「以前は飛び込み営業で仕事が取れていたのに、最近は反応が悪い」
「チラシを配っても、問い合わせがほとんど来ない」
「ベテランの営業マンほど、この変化に戸惑っている」
外壁塗装業の社長さんから、こういう声を聞くことが増えました。
やり方が下手になったわけではありません。多くの場合、原因はお客様側の行動が変わったことにあります。そして、その変化は一つの理由では説明できません。訪問販売への警戒心、生活スタイルの変化、スマートフォンによる情報収集、比較行動の定着。複数の変化が重なって、従来の営業スタイルが効きにくくなっています。
この記事では、その背景を一つずつ整理します。具体的な集客方法については、外壁塗装業(中小企業)の7つの集客方法と成功へのコツで解説していますので、まず「なぜ変わったのか」を理解したうえで読み進めていただくと、対策の意味がつかみやすくなります。
先に結論をお伝えすると、この記事で言いたいことは一つです。
営業が不要になったのではなく、営業だけでは信頼を完成させにくくなった。
この視点で、順番に見ていきます。
訪問営業への警戒心が高まった背景
外壁塗装業界の訪問販売には、長年トラブルが伴ってきました。
「今日決めれば半額」「今すぐ工事しないと家が危ない」といった不安をあおる営業トーク。住まいを診断せずにその場で見積書を作る手口。点検と称して屋根に上がり、「このままでは危険です」などと不安をあおって不要な工事を契約させる点検商法や、なかには点検時に屋根を傷つけられたという相談まであります。
国民生活センターによると、屋根工事の点検商法に関する2022年度の相談件数は、2018年度の約3倍に増加していました。契約当事者の8割超が60歳以上となっており、現在も訪問販売によるリフォーム工事や点検商法について注意喚起が続けられています。
こうした情報がテレビやインターネット、自治体から繰り返し発信されたことで、消費者側の警戒心も高まりました。
ここで大切なのは、この警戒心が悪質業者にだけ向けられているわけではない、という点です。お客様には、玄関先に立っている営業マンが誠実かどうかを見分ける方法がありません。だから、入口の段階では全員を同じように警戒します。どれだけ丁寧に仕事をしてきた会社でも、「訪問営業」という同じ入口を使う限り、同じ警戒の対象になってしまうのです。
訪問営業の反応を下げたのは、悪質業者だけではない
訪問営業の反応が悪くなった理由を、悪質な点検商法だけで説明することはできません。お客様の生活スタイルそのものも変わっています。
- 共働き世帯が増え、日中に在宅している人が少ない
- 防犯意識が高まり、知らない訪問者には玄関を開けない家庭が増えた
- インターホン越しで応対を済ませ、対面しないことが当たり前になった
- 電話や訪問を受けるより、必要なときに自分のタイミングで調べたい人が増えた
- 口コミ、Googleマップ、施工事例など、自分で比較できる情報が増えた
- 家族に相談せず、その場で高額な工事を決める人が減った
以前は、訪問することで初めて会社を知ってもらえました。しかし現在は、「必要になったら自分で探す」というお客様が増えています。
つまり、訪問営業の技術だけの問題ではなく、訪問という接点そのものが、お客様の生活に入りにくくなっているのです。
お客様は、営業される前に自分で調べている
現在は、外壁の劣化が気になったときに、スマートフォンで相場や近隣業者を調べられるようになっています。
- 外壁塗装の相場はいくらか
- 訪問販売は信頼できるのか
- 近隣で評判の良い業者はどこか
- クーリングオフの制度はどう使うのか
業者から声をかけられる前に、お客様の側で情報収集と警戒心の準備が済んでいる。営業マンが訪問した時点で、すでに「比較されている」「疑われている」というスタートラインに立っていることになります。
以前と現在で、お客様の行動がどう変わったかを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 以前 | 現在 |
|---|---|---|
| 業者を知るきっかけ | 訪問営業、紹介、チラシ | 検索、Googleマップ、SNS、口コミ、チラシ |
| 情報を得る順番 | 営業担当者から初めて聞く | 自分で調べてから営業内容を確認する |
| 比較する内容 | 営業担当者の説明、価格 | 施工実績、口コミ、会社情報、価格の根拠 |
| 契約までの行動 | その場で話を進める | 家族に相談し、複数社を確認する |
| 会社への信頼 | 営業担当者の印象で判断 | 対面とネット上の情報を合わせて判断 |

訪問された後にも、会社名を検索されている
「営業される前に調べる」だけではありません。もう一つの流れがあります。
外壁塗装では、訪問営業を受けて初めて外壁の劣化を意識するお客様もいます。その意味で、訪問営業がまったく意味を持たないわけではありません。訪問がきっかけになること自体は、今も起きています。
ただし、その場で契約するのではなく、営業マンが帰った後に会社名を検索します。
ホームページはあるか。所在地は確認できるか。誰が施工するのか。施工事例はあるか。口コミに不自然な点はないか。こうした情報を確認したうえで、話を聞き続けるかどうかを決めます。
このとき、会社の情報がほとんど見つからなければ、どれだけ営業マンが丁寧だったとしても、不安が残ります。
訪問営業だけで信頼を完成させる時代から、訪問とネット上の情報を合わせて信頼を判断される時代へ変わったのです。

外壁塗装のチラシは、なぜ反響が出にくくなったのか
チラシについても、同じ構造の変化が起きています。
チラシを見た人が、その場ですぐ電話をするとは限りません。
社名を検索する。Googleマップの口コミを見る。ホームページの施工事例を確認する。代表者の顔や会社の所在地を調べる。この確認を経てから、問い合わせるかどうかを決める人が増えています。
そのため、チラシの反響がないように見えても、問題がチラシだけにあるとは限りません。チラシを見た後の受け皿となるホームページに、判断材料が不足している場合もあります。
また、チラシという手法そのものが使えなくなったわけではありません。ただし、「地域最安値」「今だけ半額」「足場代無料」といった、価格だけを強調する表現は、以前より慎重に受け取られやすくなっています。同じような値引き訴求のチラシが多いため、それだけでは他社との違いも伝わりません。
現在のチラシは、一枚で契約を取る道具というより、会社を知ってもらい、検索してもらう入口として考える必要があります。
「安さ」だけでは、選ばれにくくなっている
外壁塗装は、お客様にとって簡単には決められない高額な工事です。
だからこそ、極端に安い提示には「手抜き工事のリスクがあるのでは」という疑いも生まれます。大幅な値引きや当日契約を迫る営業は、悪質な訪問販売で使われることがあるため、かえって警戒される場合があります。
お客様が知りたいのは、値引き幅の大きさではありません。「なぜこの価格なのか」「この会社は信頼できるのか」という理由の部分です。施工実績、対応の丁寧さ、保証内容、価格の根拠を確認できる情報の方が、判断材料として重視されるようになっています。
営業が不要になったのではなく、営業だけでは完結しなくなった
ここまで読むと、「訪問営業やチラシは、もう意味がないのか」と感じるかもしれません。
しかし、そうではありません。
訪問営業によって外壁の劣化に気づく人もいます。地域を限定して配るチラシが、会社を知るきっかけになることもあります。紹介によって相談が生まれることも、今後なくなるわけではありません。
変わったのは、最初の接点だけで契約まで進みにくくなったことです。
訪問された後に会社名を検索する。チラシを見た後に施工事例を確認する。紹介された会社であっても、ホームページや口コミを調べる。現在は、複数の情報を組み合わせて判断されます。
そのため、飛び込み営業、チラシ、紹介、ホームページを別々に考えるのではなく、それぞれをつなげる必要があります。
営業が仕事を取ってくる仕組みから、営業がきっかけを作り、ホームページが信頼を補う仕組みへ。外壁塗装業の営業スタイルは、このように変わっています。
従来型の考え方と、現在に合った考え方を並べると、次のようになります。
| 従来型の考え方 | 現在に合った考え方 |
|---|---|
| こちらから突然訪問する | 必要になったときに見つけてもらう |
| その場で決めてもらう | 持ち帰って比較されることを前提にする |
| 値引きで興味を引く | 価格の理由を説明する |
| 営業マンの説明で信頼を得る | 施工事例や会社情報でも信頼を補強する |
| チラシだけで電話をもらう | チラシから検索・ホームページ確認につなげる |
| 数を回れば一定数取れる | 接触後に選ばれる情報を整える |
これから求められるのは「売り込む前の準備」
ここまでの変化を踏まえると、これからの外壁塗装業に必要なのは、営業のやり方を根本から変えることではありません。お客様がすでに情報を集めている前提に立って、次の状態を用意しておくことです。
- 検索されたときに、会社の情報が見つかる
- 会社の実態(所在地・代表者・施工体制)が分かる
- 施工事例が確認できる
- 価格の考え方が分かる
- 問い合わせ先と、問い合わせ後の流れが分かる
この状態があれば、訪問営業もチラシも紹介も、すべてが「検索して確認したら、信頼できそうだった」という流れにつながります。逆にこの受け皿がなければ、どの入口から入ってきたお客様も、確認の段階で立ち止まってしまいます。
具体的に何をどう整えるかは、外壁塗装業(中小企業)の7つの集客方法と成功へのコツにまとめています。あわせてご覧ください。
まとめ
外壁塗装業で訪問営業やチラシの反応が落ちているのは、営業マンの力量が落ちたからではありません。お客様側の行動が、複数の面で変わったことが背景にあります。
- 訪問販売や点検商法のトラブルが積み重なり、業界全体への警戒心が高まった
- 共働きや防犯意識の高まりで、訪問という接点自体が生活に入りにくくなった
- お客様は営業される前にも、営業された後にも、スマートフォンで会社を調べている
- チラシは一枚で契約を取る道具から、検索してもらう入口に役割が変わった
- 「安さ」だけの訴求は、かえって警戒されやすくなった
営業が不要になったのではありません。営業だけでは信頼を完成させにくくなったのです。営業やチラシがきっかけを作り、ホームページが信頼を補う。この組み合わせを前提に、集客全体を組み立て直すことが、これからの外壁塗装業には欠かせません。
体制や強みの整理については外壁塗装業が下請けから元請けへ|集客の前に整えたい経営・体制の話、具体的な集客方法については外壁塗装業(中小企業)の7つの集客方法と成功へのコツをあわせてご覧ください。
よくある質問
Q訪問営業やチラシは、もうやらない方がいいですか?
完全にやめる必要はありません。訪問やチラシが、外壁の劣化に気づくきっかけや会社を知るきっかけになることは今もあります。ただし、接点を作った後に会社名を検索されることを前提に、ホームページなど確認先の情報を整えておくことが必要です。
Qなぜ最近、飛び込み営業の反応が悪くなったのですか?
訪問販売や点検商法のトラブルが増えて警戒心が高まったことに加え、共働きで日中不在の家庭が増えた、防犯意識から知らない訪問者に玄関を開けなくなった、必要なときに自分で検索する行動が定着した、という生活環境の変化が重なっているためです。
Q値引きを強く打ち出す営業は効果がありませんか?
大幅な値引きや当日契約を迫る営業は、悪質な訪問販売で使われることがあるため、かえって警戒される場合があります。値引き幅の大きさより、なぜその価格なのかという根拠や、施工実績・保証・対応内容を示すことの方が、信頼につながりやすくなっています。
Qお客様は営業が来る前に、何を調べているのですか?
外壁塗装の相場、訪問販売の信頼性、近隣の評判、クーリングオフの制度などを調べている方が多くなっています。さらに、営業を受けた後にも会社名を検索し、施工事例や所在地、口コミを確認してから判断する行動が定着しています。
お客様に調べられたとき、選ばれるホームページを
「訪問営業やチラシの反応が、以前より悪くなった」
「会社名を検索されても、施工実績や強みが十分に伝わっていない」
「ホームページはあるが、営業やチラシと連携できていない」
このような場合、SONIDOでは、お客様が会社を調べたときに、安心して相談できるホームページづくりを支援しています。
単に見た目を新しくするのではなく、施工実績、会社の考え方、対応エリア、価格の考え方などを整理し、「この会社なら一度相談してみたい」と思ってもらえる情報設計を一緒に考えます。
飛び込み営業やチラシをすべてやめる必要はありません。これまでの営業活動を、ホームページによって無駄にしない仕組みを作ることが大切です。