購買心理プロセス~お客様の内面を知って購買力アップを目指そう!
こんな話しを聞くことがあります。
- とても良い商品なのに全然売れない
- 手間暇かけて作っているのに全然売れない
- 引き合いの話しは来ても契約まで繋がらない
いかがでしょうか?同じようなことを感じている事業者様も多いはず。反対にこんな話しも耳にすることはありませんか?
- たいした商品でもないのに売れている(悔しい!)
- 手間をかけずに冷凍食材を使っているのに行列が出来ている(むかつく!)
- 「できます!」しか言わないのに契約を持っていかれる(なんでや!)
これらの話しには、購買心理プロセスが関係しています。というのも、多くの購入者は、あなたのように賢くありません。あなたが考えるほど深く考えてはいません。
そのため、本気の人ほど悔しい思いをすることになります。なんだか間違っていますが、購買者とはそういうもの。
僕たちは購買者が「欲しい!」と思う流れを知り、上手く流れに乗せて商品やサービスの話しをしなくてはいけないのです。
1: 購買心理の基本は7つ
購買者の心を動かす、いわゆる「心理」には7つの基本的な考え方があります。
次からお話する流れによって購買心理は成長し、強力なリピーターへ歩んでもらうことになります。
(1)認知
どのような商品やサービスであっても(地球最高に良い商品や太陽系で一番のサービスであっても)、商品やサービスの存在を「知ってもらう」ことができなければ「存在しない」のと全く同じです。
そのため購買心理の1つ目に必ず入ってくるのが「認知」です。知ってもらうことですね。
知ってもらうためには、
- 広告
- SNS
- 口コミ
様々な方法があります。どの方法でも構いません。あなたの商品やサービスのテイストに合った方法で良いのですが、肝心なのは「知ってもらえる」ところでアピールしなくてはいけないことです。
仮にいくら認知を高めようとがんばっても、人がほとんど通らないような山道に看板を立てたとしても、熊やシカやイノシシしか見ていませんので購買へ繋がる行動は期待できません。
(2)興味
認知の次は「興味」です。よくある間違いですが「認知される=興味をもってくれる」と思い込んでいる人がいることです。
そんな都合の良い話しはありません。認知はあくまでも「知ってもらえた」というだけ。その次に「興味」を持ってもらえないと購買へと繋がらないのです。
では、ここで言う「興味」とはどういう状態なのかというと
- あっ!自分に関係あるかも!
- この商品、欲しいかも!
ポジティブな感情をベースとした「小さな欲求」の芽生えです。
(3)行動
興味を持つと一般的な感性と価値観をお持ちの人なら、何らかの行動を起こします。
例えば、
- スマートフォンを取り出して検索する
- パソコンを起動して検索する
- 書店に走って関連雑誌を見る
- 図書館へ行って関係する書籍を熟読する
- 自分のまわりに知っていそう人を見つけて電話する
どの方法が良いとか悪いとか、そういう話しではありません。ここで理解してほしいのは、興味を持ったなら行動するというパターンです。
そして、行動してもらえたとき、僕たちは行動した人へ
- 簡単に
- わかりやすく
- シンプルな方法で
行動した人へ伝える準備をしておく必要があります。
例えば、
- ホームページから3クリックで資料請求できるように準備しておく
- 雑誌に広告掲載しておき連絡できる準備をしておく
- フリーペーパーに掲載しておき予約できる準備をしておく
これらは業種や業態によって方法は様々ですが、重要なのは行動した人が簡単に見つけ、次の行動が取りやすいようにしておくことです。
もし、ここが難しく複雑でわかりにくいと、どのようになるでしょう。余程のマニアでなければ「や~めた」となります。こうなるとせっかく「行動」まで起こしてもらったことが水の泡。
でもですよ、ここで終わってしまっている会社も多いと思います。せっかくホームページへ訪問(これも行動ですね)してくれたのに
- ホームページの内容がわかりにくい
- ホームページの操作が難しくて複雑
- ホームページからの問い合わせフォームがイマイチ
こういうことで「終了」されてしまっているところ、あると思いますし、実際に仕事柄観察していると「終了」になっているところを見受けます。
(4)比較
行動までしてもらえたらなら、半分以上は上手く進んでいます。
では、残りの50%は何かというと「比較」です。
だって、あなたも同じではありませんか?例えばネットショップで探していたアイテム。
価格ドットコムで見つけたとしても、ヨドバシカメラやアマゾン、楽天にある同じアイテムを比較しませんか(この場合は価格の比較です)。
また、新築戸建て住宅を購入しようとしているときなら、価格も大事ですが、どういう施工会社なのかを他の会社と比較して検討しないでしょうか。
どんなモノでも、どんなサービスでも、購買までの途中では「比較」をされるものなのです。もし、あなたが世界で一つしかなく、あなたしか作れないようなモノを販売しているのなら、こういう比較はされませんが、そんな状態は「ほぼ無理」です。
ということで、比較されることを理解し、あなたの商品やサービスが他社のものと比較されたとき、
- どういうメリットがあるのか
- どういうデメリットがあるのか
- どんな未来が描けるのか
をしっかり伝えないと競合よりも優位にコトを運ぶことができません。
(5)購買
比較が優位に進めれば、いよいよ「購買」です。
ここで初めて「買ってもらえた」ということです。しかし、まだ油断してはいけません。購買心理とは、購買がゴールではありません。その先までを含んでいます。
そのため、購買してもらった後のことも考えましょう。だって買ってもらえただけで、相手は「まだ」使っていませんからね。
(6)利用
大半の人は購入すると利用します。すると次のような感情が湧き出ます。
- 思っていたとおり良かった!
- まぁ、こんなものか
- ナニコレ!二度と買わない!
ここであなたにとって有利なのはどの感情でしょうか?
僕たちは相手の感情をコントロールすることはできません。そのため「良かった」と感じてもらえるように「努力」するしかありません。
ただし、購買まで進んだ人の全員に「良かった」と感じてもらうのは難し過ぎます。8割くらいが「良かった」と感じてくれたならOKとしましょう。
(7)満足
満足度の高い状態が継続すると商品なら愛情を持ちます。サービスなら繰り返し使います。
すると、リピートしてくれる人に成長します。タイミングが合えば口コミで誰かを紹介してくれる可能性もあります。
ここまでが購買心理の基本7つです。
物販でもセミナーなどの商材でも、ほぼ同じ流れになります。そのため、良いモノなのに売れないと悩んでおられる方は、この7つの流れを確実に覚えてください。
というのも、良いモノなのに売れない場合、この流れの中のどこかで流れが堰き止められています。
止められた障害を取り除きましょう。すると、意外と簡単に流れが進んでいきます。
多くの場合、止められているのは「認知」「興味」の部分です。
2: 購買心理プロセスの構築は「AIDMA」から始めよ
さて、購買心理の基本7つをお話しましたので、次はホームページやオンラインショップなどの集客活動で使いやすい「購買心理プロセス」という、ある意味「仕組み」をご紹介します。
購買心理プロセスは次の5つのプロセスで表現しています。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Motive(動機)またはMemory(記憶)
- Action(行動)
先ほどの購買心理7つの基本と照らし合わせてください。大変似ていますし、同じような流れになっていることがわかります。
それでは、これら5つを詳しくお話していきます。
(1)Attention(注意)
感情的な表現をすると「あっ!」です。
ネットを見ていて、モールを歩いていて、偶然かもしれません。たまたま視線の走った先に「あっ!」。
やっと見つけたよ~。そんな感じ。これがAttention(注意)であり、先ほどの購買心理なら「認知」と一致します。
購買心理プロセスでも、知ってもらうことからはじめます。
具体的には、どういう方法があるのかというと
- 広告
- 店頭ディスプレイ
- ホームページのコンテンツ
- メディア掲載
こういう方法でAttentionを作り出します。
(2)Interest(興味)
認知の次は興味でした。購買心理プロセスでも同じです。
知ってもらった後は、興味を持ってもらい「欲しい」という感情を芽生えさせなくてはいけません。
ここで「別に欲しくない」と思わせたり、「あなたからは絶対に欲しくない」と感じさせたりしてはいけません。これは大失敗です。
言葉で表現するなら
- かわいい!
- かっこいい!
- すてき!
- そうそう!
- これこれ!
さて、あなたの商品やサービスは認知の次に、どのような言葉が口をついて出ているでしょうか。想像してみましょう。もし無言だったなら危険です。だって、あなた自身、どのような興味を示して良いのか分かっていない商品やサービスを提供していることになりますからね。これでは売れません。というか興味を持ってもらえません。
あなたが興味を持てない商品やサービスを、興味を持って「欲しい!」という人は残念ですがいらっしゃらないです。
(3)Desire(欲求)
興味を持てば次は「欲求」です。購買プロセスでも同じです。
欲求を満たすために
- ネットで検索
- SNSで調べる
- 友人に聞く
最近ですと、こういう方法が「欲求」を満たす行動のほとんどではないでしょうか?
商店街を見て歩く人はいないと思います。
(4)Motive(動機)
「M」の部分は「Memory(記憶)」とおっしゃる人もいます。
どちらでも良いのですが、ここでの重要なポイントは、自分の商品やサービスを主体的に覚えてもらったり、比較してもらったりする「動機」を生み出すプロセスであることです。
動機を生み出し、前向きな意思決定へ進んでもらえるようアピールしましょう。例えば、競合よりも価格が高い場合や安い場合は、必ず理由を語りましょう。
強い動機付けがなされるかどうかは、メリットやデメリットではなく「なぜそうなのか」という理由に相手が納得できるのかどうかです。
人は理由なくして強い動機を持てません。なぜなら、正当な理由がないと自分以外の人からバカにされたり、批判されたりしたとき、「○○だから選んだんだ」と反論できないからです。
(5)Action(行動)
いよいよ購買へ動いてもらいます。
比較の中で選ばれた結果です。
3: 共感の時代は「AISCEAS」の理解が必要
もう一つ、SNSが普段の生活ツールとなった現代らしい購買心理プロセスがあります。
それが「AISCEAS」。
- A:Attention(認知)
- I:Interest(興味)
- S:Search(検索)
- C:Comparison(比較)
- E:Examination(検討)
- A:Action(行動)
- S:Share(共有)
ほとんどは購買心理7つの基本やAIDMAと同じなのですが、スマートフォンやSNS登場以前と以後で大きく変化したのが以下の2つ。
Search(検索)とShare(共有)
とにかく今は少しでも興味を持ったこと、わからないこと、疑問に感じたことは検索されます。ここで検索されたことに対した答えを準備できていないと比較の土俵へ上がれません。
また、Share(共有)はスマートフォンとSNSの両方が存在しているからこその購買心理プロセス。購入した後、どのような使い勝手だったのか、対応は良かったのかなど、これまでなら友人同士という小さなコミュニティーの中だけで語られていたことが、一瞬にして全世界へ発信され、認知や興味の段階にある人へ共有されるようになっています。
共有→認知へのスピードと物理的な距離が「ほぼゼロ」状態ですから、少しでも悪い評判が出ると、認知や興味の段階の人は、それ以上の検索をしなくなりますし、比較をすることすらしなくなり、結果として売れなくなります。
- Youtube
- LINE
これらのツールが上手く機能すると「共有→認知」へ素早く展開しますから、急激な売上増を期待できます。いっぽう、悪評が立つと一瞬にして売上減。小さな店舗ですと閉店ということも現実にあります。
4: まとめ
購買心理プロセスを理解するためには、購買心理7つの基本から理解してください。
その上で、AIDMAを学び、最後のAISCEASへ進み、理解を深めてもらえるのが理想的です。
そして、SNSを活用される場合(活用を検討されている場合)は、「共有→認知」へのパワーを正しく理解しておく必要があります。
「共有→認知」へ簡単スピーディーに情報が流れるSNSは、味方につけられると無敵の武器ですが、敵にすると大きすぎるダメージを被ります。人間なら「治りにくい致命傷」。言わば「回復不可能な重傷」や「危篤」の状態です。
このようなことを理解し、ホームページやオンラインショップの改善に活用いただけると幸いです。