企業ホームページ作成のポイントを総合解説
企業ホームページは作成して当然。そんな時代になりました。
そのため、新規で事業をスタートされる方は元より、すでに何十年も事業を継続されている企業様でも新規でホームページを作成したり、10年前に作ったままのホームページをリニューアルされたりすることでしょう。
ここでポイントになってくるのが、企業ホームページ作成には成果を生み出すための「ポイントがある」ということ。
今回はそんなポイントも含めて、企業ホームページ作成を総合的に解説していきます。
目次
1: 企業ホームページ作成の最重要ポイントとは
企業ホームページ作成を進めるにあたって最重要ポイントとなるのが次の3つのことです。
あなたのまわりでも、企業ホームページを作成したけれどビジネス的には何も変化が起こらなかった方や、全く無意味だったという方も少なからずいらっしゃるはず。
どうしてこうした結果が発生しているのかというと、次の3つのポイントをおさえられていないからなんです。
反対に、企業ホームページを作成して成果を実感しているところは、きちんと3つのポイントをおさえています。
(1)ターゲット設定
企業ホームページで最重要なのに関心が薄い「ターゲット設定」。
ターゲット設定とは、あなたの企業ホームページへ興味を持って訪問してほしい人の理想像です。
マーケティングを学んでおられる方ですと「ペルソナ」と表現されることもあります。
ターゲットは確実に訪問してくれる人ではありませんが、これまでの事業内容や事業計画、経験から「どういったタイプの人が集まってくれるのか」を想定することは可能です。
もし想定できないのであれば、そもそも事業内容を見直す必要が出てきますし、事業計画が「絵に描いた餅」である可能性も出てきます。
ということで、あなたの企業と取引したい相手はどんな人や企業でしょうか?
過去の取引情報を分析することで発見することができます。また、新規事業であれば事業計画で立案したターゲットがあるはずです。
まずは、ターゲットを明確にしておきましょう。ここを適当にやってしまうと、80%以上の確率で企業ホームページが無意味なものになります。
(2)方向性
ターゲットが決まると次のようなメリットが出てきます。
- ホームページのデザインの方向性が明確になる
- ホームページに掲載する情報の方向性が明確になる
- ホームページのキャットコピーが魅力的になる
大きな視点で見ますと、企業ホームページの進むべき方向がはっきりとし、打ち合わせをするときも全員が1つのゴールへ向かって進めるようになります。
よくある間違いとしては、ターゲットが決まっていないのに、企業ホームページ作成の担当者や経営者の「個人的好み」だけでデザインや掲載情報を決めてしまうこと。
これは「企業視点」でのホームページになりますので、アップルやソニーのような企業なら魅力的に見えますが、一般的な企業であれば「意味がわからない」と敬遠されてしまう代表的な結果へ進んでしまいます。
(3)SEOキーワード
ターゲットが決まるということは、ターゲットが抱えている
- 悩み
- 不安
- 問題
- 課題
基本的にマイナスの状況を知ることができます。すると、企業ホームページへ興味を持ってもらうために必要な「SEO対策」で使うキーワードが見えてきます。
SEO対策のためのキーワードは、無闇に選んでも結果は伴いません。ターゲットが実際にパソコンやスマートフォンの前で入力して検索しているキーワードを見つける必要があります。
しかし、ターゲットが決まっていないとすると、マイナスの状況を知ることができませんので、実際に入力して解決策を探しているキーワードは見えてきません。
こういった地味な部分にもターゲットを決めておくことは影響しています。
2: 企業ホームページ作成での困りごと解決ポイント
企業ホームページ作成で発生しやすい困りごとは解決しないといけません。そこで解決ポイントをお話します。
(1)ターゲットが曖昧
ターゲットが曖昧な場合があります。この困りごとを解決するためには、「たった1人」のターゲットを考えることです。
経営者や営業担当者は「より多くの人へアプローチしたい」と考えがちですが、これでは「みなさん!わたしは○○に所属している△△です!」と街頭演説している偉い人と変わりませんので、誰も振り向いて立ち止まって自分事として話しを聞いてはくれません。
しかし、あなたが足を止めて話しを聞こうとするときは「○○さん、ちょっといいですか?」というように個人的な呼びかけがあるはずです。
この違いに気づいてください。
前者は「みなさん」ですが後者は「○○さん」。反応が強いのは後者。この心理的行動をホームページ作成に活用するため、ターゲットは曖昧な「みなさん」ではなく、きちんと設定しなくてはいけないのです。
では、どのように設定すれば良いのかというと、これまで取引のあった方の情報を10名くらい集めます。
情報には、
- 年齢
- 性別
- 悩み
- 価値観
- 取引金額
こういう内容を書き出しましょう。すると、10名に共通する部分が必ずあります。その共通した部分があなたのターゲット設定の根幹です。
根幹部分が発見できれば、後は肉付けしていきます。
ホームページへ訪問してもらいたい年齢や性別。悩みをある程度は想像していきましょう。
(2)サブターゲットを設定
ターゲットを「たった1人」だけ設定しよう。このようにお話しすると必ず出てくるのが、「自分ところはもっと広いターゲットなので無理」という意見。
この困りごと解決する方法は「サブターゲット」を設定することです。
先ほどの「たった1人」は、企業ホームページのメインターゲットです。ホームページですとトップページやホームページ全体の構成に影響を与えるターゲット。
しかしサブターゲットは、ホームページの中で公開する役立つ情報(コンテンツ)単位に設定するターゲットなのです。
これならホームページに複数のターゲットを設定し、アプローチ相手を拡大することができます。
(3)サブターゲットと情報の関係
サブターゲットを設定して利用する場合、情報はトップページではなく下層ページに配置するようにします。
トップページは「たった1人」のターゲットに対して情報を掲載しますので、サブターゲット向けの情報をトップページに取り入れると、複数のターゲットへ向けた情報が混在してしまうため訪問者は「わけがわかない」という状態になってしまいます。
そして、人は「わからない」と直ぐに離脱します。あなたが考えているほど、訪問者は自分の頭で考え、理解し、あなたに寄り添ってはくれません。
「パッと見てわからない!」状態だと「別のところを探そう」となります。これが現実。
(4)サブターゲットの流入
このようなことからサブターゲットの流入はトップページではなく、下層ページへ直接流入させるようにします。
では、どのようにして下層ページへ直接流入させるのかというと、SEO対策によって行うことができます。
サブターゲット用のキーワードを使うことで、下層ページがGoogleやYahoo!の検索結果ページに表示されますので、そこから訪問してもらうことが可能なのです。
3: 最重要ポイントが決まれば掲載情報を整理しよう
企業ホームページに掲載する情報を整理していきます。
(1)企業ホームページの必須掲載情報
企業ホームページに必須の掲載情報は以下の内容です。
[1]トップページ
ホームページの印象を左右するページです。あなたの企業の顔と言ってもいいでしょう。あなたの好みや企業の好みではなく、たった1人のターゲットに設定した人が「○○らしいな」と感じるページにしておくことが大切です。
[2]会社概要
企業ホームページの場合、どのような会社なのかを発信しておきましょう。
- 企業の正式名称
- 代表者名
- 代表電話番号やFAX番号
- 代表メールアドレス
- 住所や所在地
最近はGoogleマップで地図を掲載されるところもあります。
来社される方がおられる企業なら、近くの公共交通機関や自動車道ICからのアクセスも掲載しておきましょう。
[3]事業紹介
どのような事業をしているのか。どのようなサービスを提供しているのか。
要するに「何屋さんなのか」「何が得意なのか」「どんな問題を解決できるのか」を掲載してください。
意外なことですが、事業紹介ページが手抜きで「何をやっているのかわからない」企業ホームページもあります。
トンネル会社なら詳しく知られたくないので構わないと思いますが、正しく企業活動をしているのなら手を抜かないようにしてください。
[4]お問い合わせフォーム
これがないと興味を持ってもらった人とコミュニケーションが取れません。
また、問い合わせの方法は企業によって増やすことも必要です。
- 電話
- FAX
- メール
最近ですと「LINE」を使うところもあります。
全てを使う必要はありません。あなたの企業とターゲットに合った方法を使うようにしてください。
[5]よくある質問
これまでの経験から、何度も同じ質問を受けられたことがあるはずです。そうした質問は、初めて訪問された方も同じように抱いている可能性があります。
そこで「よくある質問」ページを用意し、先回りして答えを用意していきます。
「よくある質問」を掲載すると、問い合わせが減ると心配される方もいらっしゃいますが、訪問者の感覚としては逆です。
「すぐに答えがわかる」=「親切な企業」
こういう感覚です。
[6]プライバシーポリシー
個人情報の取り扱いに敏感な方も増えています。企業ホームページならプライバシーポリシーについても掲載しておきましょう。
「信頼感」に影響してくるページです。
(2)あると差別化できる掲載情報
同業他社から一歩抜け出したい。そんな場合は、次の情報を掲載して差別化しましょう。
[1]企業理念
どういった理念で事業をしているのか。BtoBの場合、特に重要視されることがあります。
取引相手としては、自分の企業ブランドに関わる部分なので知っておきたい情報なのです。
[2]沿革
歴史のある企業や、メディアに取り上げられる機会が多い企業なら沿革でこれまでの経緯を紹介しておきましょう。
事実を事実として掲載することで、取引相手が「どのような企業なのか」理解しやすくなります。
また、どういったところから認められているのかもわかります。
[3]経営者のメッセージ
どのようなきっかけでスタートしたのか。どういった未来へ向かって進んでいるのか。
あなたの企業の存在意義を発信するページです。このページは大変差別化しやすいので、取り入れておきたいですね。
[4]ニュース
直近のニュースを掲載しましょう。
自社のニュースでも良いですし、業界のニュースでもかまいません。
[5]お客様の声
取引実績も含みます。
「どういったところと取引があるのか」取引先としては気になるところ。
取引が消費者の場合だと、「どんな会社なの?」という不安を払拭するきっかけになります。
(3)トップページに欲しい要素
次の要素は必ず取り入れましょう。
- イメージ画像(見やすくわかりやすいもの)
- 新着情報
- メニュー
- 問い合わせ先情報
定番ですが、敢えて定番を外す必要はありません。トップページは定番で良いです。
訪問者も定番のレイアウトや情報の要素を予想していますので、予想に合っている方がストレスなく見ることができます。
トップページは「あなたの自慢」の場所ではありません。訪問者が安心して、これからホームページを見て回るスタート地点です。
(4)ターゲットに合わせたコンテンツ
メインターゲット、サブターゲット。それぞれに合わせたコンテンツを作成しましょう。
ここで大切なのは、「1コンテンツ1ターゲット」であることです。
1つのコンテンツに複数のターゲットを設定してはいけません。同じ話しであってもターゲットによって悩みが違いますので、それぞれ向けの話しをする必要があります。
4: 企業ホームページで注意しておきたいこと
企業ホームページ作成で注意しておきたことがあります。というのも、頓挫したり成果の出ないホームページを作ってしまったりする原因になるからです。
もし、ここでお話する「注意すること」が解決できないのなら、企業ホームページからの成果は期待しないでください。「インターネット版会社概要」と割り切りましょう。
(1)制作会社との関わり方
制作会社へ丸投げするのはNGです。
積極的にあなたの企業情報を共有してください。情報を共有しないのに良いものは出来上がりません。
(2)コンテンツ企画
メインターゲットやサブターゲット向けのコンテンツを企画してください。
それぞれのターゲットの悩みを見つけ、自社のサービスならどういう解決をお手伝いできるのか洗い出し企画していきましょう。
(3)継続して更新できる体制
ホームページは成長させる必要があります。そのためには、ホームページの改善やコンテンツの充実が必須。
継続して更新できる体制を社内で作ってください。
(4)スマホ対応
ホームページにはスマホ対応が必須です。スマホ対応しないホームページなら作らない方がいいです。
お金がもったいないです。
(5)SSL対応
SSL対応という方式が現在はメインになっています。
スマホ対応と同じく、これからホームページを作るなら「SSL対応」しておくことが必要。制作会社によっては「未対応」というところもありますが、こういう制作会社は選ばないようにしましょう。
後から苦労するのはあなたです。対応していて当然の機能です。
(6)SEOキーワード選定
ターゲットからSEOキーワードを選定しましょう。
できれば自分たちで選定するのが理想的です。しかし、専門的な視点や技術が必要な部分もあります。
そのため制作会社でサポートしてくれるところが理想的です。ここでのポイントは「サポート=無料」は選ばないこと。
SEOキーワード選定は労力が掛かります。言うなれば人件費が掛かるのです。ということは、無料では難しいのです。それを無料でやるということは、「手抜き」しているのか「やっているフリ」をしているのかです。
(7)社長は必ず参加
社長をはじめ、経営者もホームページ作成チームに参加しましょう。だって自分の会社の看板を作るのですから、関わらない方がおかしいですよね?
最初から関わる気がないのなら、企業ホームページを作る必要はありません。制作の予算をスタッフへ臨時賞与として渡しましょう。そのほうが生きたお金の使い方です。
(8)外部の意見は「ほどほど」に
企業ホームページを作るとき、外部の意見が入ってきます。それも「自称詳しい人」が口を挟んできます。
こういうとき、「ほどほど」に聞いておきましょう。だって、あなたの会社のことを「自称詳しい人」がどれくらい知っているのでしょうか?
意見交換するのなら、専門の制作会社と交換する方が意味もあります。
(9)反対意見には代替え案を
社内で反対意見が出ることが多々あります。
こういうとき、代替え案の無い反対意見は受け付けないルールを設けておきましょう。
反対するということは、何か自分の意見があるはずなのです。そうでないなら単に「反対!」と言っているだけですから、どんな話しも前に進みません。こういう無意味な意見を許してはいけません。
これは時間泥棒の典型的な行動です。
5: まとめ
企業ホームページを作成するときのポイントを総合的に解説しました。
今回の内容を参考に、外部の制作会社へ依頼することもできれば、自分たちで作成することもできます。
また、友人や知人に依頼することもできます。
どの方法で作成されるのかは、あなたの自由ですし予算の都合もあると思います。ただ、どの方法で作るにしても、今回お話した内容は大変重要なことなので、ご自身でまとめて作成先へ共有する必要があります。
それでは今日から「ターゲット設定」をスタートしましょう。すぐに取りかかるのがインターネットで成果を生み出す基本です。ぐずぐずしているとライバルが先にホームページを立ち上げ、一気にアドバンテージを取られてしまうこともあります。