に戻るため、僕たちを信頼し、お金を払い、時間を使い、お取引き頂いている「顧客の本当の価値を知る方法」についてお話していきます。
すでに顧客の本当の価値を理解している、という人は読み進める必要はありません。読む時間を使って、より顧客に寄り添えることを計画してください。
自分はどうなんだろう?そういうと・・・。という人は読み進めてください。
1: 顧客の本当の価値を知ることは成功の一歩
顧客の本当の価値を知ることは、ビジネスを成功させる一歩です。
(1)ビジネスにおける視点
ビジネスとは収益を生み出さなければいけません。そして、収益を生み出すためには、顧客の求める価値にぴったりと合わせ、自社の強みを最大限に活かして応えていくことだと僕は思います。
間違っても、見込み客が顧客へと変化するとき、見込み客が求めている価値をあなたが提供できないまま取引が成立することはありません。
一般的な教育を受けた人であれば、自分の求める価値が満たされないなら、お金や時間を費やすことはありません。
そういう意味で、顧客の本当の価値を知ることは、今後のビジネスの発展にも大きく影響を与える要素であると言えます。
(2)顧客価値とは
顧客価値とは、最近では「カスタマーバリュー」と表現されることがあります。
ここでカスタマバリューについてお話していきます。
カスタマバリューとは、
- 顧客にとって、自分自身が満足する要素を求めていること
- 企業にとって、顧客との関係を生み出す強みの提供
このように考えることができます。求めている人と提供する人の関係性が構築できることを目指しています。
そして、もう一歩踏み込んで考えるなら、カスタマバリューとは企業側の要求よりも、顧客側の要求を満たすことに重点が置かれているのも特徴です。
企業は顧客の求めていることを、商品やサービスなどの提供で満たそうとしますが、あくまでも企業は「提供している」だけなので、顧客価値が高まるかどうかは、受け取る側の体験によって決まります。
ここで難しいのは「受け取る側の体験」です。体験とは、商品やサービスを提供し、顧客が受け取ったら終わりではありません。ここまでは「取引」なんですね。そして、提供した後に発生する感情が「体験」を生み出しています。
勘の良い人ならお判りのとおり、顧客価値には「顧客満足度」も含まれているのです。そのため、アフターフォローなどがきちんとできていないところですと、顧客価値を考える意味すらありません。
顧客価値を気にするのなら、まずはきちんとした取引が出来ているかどうか。取引した後のフォローもきちんとできているのか。ここを見つめてみてください。一足飛びに顧客価値を考えたとしても、取引とフォローができていないと何も生み出しません。
2: 顧客価値を理解する上で知っておきたいこと
顧客価値を理解する上で知っておきたいことがあります。
(1)顕在価値
顕在価値とは、顧客が自分で認識している(原因と結果が明確になっている)ことです。
- 悩み
- 不安
- 欲求
こうしたことが明確になっており、
- どういう状態になりたいのか
- どういう結果がほしいのか
ゴールまで明確になっています。
顕在価値は、企業にとってとても有意義な価値です。だって、そこに商品化すれば良い情報があるのですから。
(2)潜在価値
潜在価値とは、顧客が気づいていない課題を解決することです。
これ、かなり難しいというか、日本人(日本企業)が苦手とする価値です。
だって、顕在価値のように原因と結果がわからないので、企業が手探りでテストを繰り返してみるしかありません。
テストを繰り返すということは、一回で成功することもあれば、1000回やっても失敗ばかりという可能性もあるわけで、こうした「やる前からどうなるのか」わからないことって、日本人や日本企業は苦手です。
でも、当たれば大きなビジネスを展開できます。例えば、アップルのiPodです。
ウォークマンしか無かったときに、音楽を1000曲以上持ち歩けたんですから。
誰も想像していなかったですが、あると便利なので欲しくなります。
(3)機能的な価値
顕在価値の中には、機能的な価値というものがあります。
いわゆる「特長」「性能」です。
モノとしての価値です。
こうした価値は「古い考え」と言われることが増えましたが、顧客が購入を検討するとき完全に無視されているわけではありません。
例えば、デジタルカメラだと「特長」「性能」は比較検討する要素です。
(4)感情的な価値
顕在価値の中には感情的な価値というものもあります。
モノから伝わってくる「らしさ」という数字では測れない情報です。
- プロっぽい
- かっこいい
- おしゃれ
- ゴージャズ
- 上品
機能的な価値が低くても、感情的な価値が高いと、値段が高くても売れるケースがあります。例えばiPhoneは典型的な例です。
スマートフォンとしての機能的な価値は、アンドロイドと同じかアンドロイドの方が上だったりします。でも、iPhoneという存在に
- かっこいい
- おしゃれ
- 高級感がある
こうした感情的な価値が高いため、アンドロイドより高くても売れますね。特に日本では大人気。
デジカメですと「ライカ」がわかりやすいです。確かに美しく撮影できます。これは間違いありません。でも、日本製のデジカメより何十倍も良い性能なのかというと・・・。そんなことはありません。でも「ライカ」というブランドに高い感情的な価値があるのです。
3: 顧客価値を知る方法
それでは顧客価値を知る方法についてお話します。
(1)顧客価値を知っているのは誰?
顧客価値を知っているのは誰でしょうか?
- コンサルタント
- 会計士
- 税理士
- プロモーター
- マーケター
他にも様々な仕事の人がいます。これらの人たちは「知っている」ように感じますが、実のところ知ってはいません。
顧客価値というものを本当に知っているのは「顧客本人」だけ。「自分たちは知っている」と驕った考えは捨てるのが一番。「自分たちは知っている」と思ったとき、人は無知になっているのと同じです。
(2)僕たちは誰と向き合うべきなのか
僕たちは「顧客本人」と向き合うべきなのです。
また、そうすることでしか顧客価値を知り、顧客価値を向上させることはできません。
どこかの有名な広告会社のクリエイターなどがネットに「こんな価値が・・・」などと掲載していても、それはクリエイターの心の中だけの話し。
仮に顧客を集めてアンケートや座談会を開いたとしても、多数の人が集まった中で本音を言う人はいません。誰でも自分に良い印象を持たれたいので、「これダメですね!」「こんなのほしくありませんよ!」「誰が考えたんですか?」「ホンキで売れるって思ってます?」なんて言いません(僕は言いませんし、たぶん大人のあなたも言わないでしょう)。
僕たちが向き合うのは「顧客本人」です。ネットの情報ではありません。顧客とコミュニケーションを取り、行動を観察し、問いかけをすることで得られることなのです。
(3)小さな興味を失わない姿勢
顧客本人とコミュニケーションを進める場合、僕たちが決して失ってはいけないのが「小さなことへの興味」です。
小さな欲求を見逃してはいけません。自分勝手な憶測ではなく、目の前の人が何を言っているのか、なぜそういう行動をしているのか、理解するようにしましょう。
(4)「検討」ではなく「行動」
ここまでの話しをすると、情報を集めて「検討」ばかりする人がいます。「検討使」になってはいけません。検討も大切ですが「行動」を起こさないと結果はわかりません。
できれば、検討と行動の間隔は短くしましょう。「○○かな?」と感じたら、明日には行動して試してみる。この繰り返しを続けると、あなたのビジネスにぴったりと合った顧客価値を見つけ出すことができます。
4: まとめ
顧客が本当に持っている価値とは、あなたのビジネスを発展させるきっかけとなるヒントやアイデアだと言えます。
人によっては「ひらめきを貰った」という人もいるでしょう。
顧客の本当の価値は、簡単に見つかることではありません。でも、続けることができれば、何かプラスになることが得られる可能性が高いものです。
ぜひチャレンジしてください。