顧客視点のマーケティングとは?こんな時期だからこそ行動と心理を深堀しよう!
令和2年、誰も予想できなかったような状況になっています。
外出の自粛、店舗の自主休業。
当然ですが人が移動しないですし、収入や貯蓄への不安が増大しますので、必然的に生活必需品以外の消費は落ち込みます。
このような状況は目の前にあることですから多くの経営者の方たちは、はっきりと「何とかしないと」という危機感をお持ちだと思います。
中には「なんとかなるだろう」と悠長に構えている方のいらっしゃるとは思いますが多かれ少なかれ、これまでと全く同じ方法でビジネスをやっていては売上が下がっていくことは間違いありません。
特に店舗など「対面」によるサービスを行っておられたところであれば、今回のような状況が半年続くと、あなたのお店の存在そのものが忘れられてしまう可能性もありますし、足を運ばなくても楽しく暮らせるんだということに気がつき、世の中の状況が元に戻ったとき、あなたは選ばれていない可能性もあるのです。
では、このような望まない結果を回避するために、今できることは何なのかというと、、、
「顧客の視点に立ったマーケティング」をすぐにビジネスへ取り入れ、スピード感を持って実施していくことだと僕は思います。
政府の対応と同じように、検討や会議を続けていても何も変化は出てきません。特に僕たちがやっている仕事は、黙って座っているだけでお金が入ってくるものではありませんから、スピード感をもって行動を起こし、ダメなら別のこと、上手くいけばさらに改善を進めていかないといけないのです。
1: 顧客視点マーケティング成功のカギとは
顧客の視点に立ったマーケティングこそ、これからの時代に必要な成功のカギだと思います。
では、顧客視点マーケティングの成功に必要なカギとはどのようなことでしょうか。順に説明していきます。
(1)アンケートが絶対ではありません
顧客の視点に立つという言葉から、多くの方がイメージするのは「アンケート」を実施して、顧客の考えていることを聞き出すという方法です。
この方法は、間違っているわけではありませんが、ほとんどの顧客は自分の本当の理由、「どうしてそういう商品やサービスがほしいのか」を僕たちへ伝わるように言語化するのが苦手です。
そのため、アンケートを行っても、誰もが考えるような一般論しか得られないこともあります。
また、アンケートを行うときに「グループインタビュー」を行う方法もありますが、これはファシリテートの力量が低いと、参加者がお互いの話に無難な反応を示すだけに終始されてしまい、全く役に立たないということもあります。
ですから、「顧客視点に立つ」ということは、必ずしも「アンケート」の結果が完全な正解ではなくということを理解しておきましょう。
本当の意味での顧客視点を得る方法とは、顧客の行動を観察することです。
(2)あなたの思い込みは逆かもしれない
こんな話があります。
とある保険商品を扱う代理店が、お客様の利便性を考えて複数の保険会社の商品を取り扱うようになりました。
保険の相談があったお客様へは、自分たちの専門知識を全て使い、多くの保険会社の商品でもっとも良いと考えるものを提案していたということです。
しかし、ある日のこと、どうも成約率がイマイチ良くないことに気づき、次のお客様へ質問をしてみたのです。
「良い保険商品を集めましたが、躊躇しておらえる理由はなんでしょうか?」
そうすると、お客様は
「多すぎて悩むんです。3つくらいがわかりやすいかな?」
いかがでしょう、あなたのビジネスでもこんな「思い込み」がありませんか?
私たちは何かの専門家ですから、ついつい「良かれ」と思ってお客様へ多くの選択肢を提案しがちです。
しかし、提案を受けるお客様からすると「多すぎると悩むから面倒」という心理があります。
これこそ本当の「顧客視点」を手に入れた瞬間です。
自分の思い込みではなく、相手の気持ちを想像することが大切です。
(3)行動観察こそ最大のカギ
先ほどもお話しましたが、顧客視点には、顧客の行動観察が欠かせません。
店舗なら、どういう順に見て回っているのか。
サービスを提案する仕事なら、どういったとこで悩むのか。
結局、こういうことは、僕たち自身も買い物をする体験がないと想像できないことも多くあります。
ホームページから集客するなら、お客様はどういう行動をして、どんな機械を使って検索して探しているのかをイメージしてみましょう。
イメージできない場合は、自分が何も知らないことを調べたいとき、どんな行動をするのか自分で自分を観察してみることも大切です。
顧客視点に立つということは、顧客の行動を知ることなのです。
2: 顧客視点マーケティングにはピラミッドが大切
顧客視点のマーケティングを行う場合、顧客はピラミッド構造になっていることを理解していきましょう。
この構造を理解していないと、顧客全てが画一的な視点で行動しているというような誤解が生まれます。
では、どのようなピラミッド構造になっているのかというと、次のようになっています。
- 悩みがわかっていない人
- 悩みがわかっている人
- 悩みを解決したい人
- あなたを見つけた人(認知)
- あなたと取引した人(購買経験)
- あなたを信頼した人(リピーター)
- あなたのファンの人
上から下に向かって、どんどんとあなたへの信頼度が増していきます。そして、何度もリピートしてもらえるようになります。
このピラミッド構造を見ると勘の良い方はもうおわかりかもしれませんが、各段階によって顧客の視点は変化しています。
「悩みがわかっていない人」へ、あなたが提供していることを細かく伝えたとしても、相手は「悩みがわからない=悩んでいない」のですから、全く響きません。
でも、
- 悩みがわかっている人
- 悩みを解決したい人
- あなたを見つけた人(認知)
こういった人なら、あなたの話を真剣に聞いてくれる可能性が高いです。
また、
- あなたを信頼した人(リピーター)
- あなたのファンの人
こういった顧客の場合は、すでにあなたを信頼していますから、細かく話す必要は少なくなりやすいです。
このように「顧客」と一口に言っても、顧客がピラミッドのどの階層にいるのかで、こちらの伝えることを変化させないといけません。
これが顧客視点に立ったマーケティングのポイントです。
3: 顧客視点マーケティングで忘れちゃいけないこと
このようなマーケティングを実施するためには、次のことを忘れてはいけません。
(1)顧客を決める
まず、あなたが伝えたい相手を決めなくてはいけません。
先ほどのピラミッドもそうですが、相手が決まっていないと「何をどのように」話せばいいのかわかりません。
(2)競合を決める
顧客を決めることは、すなわち競合を決めることでもあります。
自分が決めた顧客層とは違う部分は無視し、決めたところだけに注力しましょう。
(3)メッセージを決めよう
顧客と競合が決まると、伝えるメッセージが作れます。
このメッセージの中では、競合から見分けられるポイントを盛り込みましょう。
(4)媒体を決めよう
顧客と競合とメッセージが決まると、どうやって伝えるのかを決めないといけません。
伝え方は様々ですが、あなたが伝えたい相手が日頃から目にしている媒体へ出さないと伝わりません。
いくら道路横に看板を出しても、20代のOLさんは見てくれないでしょう。
Facebookへ広告を出しても、60代以上の方の反応は期待できません。
媒体は大変重要な要素です。使われているもの、見られているものを選ぶようにしておきましょう。
4: まとめ
混乱している経済状況と生活状況ですが、これからも事業を継続するためには、給付金や助成金、貸付だけをあてにするのではなく、顧客の視点に立ったマーケティングをすぐに導入して、ビジネスを成長させてもらいたいと思います。
例えばSONIDOは、普段からテレアポなどの営業を行っていませんので、今回のような状況になっても「認知」という部分に大きな変化はありません。
ビジネスにおける最も大切なことである「認知=知ってもらう」部分に不安がないということは、厳しい状況ではありますが、他のところよりも安心できる状態で「あれこれ」テストを行いつつ、最適解を見つける余裕を持つことができます。
このような安心感を、こんな時期だからこそ、あなたの資産として持ってもらいたいと考え、今回のコンテンツを書いてみました。
厳しい状況ですし先行きのわからない状態ですが、あなたの事業を継続するヒントになれば幸いです。