時間管理のマトリックス~あなたのビジネスを効率化する方法~
僕たちの生活で、誰もが絶対に取り戻すことができず、貯めておくこともできないのが「時間」です。
そのため、普段から仕事でも時間を大切に使わないといけないのですが、気がつくと無駄に使っていることもあります。
誰しも経験があると思うのですが、時間を無駄に使うとかなりの罪悪感を引きずりますし、後悔をすることもあります。
そこで今回は、時間を最適に使うマトリックスについてお話していきたいと思います。
1: 時間管理マトリックスとは
時間管理マトリックス(マトリクス)とは、「7つの習慣」で有名な「スティーブン・コビー」博士が取り上げた時間管理のモデルです。
どのようなモデルなのかというと、僕たちには次のような4つの領域があります。
- 第一領域
- 第二領域
- 第三領域
- 第四領域
仕事上で起こる作業や会議、アイデアや計画を生み出す行動などがありますが、これらをそれぞれ4つの領域に正しく当てはめることで、単に多忙なだけの毎日から解放されるようになるという方法です。
(1)第一領域
第一領域は「緊急で重要」なことをする領域です。
例えば
- 災害
- 病気
- 事故
まさに、令和2年3月~4月に起こっている状況です。
- 締め切りが近い作業
- お客様からのクレーム対応
- 自分が中心となる会議
- 今日明日にも使わないといけない機器の修理
この領域に入ってくることは、とにかく言い訳無用で「やる」しかありません。大変わかりやすい領域ですので、ここに入ってくることは誰でも実施しているのではないでしょうか。
(2)第二領域
第二領域は「緊急ではないけれど重要」なことをする領域です。
例えば
- 人脈を作る活動
- 新しいビジネスアイデアが考える
- 緊急事態に備えた計画
- 気持ちのリフレッシュ
- 自己啓発
この領域、実は大変重要な部分なのです。というのも、人生が豊かな人は第二領域を楽しんでいます。
(3)第三領域
第三領域は「緊急だけれど重要ではない」ことをする領域です。
例えば
- 意味のない電話
- 意味のないメール
- 意味のないLINE
- 意味のないSNS
他にも
- アポの無い来客への対応
- ゴールのない会議
- 前向きでない接待や付き合い
- 多くの報告書
この領域ですが、冷静に見ると時間を使う必要のないことばかりです。
しかし、多くの方が「忙しい」「大変だ」と言っていることは、だいたい第三領域であったりします。
第三領域は「見せかけ」だけなので、本当は慌ててやる必要のないことばかり。
いくらがんばっても成果も出ませんし、前進する役割もありません。
(4)第四領域
第四領域は「緊急でもなければ重要でもない」ことをする領域です。
例えば
- 暇つぶしのスマホゲーム
- 休憩ではない息抜き
- だらだらとした意味のない電話やメール
- 自分へプラスにならない活動
- 待っている時間
- 「やっている」アピールをする仕事
おわかりのとおり、人生の中で一度もやらなくていいことばかりです。
言い換えるなら「究極の無駄」が集まっている領域です。
でも、ここを滅茶苦茶がんばっている人っていますよね?
仕事の途中に立ち寄ったカフェで、ノートパソコンを取り出して資料でもまとめるのかと思いきや、オンラインゲームを始める人とか。
2: 時間管理マトリックスで大切なこと
このように4つの領域があるのですが、これらの中で最も大切な領域はというと、
「第二領域」
なんですね。「緊急ではないけれど重要なこと」。
コビー博士も次のようにおっしゃっているようです。
- 人とのコミュニケーションを上達させること
- 準備を怠らないこと
- きちんと計画を立てること
- 健康に気をつけること
- 新しいチャンスを掴むこと
- 自己啓発に励むこと
- エンパワーメントを行うこと
このようなことが第二領域へ入ることですから、僕たちは
- 忙しいから
- 今すぐやらなきゃ
- 断れない
- 「いいね」しないと
- メッセージ返さなきゃ
というようなことに気を取られるのではなく、本当の意味でやらなければならないことである「第二領域」を意識して人生を歩むことが重要だと言えるでしょう。
3: 時間管理マトリックスから考える効率化の方法
このように「第二領域」が重要であることがわかりました。
しかし僕たちは油断すると、ついつい第一領域ばかりに時間を使ってしまいます。
そして、第三領域にも時間を使ってしまいます。
でも、これらの領域はいくらやっても、将来の成果に結びつきません。未来の成果を考えて行動するなら、
- 第三領域のことはへらす
- 第四領域のことはやめる
とした上で、第二領域への時間を最大限使うようにし、余った時間で第一領域を行うことが理想的なのです。
(1)第四領域を無くす
ここの事柄を減らそうと考えると、どうしても「やっぱり○○さんとのSNSは無くせない」など悩みが出てきてしまい、結局は元のままということが多いものです。
ですから、僕がお勧めするのは「無くす」ことです。いきなり無くすとストレスになるという方もいらっしゃいますが、ダラダラと置いておく方がストレスになります。
確かに無くしたときは、一時的にストレスを感じるかもしれませんが、本来は必要の無かったことですから、時間が解決してくれます。
(2)第三領域を減らす
こちらも本当は「無くす」のがベストです。
しかし、リアルでの人間関係が絡んでいることも多い領域なので、いきなり関係を断つと、ややこしい人間関係ができあがることもあります。
ですから、少しずつ、徐々に、離れていきながら減らすようにしておきたいですね。
自分の人生に重要な時間を食いつぶしてくる領域ですから、必要最低限の時間を使うように心がけましょう。
(3)第一領域を変化させる
重要で緊急なので「やるしかない」という事柄です。
言葉の通り「やるしかない」のでやればいいのですが、こんなことを続けていては人生に余裕がなくなりますので豊かさから遠ざかってしまいます。
そこで、第一領域を効率的にこなせるよう変化させてみましょう。
- 費用を使って外注する
- 計画を立てて早く済ませる
このようなことを意識するだけでも、あなたの人生を左右する第二領域への時間を増やすことができます。
また、このような時間管理を行うことで、自分が本来やるべきことが明確になってきますし、毎日の暮らしにも充実感が増えていきます。
一歩一歩、豊かな人生に向けて進んでいる実感がもてるようになると、考え方も習慣も変化が起こりやすくなり、これまで抱えていたようなストレスや不安も遠ざかっていくことでしょう。
4: まとめ
「時間」はお金と違って取り戻せません。そして貯めておくことができません。
誰にもコントロールできず、どんなことをしていても、誰にも平等に同じだけ未来へ向かって消費されていきます。
地球上で最も平等な時間を、あなたはどのように使いますか?
1時間900円の労働に変換しますか?
それとも、1時間100万円の価値に変換しますか?
どちらも実現できることです。そして、どちらを目指すのかは、あなたにしか決められません。