購買意欲を高める言葉と心理の関係
ほしい商品があったとき、昔なら歩いていけるお店だけで決めないと仕方なかったり、お店が集まっているエリアへ行って5~6件見て回ったりして決めるのが普通でした。
しかしスマートフォンとWi-Fiの普及によってインターネットを使ってほしい商品を探していると、同じ商品を扱っているお店が何十件も出てきます。
ここで次のような問題が浮上してきます。
「同じ商品で同じ価格帯なのに選ばれるショップと、そうでないショップが生まれる」
ということです。
また、こんなことも事実としてあるでしょう。
「自分のところの方が良いものなのに、イマイチなのものを扱っているショップが売れている」
納得できない現実を突きつけられることもあります。
実はこういった「納得できないこと」は、消費者の購買意欲をどうすれば高められるのかを知っているか知らないかで違ってきます。
今回は消費者の購買意欲を高める言葉と心理の関係について紹介していきます。
1: 購買意欲は黙っていても高まらない
スマートフォンでササッと検索すれば、ほとんどのことはわかってしまいます。
そのため、自分が「ほしいな」と感じたこともスマートフォンで検索すると、扱っているショップや値段などが一瞬で手の中に入ります。
そして、ネットで検索すると「たった1店だけ」が表示されることはまずありません。
複数店が出てくるのは当たり前ですし、地域性に重点を置かれていない商品やサービスなら、競合は日本全国になってしまいます。
このような状況の中で、運良くあなたのホームページが選ばれたとして、選んだ人は必ず購入してくれるのかというと、そんなことは起こりません。
あなたもこれまでネットで検索された経験を思い出していただくとわかると思いますが、最低でも2~3件のホームページを開いて比較してから決めると思います。
で、このとき、1番目に選ばれたからといって購入対象になるとは限りません。
その理由は、比較するときに見たホームページの内容に消費者の購買意欲を高めるような仕掛けがなされていたかによって変化するからです。
例えば、単に機能説明だけされているホームページと、実際の使い方まで説明されているページがあるなら、後者の方を選ぶ人が多いでしょう。
さらに、使うシーンまで説明され、消費者への金銭的負担や心理的負担も少ないように伝えてあれば、3つの目のホームページで購買を検討するようになる確率はグンとアップするはずです。
このような違いを見ると、今のインターネット全盛時代に購買対象として選ばれるためには、消費者の
「ほしいな」 を 「ここで買いたい」
に変化させる言葉や心理操作が必要になってくることがわかります。
2: 購買意欲を高める言葉と心理
それではここから、購買意欲を高める言葉を伝えるために使える心理効果について学んでいきましょう。
(1)権威
専門家であることを伝えると、人は「間違いない」と感じやすくなります。
そのため「○○大学教授」とか「内科医推奨」とか「元国体選手がお手伝い」というように、専門性の伝わる言葉で効果を出すことができます。
(2)みんな使っていて大人気
「バンドワゴン効果」と言われる心理です。
誰も「ゴミ」「クズ」「ガラクタ」にお金を払いたいとは考えていません。
また、自分の親しい人から「どうして買ったの?」と言われたくもありません。
だから、
- 30代女性は使っています
- 100万人が大満足
- 今アパレル店員の間で大人気
などと伝えることで、ハズすことがないなと安心を感じてもらえます。
(3)ハロー効果
RIZAPの広告を思い出してください。
有名芸能人がダイエットに成功した様子が掲載されています。
良いイメージを持った有名人を使うことで注目度をアップし、自分にも効果がありそうだと感じてもらうことができます。
これは地域ビジネスなら、地元の有名人でもOKです。
(4)マッチングリスク意識
消費者は非常に非常に非常に疑い深くなっています。
これはこれまで様々なシーンで「だまされた」と感じている人が増えているからですし、実際に約束を守らず「だました人」も多いからだと思います。
このような状況になっているため、購入を考えているときにも
- ホントかよ
- ウソじゃないの
- あやしい
と不安を抱いているもの。
この不安(マッチングリスク意識)を払拭することで購買対象として選んでもらいやすくなります。
(5)損失回避の法則
消費者は何がほしいのかというと、自分の利益になることです。
しかし、もう一歩深く消費者心理を考えてみるとわかりますが、多くの人は自分が利益を得ることよりも、今の状態から損失を出すことに大変恐れを持つ傾向があります。
そこで「30日間全額返金保証」などを伝えることで、損失回避を覚えてもらえると購買意欲も高まります。
(6)クライテリア
NLPで「価値基準」のことをクライテリアと言います。
消費者がどうしてその商品やサービスへ興味を持ったのか。どうしてネットでわざわざ時間を使って探し比較するのか。
こういった行動にはすべて「理由」があり、その理由を作っているのが価値基準だと言えます。
例えば、キャンピングカーがほしいとすると、次のような価値基準が思いつきます。
- 家族で思い出を作りたい
- 子どもに非日常の体験をさせてあげたい
- お決まりのテーマパークではない自然の楽しさを知ってほしい
こういうことがわかってくると、単に
「キャンピングカーは楽しいですよ!」
と伝えるよりも
「今年の夏はキャンピングカーでお子さんと特別な思い出を作りましょう!」
と価値基準に合わせて伝えることができるようになります。
そうすると、このメッセージを見た人は、家族が楽しんでいる情景を頭の中に想像し、購買対象として興味を持ち始めます。
(7)笑顔の効果
人は誰でも笑顔を見ると安心します。
そして笑顔を見ると、自分も笑顔になります。
相手が笑顔なのに自分がしかめっ面というのは難しいですし、なんだか自分に後ろめたさも感じます。
ホームページも同じでして、要所要所に笑顔を配置しておきたいですね。
(8)面倒は避けたい
複数のプランがサービスにある。
同じジャンルの商品が複数ある。
こういった場合、全部をドーンと見せると消費者は検討しません。
反対に「こんなにあるの?見つけるの面倒」ということで離脱します。
そこで女性コスメのパンフレットや広告を参考にしましょう。
こういった商品は同じジャンルの商品が、ひとつのメーカーから複数出ています。
で、コスメ業界はどうしているのかというと、「○○タイプ」というようにターゲットを設定し適した商品へ誘導するようにしています。
20代なら○○と○○
30代なら○○と○○
同じファンデーションでも年代別に紹介することで、全部を見て比較する必要がなくなり「面倒」な気分を減らすことができます。
これと同じことをやっているのが、SONIDOのホームページです。
タネを明かすと、ホームページをご覧になった方の状態によって、3つのアクションから自分に合ったものを選んでもらえるようになっています。
このように、消費者に考えなくて良い方法を提供することで選ばれる確率も上がります。
3: まとめ
今回は消費者の購買意欲を高める言葉と心理の関係について紹介してきました。
これ以外にも心理を動かす方法はありますし、学びはじめるとキリがないくらい新しい心理効果も出てきます。
ここで間違えないで頂きたいことは、こういった心理について暗記することが目的ではなく、心理から消費者が「どうすれば安心できるのか」を理解することなのです。
今に時代「買いなさい!」「いいですよ!」「損しますよ!」という押し売り的な方法で選ばれることはありません。
それよりも信頼を感じてもらい「ほしい」から「ここで買いたい」に変化してもらうこと、すなわち消費者に安心してもらえる方法をホームページにちりばめるとことで、これまで以上に期待する反応が得られるようになるでしょう。