心に刺さるキャッチコピーの作り方
「あっ!コレ!」
こんな感情が突然に湧き上がることがあります。そうしたとき、よく考えてみると「キャッチコピー」から影響を受けていることが多いものです。
キャッチコピーは企業ブランディングやセールスに欠かせない存在。しかし、実際にキャッチコピーを作ろうとしても、なかなか作れないとお悩みの方もいらっしゃることでしょう。
今回は、キャッチコピーを使うシーンの多い「コンテンツマーケティング」を実践しているSONIDOが、心に刺さるキャッチコピーの作り方をお伝えします。
目次
1: キャッチコピーには2種類あります
キャッチコピーには、消費者の心を捉える(興味をもってもらう)役割があります。そのため、多くの方は大企業が使っているようなキャッチコピーを作ろうとされるようです。
しかし、キャッチコピーの役割は同じでも、大きく分けて次の2つの種類があり、それぞれに違った目的があることを知っておいてほしいのです。
(1)イメージコピー
一般的に「キャッチコピー」と呼ばれるのがこちら。イメージコピーです。
イメージコピーは大企業など宣伝広告費を1千万円単位で使って、企業イメージや商品イメージを認知させるコピーです。
コピーライター「糸井重里」氏や放送作家「小山薫堂」氏などが作られることの多いコピーと申し上げるとわかりやすいかもしれません。
イメージコピーは心に刺さるキャッチコピーを見たり聞いたりすることで、企業や商品を想起してもらうために使われます。そのため、比較的
- かっこいい
- おしゃれ
- 考えさせられる
- 社会への提言に近い
- 自分たちのやっていること
こういう内容になっていることが多いです。例えば「イオン」ですと、こんなキャッチコピーがあります。
「私たちは木を植えています」
イオンという企業がやっていることを伝えることで、消費者へプラスの印象をイメージしてもらうコピーとなっています。
間違ってもイオンが「私たち植木屋をはじめました」と言っているわけではありません。
(2)セールスコピー
イメージコピーに対して、購買に結びつける「セールスコピー」があります。
セールスコピーの始まりというか成熟は通信販売が早い時期から始まっていた米国だと言われています。
企業や商品のイメージを伝えるのではなく、「売る」ために伝えるのが特色。購買意欲も高く、ビジネスセンスの高い米国らしい考え方です。
最近では、日本でもセールスコピーが少しずつ知名度を持ってきました。インターネットが普及した10年くらい前から存在していたのですが、身近になってきたのは最近。
セールスコピーを専門に考えて作る「セールスコピーライター」という職種もあります。
このようにキャッチコピーには2つの種類があります。そしてそれぞれに得意分野があります。
プラスの感情を持ってもらい認知度をアップさせたいなら「イメージコピー」。
セールスへ直結させたいなら「セールスコピー」。
このように覚えておいて頂きたいです。そうしないと中小企業でセールスさせたいのに間違って「イメージコピー」を作ってしまうと、作っただけで何の効果も生み出さない可能性があるからです。
さらにイメージコピーを得意とするコピーライターへ高い費用を払って作ってもらっても、イメージコピーなので購買へつながらず、費用ばかり使ってしまうケースも出てきます。
商工会や同友会を経由して地元のコピーライターさんへ依頼したときに、ありがちな話しです。また、大手企業のマーケティング部で仕事をされていた経歴をお持ちのコンサルタントさんやマーケターさんに依頼したときにも起こりやすい話しです。
適材適所を考えてコントロールするのは、私たちの仕事です。依頼するなら違いを理解して正しい人へお願いしましょう。
2: キャッチコピーの基本とは
2つのキャッチコピーに共通する「基本」についてお話していきます。
まずキャッチコピーとは、言葉からも連想できますが「キャッチー」な「コピー」であるべきです。
すなわち、一言で興味を引きつけるチカラが必要なのです。
(1)伝えたいことを明確に
キャッチコピーの基本として、最も大切なことは「伝えたいことを明確」にすることです。
だらだらと、いろいろな情報を伝えても心に刺さりません。軸がブレてしまうだけで、ぼんやりとした雰囲気になってしまいます。
人は、かなり強い興味をもたなければ、次の瞬間に忘れてしまいます。
(2)短く簡潔
キャッチコピーは短く、簡潔に、シンプルに、わかりやすいのが理想です。
今でも繰り返し使われているキャッチコピーを例にします。
「そうだ 京都、行こう。」
短く簡潔でシンプル、そしてわかりやすい。
「人は見た目が9割」
こんなタイトルの書籍もあります。今でも売れ続けています。その理由はキャッチコピーでもある書籍のタイトルが「短く簡潔でシンプル、そしてわかりやすい」からでしょう。
(3)特徴とベネフィット
キャッチコピーには、見た人が興味を持つポイントである特徴やベネフィットを取り入れることも大切です。
- アピールポイント
- メリット
- 他社との違い
多くの特徴やベネフィットを取り入れる必要はありません。たった一つで構いませんので、最も興味を引くことを見つけましょう。
(4)数字を使うと具体化できる
キャッチコピーに数字を使うと、具体的な印象が強まります。
例えばカップラーメンのキャッチコピーでもある
「お湯を注いで3分間」
大変わかりやすいですね。これがもし、
「お湯を注いで少し待つ」
だったら、どれくらいで食べられるのかわからないので人気は出ないでしょう。
数字は根拠を示すことになります。信頼度もアップし、わかりやすいため興味を持ってもらえるポイントになります。
(5)次の行動を明確に
キャッチコピーには、心に刺さった人が次にどう行動してほしいのかを含めていることが大半です。
注意しておきたいのは「行動」という言葉の解釈です。ここで言う「行動」とは、体を動かすことだけではありません。頭の中を動かすことも含まれています。そのため、次のような行動を起こしてもらうことを目指しています。
- 名前を記憶してほしい
- 特徴を知ってほしい
- 購入してほしい
(6)実態に合っている
キャッチコピーは、必ず実態に合っていることが重要です。
実態にそぐわない「煽りキャッチコピー」は、正しいキャッチコピーではありません。「詐欺キャッチコピー」の方が正しい表現ではないでしょうか。
例えば
「1週間でマイナス10kg痩せられる!究極のサプリメント登場!」
というキャッチコピーを作って使うなら、本当に1週間で10kg痩せられた事実が必要です。
フォトショップで画像を加工して「痩せた」風に見せたり、「太った」風に見せたりするのは「詐欺」です。
3: 心に刺さるキャッチコピーの作り方
キャッチコピーを作る時、心に刺さるようなコピーを作りたいなら、次からお話するポイントを取り入れて考えてください。
(1)誰に伝えたいですか?
私たちが作るキャッチコピーは、人が見て反応します。そのため「誰」に向けてのキャッチコピーなのかを明確にしておかないといけません。
人によっては「多数の人々に向けてキャッチコピーを作りたい」という方もいらっしゃいますが、まずこうした不明確な「誰」では失敗します。
結局、何時間も頭を悩ませて作っても、誰の心にも刺さらないキャッチコピーを生み出しただけで、何も成果を感じることができないでしょう。
というのも、人は同じ悩みであっても年代や性別、ライフスタイルによって心に刺さるポイントが同じではないからです。
例えば、「痩せたい」という悩みひとつを見ても男性と女性では、悩みの根源的な部分が違っています。
また、同じ性別であっても年齢によって悩みを解決したときに期待することが違っています。
例えば、痩せたいと考えている女性の場合であれば、
- 20代~30代ならモテたい
- 40代なら婚活対策
- 50代なら体力や体型維持
- 60代なら老後の不安対策
このように違ってきます。そのため心に刺さるようなキャッチコピーを作るなら、最低でも性別+年齢は決めておかないと、効果を出すようなキャッチコピーにはならないということです。
(2)抱いてほしいイメージ
キャッチコピーを受け取った人の心の中や頭の中に、どういったイメージを抱いて欲しいのかを考えておきましょう。
例えば、
- 誠実さ
- 高級志向
- 激安志向
- 環境にやさしい
- 脱炭素に注力
- 貧困問題への取り組み
- SDGs
自社や商品、サービスのテイストとフィットさせることも大切です。
(3)できるだけ沢山作る
キャッチコピーを作る時、たった一つのキャッチコピーを作ろうとする方がいらっしゃいます。
でも、これは大変難しいことです。コピーライターの糸井重里氏が昔のインタビューで話しておられましたが、1つのキャッチコピーを決めるために100本は作るということです。
僕たちが100本作るのは、これはこれで難しいのですが、それでも10本は作っておきたいところです。
10本が難しい場合は、最低3本は作る。そして、複数作ったキャッチコピーを何日間か寝かせておき、頭と心を静めてから見直して決めるのが得策です。
キャッチコピーはたった一文字違うだけで、テイストも意味も印象も変わります。思いついたキャッチコピーは全て書き出しておきましょう。
(4)言葉の組み合わせ
キャッチコピーを作る時、どうしても思いつかないことがあります。
そうした場合に思い出してほしいのが次の方法です。
「伝えたいことに関連する言葉を一つでも多く洗い出す」
何も考えずに、とにかく関連すると思える言葉を洗い出します。文章でなくて構いません。単語でOKです。
1時間、2時間かけて洗い出すと、だいたいネタが尽きてくるはずです。そこからは、洗い出した言葉を、あれこれ組み合わせていきます。
まったく的外れなコピーが出来上がることもあれば、組み合わせを変えるだけで「オッ!」と思えるコピーが生まれることもあります。
キャッチコピーは突き詰めると「言葉の組み合わせ」です。何時間もノートやパソコンの前で悩むよりも、とにかく手を動かしてみると違ったアイデアも浮かんできます。
(5)文字数とテンポ
キャッチコピーは文字数とテンポも大切です。例えば、次のキャッチコピーはどちらも上手くかみ合っている例です。
「すぐおいしい、すごくおいしい」
チキンラーメンですね。
文字数も少なくテンポが良いので、一度見ると忘れられません。韻も踏んでいますので口ずさみやすい。
口ずさみやすいということは、記憶に定着されやすいということです。
(6)オノマトペの利用
主に「食品」のキャッチコピーを作るとき、利用してほしいのが「オノマトペ」です。
- ジュージュー
- グツグツ
- ほかほか
- すっきり
- トロトロ
- モチモチ
擬音語や擬態語を使うと、キャッチコピーから伝わるイメージが鮮明になります。
某コンビニの新商品に「モチモチ○○」というのが多いのも、こういった効果を狙ってのことでしょう。
4: 知っておくと便利なテクニック
キャッチコピーを作るとき、知っておくと便利なテクニックがあります。テクニックなので経験や勘やセンスは必要ありません。覚えておくだけでOKです。
(1)客観的な視点
「誰に伝えるのかを明確にしましょう」と先ほどお話ししました。これに関係する話ですが、あなたがキャッチコピーを使って伝えたいことが、市場でどれだけ認知されているのかを考えて欲しいのです。
既に市場において知名度があるのなら、抽象的なキャッチコピーである「イメージコピー」でも受け取る人は理解してくれます。
反対に、市場において知名度が低いのなら、キャッチコピーで特徴などを説明しなくてはいけません。ということは「セールスコピー」になるわけです。
「誰に伝えるのか」を決めたら、次に受け取る人がどういう状態なのかを客観的な視点で検討してください。
間違えやすいポイントです。
(2)感情を揺さぶる
人は理論で考えますが、お金を払うかどうかは感情で決まります。
別の言い方をすると、理論は買うための言い訳を探す根拠であり、実は感情の揺さぶられ加減によって既に購入するかどうかを決めているのです。
購買にフォーカスしたキャッチコピーを作る時には、感情を揺さぶることを忘れないでください。
(3)専門性
「○○大学教授が推薦!」
「フォロワー50万人の○○がおすすめする~」
これだけで専門性を通して安心や安全を伝えることができます。
あなたのキャッチコピーにも、できるだけ含めておくのが良いですね。
人はお金を払う時や行動を起こす時、起こした後に誰かから「おまえバカなんじゃないの?」と言われたくありません。そのため、こうした裏付けとも言える(言い訳でもあります)情報を得ることで安心して行動できるようになります。
(4)ポジティブ
基本的にキャッチコピーはポジティブであるべきです。
明るい未来を見せてあげる方が気分も上がります。
ネガティブな方が注意を引きやすいのは確かですが、企業やサービスに対して「ネガティブ」な印象をもたられてしまうこともあります。
基本「ポジティブ」がおすすめです。
(6)コンプレックスや不安や恐怖
どちらもネガティブ要素です。そのため、強く注意を引きたいときに使われることがあります。
ただし、最近はこうしたネガティブキャッチコピーは
- 嫌われる
- 排除される
- 広告から削除される
というケースも増えています。今後は益々厳しいルールが適用される可能性もあります。
使わないのが一番だと私は考えています。
5: まとめ
心に刺さるキャッチコピーを作るとき、まずは誰に伝えたいのかを明確にしましょう。
その次に、対象の人たちが市場でどれくらい認知しているのかを確認することが大切です。そして、知名度をアップさせたいのか、購買まで誘導したいのか、どちらを選ぶのかを判断することで、イメージコピーにするのかセールスコピーにするのかを決めることができます。
ひとくちに「キャッチコピー」と言っても、2つの種類がありますので、あなたのマーケティングに適した方を選ぶことが重要になってきます。
ただし「セールスコピー」を作る「セールスコピーライター」は、なかなか巡り会うことができません。自称セールスコピーライターはクラウドソーシングのサイトに大勢いますが、本当に効果のあるコピーを書ける人は多くありません。
というのも、効果を出せるセールスコピーライターは基本的に表舞台に出て来ないためです。
もし、あなたの企業サイトやセールス用ページにセールスコピーが必要であれば、SONIDOまでご相談ください。ご相談内容に合ったセールスコピーライターと一緒に、あなたのサイトのテコ入れをお手伝いさせていただきます。