製造業のホームページ集客のコツと方法
製造業の方もホームページから新規顧客を集客する時代に変化しています。これまでと同じように、事務所でジッと待っていても新規顧客から電話注文は入ってこなくなっています。
また、売上全体の60%以上を占めている親会社や「いつもの取引先」が、これからも同じような仕入値と発注数で取引を続けてくれるとは限らなくなっています。
世の中、大きく変化しています。
このような事実から、最近では製造業の方もホームページを使って新規顧客の獲得をする動きが出てきました。
しかし、残念なことに製造業のホームページは集客に向いていないという事実があります。というのも、多くの製造業のホームページには、集客できる要素が含まれていないケースが多いのです。
今回は、製造業で行うホームページ集客のコツと方法を紹介します。
1: ホームページ集客に成功すると手に入る未来
ホームページを使って集客に成功すると、どんな未来が手に入るのでしょう。
(1)新規集客
集客し商談まで進めれば、かなり高い確率で新規顧客になります。
商談のときにも、相手はこちらのことを「ある程度」ホームページで調べて知っていますので「話しが早い」という良い点もあります。
(2)信頼向上
インターネットが普及したことで、ホームページを持っていない企業や事業所は信頼されにくくなっています。
どちらかというと、きちんとしたホームページを持っていないということは、詐欺をしているような表に出て来られない(出てきたくない)ところなのか、とても信頼出来そうに無い経営をしているのかとイメージされてしまいます。
(3)求人採用
製造業での悩みに多い「採用問題」があります。ホームページで求人の募集を行うと、御社のことを理解した上で応募が出てきます。そうすると、ミスマッチも減りますので、入社してすぐに退職というようなことも減ります。
(4)既存顧客へのフォロー
既存顧客へ情報発信することでフォローができます。
例えば、ネジやナットを製造されている会社なら、適切な締め方や締めるときのトルク、ネジ締結に関する専門情報を提供することで、既存顧客から喜ばれるようになります。
2: 製造業ホームページ集客のコツ
製造業のホームページ集客には、インターネットで目にする内容とは違うコツが必要になります。
(1)間違えやすい集客方法
製造業の集客とは消費者相手ではありません。
そのため、インターネットで目にする「消費者相手(BtoC)ビジネス」のホームページ集客方法では、いつまでも集客できないことが多いです。
例えば、こんな間違いやすい集客方法を信じている方もいらっしゃいます。
- 動画で製造工程を紹介する
- 設備を動画で説明する
- Twitterで今日の仕事を紹介する
- Instagramで出荷する製品を紹介する
確かに今のトレンドではありますが、こういうことはある程度の知名度を持つ製造業や、すでにインターネット上で影響力を持っている事業所が行うことで効果を出すことができる方法です。
本質的なお話をしますと、こういう方法は集客の末端部分での「手法」です。集客するための本質ではありません。
まずは、製造業がホームページで集客するためには、集客の本質を理解する必要が出てきます。
(2)製造業は消費者相手ではありません
製造業の集客の本質とは、どういったことでしょう。
例えば、消費者相手の場合ですと、次のように考えることができます。
- STEP1:何となく自分の欲しいものがある
- STEP2:インターネットであちこち見る
- STEP3:偶然見つけたホームページがあった!
- STEP4:内容を見ると自分が欲しいものだ!
- STEP5:ホームページで購入または問い合わせする
もう一度言います。これは消費者が相手の場合の「集客の本質」です。製造業の集客の本質ではありません。しかし、製造業の方も消費者が相手の「本質」で上手くいくと考えていないでしょうか。
製造業の場合の集客の本質は次のようになります。
- STEP1:困っていることがある
- STEP2:インターネットで探す
- STEP3:偶然見つけた!
- STEP4:信頼できるか調査する
- STEP5:信頼できそうなら問い合わせ、信頼できない場合は知り合いの商社へ同じようなものが無いか問い合わせ
結局のところ、製造業におけるホームページ集客が上手くいくかどうかは、困っていることを解決できるだけではなく、信頼できるかどうかも重要になってくるのです。
(3)集客と契約は別のモノ
もうひとつホームページから集客する場合、問題になるのが価格です。
最初から高額な製品を契約する人はいません。
そこで、メイン製品をホームページで強く紹介するのではなく、比較的安価で他社がマネしづらいモノを用意することが大切です。
例えば、測量機器を販売しているとします。トンネル工事で測量する機器は、重力などの影響を受けないようになっているため高額です。こうした製品をホームページだけで見て取引したいという人はいません。
そこで、測量機器の「メンテナンス」を集客用のサービスとして利用します。
集客と本当に販売したいモノ(契約したいモノ)を別のモノにするのです。その方が集客もしやすくなります。そして集客出来てしまえば、少額でも取引が発生しますので、その中で信頼関係を築きながら、本当に販売したいモノをセールスしていくことができます。
(4)集客用と契約用を洗い出そう
さて、あなたのところでの集客用と、本当に販売したい契約用の製品は何でしょうか?
相手が「これなら依頼したい」と感じることは何でしょうか?
どちらかというと、日常的に何かしないといけないコトが集客用に向いています。または、かなり専門的な問題を解決できるコトとかですね。
3: 問い合わせに繋げる方法~コンテンツ
ホームページから問い合わせに繋げるためには、次のコンテンツを用意する方法がおすすめです。
(1)会社概要
(2)沿革
(3)製品情報(集客用と本当に販売したい製品用)
(4)技術情報
(5)実験データ
(6)事例
(7)人の見える化
(8)問い合わせや資料請求
(9)求人情報
会社概要や沿革は事業の信頼性につながります。できるだけ正確に記載しましょう。
製品情報は集客用をメインにします。本当に販売したい製品用は、ここではサブ的な位置づけで紹介します。一度でも取引が発生すれば、本命製品をセールスする機会が持てるのですから。
技術情報や実験データ、事例などは継続的に公開していくコンテンツです。月に2つでも3つでも良いので作って公開してください。
製造業の場合、これらのネタは不足しないはずです。
「人の見える化」とは、主要なスタッフ紹介です。会社概要に代表の紹介が無い場合は、こちらで紹介しておきましょう。人が見えると相手も安心します。
問い合わせや資料請求が簡単にできるページを用意しましょう。個人情報を取得することになりますが、沢山の入力項目は相手に「面倒」という感情を生み出させます。
できるだけシンプルで簡単にしましょう。
例えば、
- 会社名
- 部署名
- 役職
- 氏名
- メールアドレス
- 会社の郵便番号
これだけで問題ありません。電話番号を入力してもらいたくなりますが、今の人は電話が嫌いですので、まずはメールで連絡できるようにし、メールでのやりとりの中で電話へ移行するのがおすすめです。
4: ホームページ集客に重要な3つのこと
ホームページ集客には重要な3つのことがあります。これはセールスの基本とも同じです。
(1)誰に興味を持ってもらうのか
「誰に」ホームページを見て問い合わせしてほしいのかを決めましょう。
- 商社の人
- 製造業の人
- 商品企画の人
相手を決めないと、集客用製品を決めることが出来ません。また、ホームページで何を発信するのかも決められません。
(2)自社製品や技術の特徴や特性をアピール
製造業なら必須です。
「特に特徴や特性はなく、アピールするポイントも無い。」
このようにおっしゃるところもありますが、これは最初から負けていますのでホームページを持つ意味がなくなっています。
少しでも差別化できるポイントを見つけてアピールしましょう。特徴や特性の無い製造業に興味を持つ人はいません。
厳しい言い方ですが、そんな製造業に興味を持つ暇があるなら、知り合いの商社や知り合いの製造業の社長に相談するはずです。
意地でも見つけてください。どんなところにも必ず一つは「あなたのところだから出来ていること」があります。発見する努力をしてください。
(3)製品や技術をわかりやすく紹介
「誰に」関連することです。
どんな人が訪問するのかによって、製品や技術に関する紹介のレベルを変化させ、訪問者がわかりやすい状態を作り出してください。
わかりづらい紹介内容をわざわざ自分の時間を使って頭を悩ませて理解しようという人は、残念ながら多くの会社員(雇用されている労働者)には存在しません。
相手のレベルに合わせた「わかりやすさ」が必要です。
5: まとめ
製造業のホームページ集客は、消費者相手のホームページ集客とは違います。
偶然出会ったホームページで即決して問い合わせされることはありません。
何度もホームページを確認し、発信されている情報を閲覧し、信頼できそうなことがわかってから問い合わせへ進みます。
「あっ!見つけた!」→「問い合わせしよう!」
こんなことは起こりません。
製造業には製造業に相応しいホームページ集客のコツと方法があります。今回の内容を参考にして、新規顧客の獲得を進めてみてください。