工務店の仕事の取り方~下請けから元請けに変わる方法~
工務店の仕事の取り方というと、次のようなアナログでの方法が一般的でした。
- 紹介
- 下請け
しかし、世の中がデジタル化へ進んだことで、工務店の仕事の取り方も変化に合わせていく必要が出てきています。
また、従来のアナログな仕事の取り方では、いつまでも下請けのままだったりするため、仕事をしていても生活が豊かにならないということにもなりかねません。
そこで今回は、工務店の仕事の取り方について、デジタル時代にマッチする方法をお話したいと思います。また、この方法を利用することで、下請けから元請けへ変わるきっかけをつかむこともできるはず。
最後までご覧いただき、すぐに実践してみてください。
1: なぜ工務店は自分で仕事を取れないのか
いつまでも紹介や下請けばかりで、元請けとしての仕事を取れない。このような悩みを持っている親方も多いようです。
では、どうして自分で仕事を取れないのでしょうか?それには3つの理由があります。
(1)あなたを知っている人がいない
はじめに正しく理解してもらいたいのが、工務店を生業としているあなたの会社や事務所を知っている消費者は「ほとんど居ない」という現実です。
人は自分から探しに行くことはほとんどありません。パッと目に入ったことや、誰かから聞いたことをきっかけにして見つけようとします。
ということは、知られていないあなたの工務店を積極的に見つけてくれる人は、ほんの一握りあるかないか。
これでは仕事を取ることはできません。
(2)ホームページがあっても見られていない
少しでも知ってもらうためにホームページを用意している。そんな工務店も増えてきています。
しかし、いくらホームページを持っていても消費者が検索したときに、あなたの工務店のホームページが目に止まらないのなら無いのと同じです。
これでは「知られていない」のと同様、仕事を取ることは難しくなります。
(3)ホームページに訪問しても情報が薄い
ホームページへ訪問してくれる消費者がいるのに仕事が取れない。このような悩みをお持ちの親方もいらっしゃると思います。
こういうケースで仕事が取れない理由として多いのが「ホームページの内容が薄い」こと。
消費者の知りたい情報が少ないため、あと一歩踏み込んでもらうことが出来ていないのです。
残念ながら、これでは相談や問い合わせへ繋げることができません。
2: 工務店が仕事の取り方を変える理由
工務店がこれまでとは変化し、自分たちで仕事を取るように変えていかないといけない理由があります。
(1)利益が低い
これまでと同じように紹介や下請けだけで仕事をしていると、利益率が下がっていきます。
今回のコロナ禍で発生したような「材木の高騰」だと、材料の価格が上がったため元請けが利益を確保するために、あなたたちへ作業工賃を下げるように指示してくることもあるでしょう。
これでは同じ仕事をしていても利益がどんどんと下がっていきます。
(2)職人がいなくなる
利益の薄い仕事が増えると、雇っている職人へ十分な給与を払うことができなくなります。そうすると、誰しも生活がありますから、より条件の良い工務店へ転職していきます。
または、自分で仕事をしようと退職してしまう人も出てくるでしょう。
腕の良い職人がいないと工務店は成り立ちません。
(3)共倒れ
元請けが倒れてしまった時、自分で仕事を取る方法をもっていないと、あっさり共倒れになってしまいます。
これは最悪のケースです。
自分で仕事が取れないと、こういうデメリットやリスクが常につきまといます。下請け仕事がNGなのではなく、元請けとして仕事を取れるようにしておくことで、経営リスクをかなり軽減できます。
3: 工務店の仕事の取り方には成功への流れがあります
工務店が自分で仕事を取るときに知っておくと便利な「成功への流れ」というものがあります。
(1)現状を分析しよう
はじめに大切なのは、現状を分析することです。
あなたの工務店が相手にする上で理想的な「顧客」を明確にしておきましょう。
顧客が明確になると、顧客が求めているものがわかります。例えば、
- アフターサービスを重視する顧客
- 価格の安さを重視する顧客
- デザインを重視する顧客
- 工事の技術力を重視する顧客
- 相談しやすい雰囲気を重視する顧客
あなたの理想の顧客が求めているものはどれでしょうか?そして求めているものがわかると、次に競合を明確にします。
さらに競合の強みと弱み、自社の強みと弱みを比較することで、あなたの工務店だから勝てるポイントを見つけることができます。
(2)ターゲットに合わせた方法を選ぼう
顧客(ターゲットとも言います)は、どのような媒体を目にする機会が多いでしょうか?
- チラシ
- フリーペーパー
- インターネット
ここで重要なのは、顧客(ターゲット)が目にする媒体を発見して選ぶことです。
例えば顧客がインターネットを使っているのなら、チラシを入れても見てもらえませんので意味がありません。反対に顧客が新聞を見るのなら、チラシの方が有利になります。
(3)ホームページは必ず用意
最近の消費者行動として最も変化したのが、高齢者までスマートフォンを使いインターネットへ接続していることです。
そのため、ファーストアクションはチラシなどのアナログ媒体だったとしても、その先には必ずホームページが必要になってきます。
というのも、チラシやフリーペーパーだけでは工務店の魅力を伝えきれないため、アナログ媒体からホームページへ誘導し、たくさんの魅力を余すことなく伝えるのがおすすめだからです。
また、少し若い世代だと、ホームページを持っていない工務店は「信頼度が低い」と判断されてしまうこともあります。
こういったマイナス要素を減らすためにも、ホームページは必ず用意しておきましょう。
(4)継続的な情報発信
チラシなどのアナログな媒体でも、デジタルのホームページでも同じですが、継続的に顧客へ役立つ情報を発信してください。
人は一度の接触だけで、あなたの工務店を選ぼうとはしません。何度も目に触れたり、情報を読んだりすることで、少しずつ信頼度が増していき、その結果として「問い合わせ」「相談」という行動が生み出されます。
(5)予算があるなら広告運用
経営的に広告費予算があるのなら、インターネットを使って広告運用する方法があります。
インターネットの広告は、アナログ広告と比較すると運用費用も安く、地域や顧客を絞り込んで効果的に活用できますので、短期間で仕事を取りたい方におすすめです。
「時は金なり」という言葉のとおり、広告費というお金を使うことで、仕事が取れるようになるまでの時間を短縮できます。
(6)相談会などオンラインツールを活用
コロナ禍によって世間に浸透したのがオンラインツールを使ったコミュニケーション。
- ZOOM
- Skype
同じようなサービスがGoogleやマイクロソフトにもあります。
オンラインツールを使うことで、これまでよりも簡単に相談会を開くことができます。また、複数人のお客様候補を集めて「ウェブセミナー」なども開催しやすくなっています。
50代以下の顧客を相手にするなら、対面での相談会よりもお手軽なオンライン相談会が敷居も低く、無理なセールスをされにくい印象が強いのでおすすめです。
4: まとめ
工務店の仕事の取り方は、消費者行動の変化に合わせていく必要があります。特にコロナの影響によるデジタル化への急速なシフトによって、従来の仕事の取り方とは大きく変わってきたと言えるでしょう。
変化が起こった時こそ、どれだけ自分たちが素早く合わせていけるのか、消費者ニーズに寄り添えるのか。行動力によって元請けになれるチャンスも増えていきます。
今回の変化をポジティブに受け取り、変化を受け入れるきっかけにしてください。そして下請けだけではなく、元請けとしても仕事を取れるように進めてください。