集客文章の書き方 ~心に響き問い合わせされるライティングの法則~
コンテンツを作りホームページで公開する。
そうすると訪問者が増えて問い合わせされ、ホームページが自動集客装置になる。
この考えは、間違っていません。
でも、このような状況になるところと、そうでないところがあるのも事実。
なぜ、誰もが思ったような成果を出せず、コンテンツを作り続けても問い合わせされることがないのでしょうか。
それには「集客文章」の書き方に理由があります。
今回はホームページから問い合わせが届かないと悩んでおられる方へ、集客文章に必要な書き方のポイントを紹介します。
1: 人の心が動く理由
人は心が動かないと、行動を起こすことはありません。
綺麗な文章だけでは心は動きませんし、書き手が本当に思っていることでないと、読み手の心は動きません。
不思議なことですが、読み手は書き手のことを知らなくても、なんとなく「あれっ?これ本当?」と敏感に感じるもの。
例えば、次に引用する文章を読んだとき、あなたの心は動くでしょうか?
—以下、引用—
2015.10.2
十七代 黒川光博より 赤坂本店をご愛顧くださったみなさまへ
赤坂本店、および虎屋菓寮 赤坂本店は、10月7日をもって休業いたします。
室町時代後期に京都で創業し、御所御用を勤めてきた虎屋は、明 治2年(1869)、東京という全く新しい土地で仕事を始める決断をしました。赤坂の地に初めて店を構えたのは明治12年(1879)。明治28年 (1895)には現在東京工場がある地に移り、製造所と店舗を設けました。
昭和7年(1932)に青山通りで新築した店舗は城郭を 思わせるデザインでしたが、昭和39年(1964)、東京オリンピック開催に伴う道路拡張工事のため、斜向かいにあたる現在地へ移転いたしました。「行灯 (あんどん)」をビルのモチーフとし、それを灯すように建物全体をライトアップしていた時期もありました。周囲にはまだ高いビルが少なかった時代で、当時 大学生だった私は、赤坂の地にぽっと現れた大きな灯りに心をはずませたことを思い出します。
この店でお客様をお迎えした51年のあいだ、多くの素晴らしい出逢いに恵まれました。
三日にあげずご来店くださり、きまってお汁粉を召し上がる男性のお客様。
毎朝お母さまとご一緒に小形羊羹を1つお買い求めくださっていた、当時幼稚園生でいらしたお客様。ある時おひとりでお見えになったので、心配になった店員が外へ出てみると、お母さまがこっそり隠れて見守っていらっしゃったということもありました。
車椅子でご来店くださっていた、100歳になられる女性のお客様。入院生活に入られてからはご家族が生菓子や干菓子をお買い求めくださいました。お食事ができなくなられてからも、弊社の干菓子をくずしながらお召し上がりになったと伺っています。
このようにお客様とともに過ごさせて頂いた時間をここに書き尽くすことは到底できませんが、おひとりおひとりのお姿は、強く私たちの心に焼き付いています。
3年後にできる新しいビルは、ゆっくりお過ごしになる方、お急ぎの方、外国の方などあらゆるお客様にとって、さらにお使い頂きやすいものとなるよう考えています。
新たな店でもたくさんの方々との出逢いを楽しみにしつつ、これまでのご愛顧に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
虎屋17代
代表取締役社長 黒川光博
出典:虎屋ホームページより
(URL:https://www.toraya-group.co.jp/toraya/news/detail/?nid=76)
この挨拶文は2015年に大絶賛されたものです。
多くの人から絶賛される(心が動く)ことが出来たのは、書き手が心からこの挨拶文に書かれていることを思い、毎日仕事をされていたからでしょう。
文章が上手とか、語彙がすごいとか、そういうことではなく、書き手がいつも心から思っていることを書くからこそ、読み手の心に響き行動を生み出すのです。
では、どうすればこのような「心に響く」文章を書くことができるのでしょうか?
それには次からお話しするポイントがあります。
2: あなたが話す相手とは
あなたは集客のために文章を書くとき、誰に向けて書いているでしょうか?
「SONIDO、何を言っている。そんなのお客さんに決まっているだろう!」
このようなお答えをいただくかと思います。
でも、これでは100点満点の答えではありません。
というよりも、点数でいうと50点くらいです。
それでは、あなたがこれから書く相手とは誰なのかというと、次の質問の答えになります。
『あなたのお客さんはどんな人ですか?』
さて、どのような答えが出てきたでしょうか?
例えば、次のような答えがあると思います。
- 30歳から45歳の独身女性
- 25歳から30歳のOLさん
- 60歳以上のリフォームを考えている奥様
- サラリーマンを辞めて起業を考えている人
- サラリーマンで副業をしたい人
- FXでガツンと稼ぎたい人
まだまだあると思いますし、この記事をお読みのあなたの仕事の数だけ存在するはずです。
このように明確な「誰」が答えとして出てくることが「心に響く」文章を書くポイントとなります。
「でも、そうは言っても、思いつかないですよ」という場合もあるでしょう。
そんな方には、次にお話する方法が見つけるのに役立つと思います。
3: 話す相手が不明瞭なときの対策
(1)デモグラフィック分析
次のような項目を、あなたのお客さんから洗い出してみてください。
- 性別
- 年齢
- 家族構成
- 職業
- お住まいの地域
これらが基本的な項目となります。
さらに、もう少し深く分析するなら、次の項目も役に立ちます。
- 年収
- 戸建て、マンション
- 現金払い派、クレジット派
(2)サイコグラフィック属性
趣味性の強いことを書く場合に効果的です。
次の項目をしっかり分析することで、読み手の心をがっちりつかむことができるでしょう。
- 価値観
- ライフスタイル
- 好きなタレント
- 好きな雑誌
- 趣味
- 習い事
(3)その他
次の項目を知ることができると、あなたは専門家と思われることでしょう。
- お客さんが悩んでいること
- お客さんが解決したいこと
- お客さんがほしいもの
- お客さんが感じているストレス
もし、人間関係に悩んでいるお客さんがいるのなら、ややこしくなった関係を改善できる方法を伝えることで、あなたの書いた文章が「心に響く」ことは間違いありません。
あなたも同じだと思うのですが、自分の悩みや不安、フラストレーションを解決する方法を知っている人がいるなら、その人に教えてもらいたいと思うはず。
そして、教えてもらい、そのまま実行し、解決することができたなら、あなたは教えてくれた人を忘れることはありません。
このような3つの方法を使うことで、あなたのお客さんを分析し、共通点を見つけ出してください。
見つけ出したポイントに対して、あなたが専門家として解決する方法を提供することで、あなたの書いた文章は読み手の心を動かします。
4: 得られるものをはっきりさせる
「誰」に向けて書くのかが明確になれば、次に必要なことは「どうなるのか」を教えてあげることです。
人は悩みの解決をしたいと考えていますが、解決した先が見えていないと行動することが苦手です。
ですから、心に響き、より行動しやすくしてあげるためには、問題が解決した未来を見せてあげてほしいのです。
例えば「婚活パーティ」に参加する人は、どんな未来を望んでいるでしょうか?
「婚活パーティ」に参加することが目的ではなく、参加した結果
- 魅力的なパートナーと出会い
- 価値観を確かめ
- 素敵な結婚をし
- 毎日充実した生活を送りたい
このような未来を手に入れたいと考えているはずです。
この例で言うと「婚活パーティに参加するとどうなるのか」を、あなたが書く文章に取り入れることが必要です。
5: 3つの切り口と結果の伝え方
それでは最後に、心を動かし行動を生み出すために必要な3つのことを紹介します。
(1)ファクト
日本語にすると「事実」です。
予想や勘ではなく、誰が見ても、誰が調べても変わらないもの。
- 「○○で日本一」
- 「○○で神奈川で1位」
- 「○○で藤沢で1位」
もし、あなたの商品やサービスの中で、このような圧倒的な事実があるなら使うことを忘れないでください。
(2)メリット
お客さんから見たときの「メリット」を書きましょう。
このメリットは、お客さんが
「なぜ、あなたから、買わないといけないのか」
という頭の中で無意識に繰り返されてる質問への答えとなります。
(3)ベネフィット
メリットの先にある「明るい未来」を表現してください。
先ほどお話しました「得られるもの」につながります。
6: まとめ
ホームページから集客し、問い合わせを生み出しているところのコンテンツを見ていくと、今回ご紹介しました内容が組み込まれています。
「誰に」「何を」が明確になっていますし、手に入れた未来像がわかりやすくなっています。
もし、
ホームページから思っているように集客できない。
問い合わせがいつまでたっても届かない。
このようなことに悩んでおられるのなら、今まで公開している文章を見直してみてください。
今回ご紹介しました内容が「きちん」と取り入れられているのかどうかをチェックし、抜けている部分があれば「更新」してください。
集める、問い合わせされるポイントを知り、過去のコンテンツを「更新」することで、あなたのホームページの状況が変わっていきます。