ウォンツとニーズの違いを知って効果的にマーケティングへ活用する方法
マーケティングを学んでおられる方なら「ウォンツ」と「ニーズ」という言葉をお聞きになったことがあるはずです。
どちらもマーケティングでは重要なキーワードなのですが、今ひとつ違いがピンとこない。こういう方もいらっしゃると思います。
今回は、SONIDOも起業当初は違いが良く分かっていなかった「ウォンツ」と「ニーズ」の違いについてお話します。この違いを分かった上でマーケティングへ活用すると効果が変化していきます。
目次
1: マーケティングで重要な視点「ウォンツ」と「ニーズ」の違いとは
ウォンツとニーズ。混同されやすい言葉です。
広い意味ではどちらも「お客様が求めているもの」であることに違いはありません。しかし、ウォンツとニーズの違いを知り、上手に使い分けられないとマーケティングで効果を生み出すことが難しくなるのです。
(1)ニーズとは
ニーズとは次のような状態や心理を言います。
- 不足している状態を何とかしたい
- 置かれている状況を何とかしたい
- 不足している欲求を満たしたい
要するに、自分が不満や不安を感じていることを「補いたい」のです。
ここでもう一点、ニーズで注意して覚えておきたいのが2つのパターン。
[1]顕在ニーズ
顕在ニーズとは、本人が(自分が)不満や不安を何とかしたいと自覚しているケースです。
自覚しているということは、不満や不安の理由も完全ではなくても分かっていますから、状況や状態を変化させる理由も朧気ながらわかっています。
また、わかっていなくても今の時代ならスマートフォンで検索して「自ら探す」という行動へつながっていきます。
[2]潜在ニーズ
顕在ニーズと対で存在するのが「潜在ニーズ」です。
潜在ニーズとは不満や不安への自覚がないニーズです。これは「何となく不満」「何となく不安」という大変抽象的な状態や状況です。人によっては、まわりから見ると「不満」「不安」に囲まれている状態や状況であっても、本人は全くわかっていないということもあります。
自覚していないニーズなので、本人自ら解決方法を探すことがありません。ここが顕在ニーズと大きく違う部分です。
どちらかというと潜在ニーズに関心を持ってもらうためには、こちらから「あなたは○○な状態や状況ではありませんか?」と教えてあげる必要があります。目の前に「あなたはこんなに損をしているんですよ」と教えることで初めて「あ~、そうか」と自覚を持ってくれるのです。
(2)ウォンツとは
ウォンツとはニーズを満たすためのツールに対する欲求というのがわかりやすいのではないでしょうか。
「○○を手に入れればニーズが満たせる!」
こういう考え方です。
(3)具体的な違い
ウォンツとニーズの違いを表現すると次のようになります。
- お金がない → お金が不足している状態や状況を解決したい → ニーズ
- お金が不足している状態や状況を解決してくれる「儲かる方法」がほしい → ウォンツ
似ていますが違いがあることもわかります。
(4)別の視点で見ると・・・
別の見方をしてみましょう。
人が行動するとき(お金を使うときも含めて)には、必ず「目的」と「手段」があります。
目的なく、手段なく、人が行動することはありません。というか、行動できません。
ここがポイントです。
ニーズとは「目的」です。「何とかしたい」という欲求です。
ウォンツは目的を満たすための「手段」を手に入れたいという欲求です。
別の見方もあります。
- ニーズ:お腹が空いている
- ウォンツ:お弁当、コンビニ、レストラン、ウーバーイーツ など
- ニーズ:若く見せたい
- ウォンツ:洋服、メイク、美容室、筋トレ など
一般的には、「このウォンツ」なら「私のニーズ」を解決できる!
このように感じてもらったときにモノやサービスが売れるのです。
2: ウォンツからニーズを見つける方法
ウォンツからニーズを見つける方法をお話します。
自分の商品やサービスからニーズを見つけるのです。
(1)推測
消費者の行動というものには論理性があるようで実はありません。行動を完全に予測することはできないのです。
そこで経験豊富な方の場合なら、推測からニーズを見つけることができます。
「この商品だったら○○の解決に役立ちそう」
この「○○」の部分がニーズになります。
(2)理由
「この商品を購入すると」という質問に続いて、「どういう良いことが起こるのだろう?」と続けてみてください。
この答えがニーズになります。
まずは自分自身や家族や知人に上の質問を投げかけてみましょう。思っても見なかった「理由」を得ることができます。
とにかく理由を沢山出してみることです。
(3)質問
どうしてもニーズが出て来ない場合、「なぜ」を繰り返して質問してみてください。
- なぜ○○が欲しいのか?
- なぜ○○があるとうれしいのですか?
- なぜ○○が部屋にあると良いことがおこるのですか?
3回4回と「なぜ」を繰り返すとニーズが出てきます。
3: ニーズからウォンツを見つける方法
続いてニーズは分かっている。そしてニーズに一致した商品やサービスも用意している。こういうケースでウォンツをどうすれば見つけられるのかを見てみます。
(1)認知度アップ
ニーズが分かっているので、どういう不満や不足を感じている人へアプローチすれば売れるのかは既にわかっています。
こういうケースで、より売れるウォンツを見つけるためには商品やサービスの認知度をアップすることが必要です。
いくらニーズを理解し、解決できる商品やサービスを持っていても知っていなければ誰も行動してくれません。
(2)優位性向上
ニーズを理解して作られた商品やサービスには、どうしても競合が出てきます。そうすると販売力が低下することもあります。
ここで大切なことは、ニーズを解決できることは間違いないのですから、より自社の商品やサービスが「特別」だということを理解してもらうことが重要。
市場での「優位性」を高めるようにします。
(3)ブランド力
ニーズから売れるウォンツを見つけるためには、最終的にはブランド力の強化は避けて通れません。
人は同じようにニーズを解決できるのなら「よく知っている」ブランドのものを選びます。
4: ウォンツとニーズを効果的にマーケティングへ活用するタイミング
(1)見込み客を分類
- 今すぐ
- もうすぐ
- そのうち
- まだまだ
このように分類します。
「今すぐ」の人はニーズを理解し、解決する方法(ウォンツ)も理解しています。あなたの商品やサービスに合致すればすぐに売れます。中小企業が相手にしたいのはココです。
「もうすぐ」の人は「ニーズ」は理解しています。しかし解決方法(ウォンツ)を見つけるには至っていません。あなたがニーズを解決できることを教えてあげることで売りやすくなります。ココも中小企業が狙いたいエリアです。
「そのうち」「まだまだ」に関しては、購買意欲が高くありません。仮に購入したとしても衝動買いしているイメージです。
どちらかというと中小企業が相手にするよりも、大企業が相手にするエリアです。
(2)戦略
「今すぐ」「もうすぐ」のエリアへフォーカスして役立つ情報を提供しましょう。
SONIDOがメインに行っているコンテンツマーケティングはとても相性が良い戦略のひとつです。
コンテンツマーケティングについては、以下の記事が参考になります。
5: まとめ
ウォンツとニーズは似ています。しかし正しく違いを理解しておけば、あなたの商品やサービスをどういう状態の人へアプローチすれば売れやすいのかがわかってきます。
ポイントは、ニーズからウォンツが一般的には生まれているということです。当然、逆でも問題ありませんが、消費者の大半はニーズ→ウォンツによって商品やサービスを購入するか決めています。
2つの違いを上手に使ってマーケティングへ活用しましょう。コンテンツマーケティングなら、ニーズとウォンツの両方を役立つ情報と共に紹介できますから、「今すぐ」「もうすぐ」の人をグッと引き込むことができます。