中小企業がオウンドメディアを運営する目的とは
オンラインでの集客や商談が一般化しています。そのため少し前なら大手企業だけが力を入れていても良かった「オウンドメディア」を中小企業も正しく運営し、自社に合った成果を生み出さなくてはいけなくなるでしょう。
しかし、中小企業様でオウンドメディアを運営すると言っても、そもそも目的が良くわからないとか、オウンドメディアの存在が明確にわからないという部分もあると思います。
そこで今回は、ホームページからの集客を得意とするSONIDOが、これまでの経験から中小企業がオウンドメディアを運営する目的や、正しい運営に重要なポイントをご紹介していきます。
1: オウンドメディアとは
まずはオウンドメディアとは何なのか、復習を兼ねてここからお話していきます。
(1)理解しておきたい「トリプルメディア」の存在
オウンドメディアを単体で話す人がいます。しかしオウンドメディアは3つのメディアの中の1つを担っている存在であり、本来は次からお話する3つのメディアとの連携によって存在の意味を持つことになります。
では、3つのメディア(トリプルメディア)とは、どのようなものでしょうか?
まず1つ目は、今回の話の中心となる「オウンドメディア」。2つ目は「ペイドメディア」と呼ばれるもの。3つ目は「アーンドメディア」と呼ばれるもの。
この3つがバランスよく運営され、お互いに効果を出すことであなたのビジネスへ新しい流れを作り出してくれるのです。
それでは3つのメディアについて、少し詳しく見ていきましょう。
(2)ペイドメディア
ペイドメディアとは、費用を払ってあなたのビジネスの存在をアピールするメディアです。
身近な存在としては、
- テレビCM
- ラジオCM
- 新聞広告
- 折り込み広告
- 雑誌広告
- リスティング広告
このような広告がペイドメディアと言えます。ペイドメディアは使える費用(予算)によって成果が変わります。また、費用を使うことで短期的に効果を実感することができるでしょう。
(3)アーンドメディア
身近に使われているメディアですが、言葉からイメージしづらいかもしれません。
アーンドメディアとは、一言で表現すると「口コミ」を第三者が運営するメディアから発信することです。
少し前ならご近所の口コミもアーンドメディアと言えましたが、今ではSNSがアーンドメディアの主流と言えるでしょう。
また、アマゾンや楽天などのレビューもアーンドメディアの一つと考えても良いですね。
アーンドメディアは消費者に対して大きな影響を与えます。良いレビューが増えると人が集まりますし、良くないレビューが増えると人が減っていくか「炎上」する原因になります。
そしてアーンドメディアの特長として覚えておいていただきたいことは、ペイドメディアやオウンドメディアとは違い、運営しているあなたの会社で思っているようにコントロールすることができないことです。
口コミ(現在ならレビューやつぶやき)は、手に取った人や体験した人の価値観や好みによって評価がわかれます。そのため、人によっては「星5つ」の人もいれば「最低だよココ!」という評価をする人も出てきます。
(4)オウンドメディア
オウンドメディアとは「オウンド」という単語から推測できるとおり、自分自身で所有し、コントールしながら運営するメディアのことです。
自社で全てをコントロールできるメディアであるため、自由度も広がります。広告審査の基準も関係ありませんし、完全に自社で運営すれば費用も限りなく少なくて済みます。
これらそれぞれの特長を持ったメディアが連携することで、あなたのビジネスに成果をもたらせてくれます。どれかひとつではなく、3つをバランス良く使う必要があります。そして覚えておいていただきたいことは、昨今は費用を使った広告やレビューに疑問を持つ消費者が増えていることから、オウンドメディアが3つの中の中心的な存在になりつつあるということです。
2: オウンドメディアの目的
トリプルメディアを理解されたら、次は今回の話の中心であるオウンドメディアの目的をお話します。
(1)認知度アップ
オウンドメディアを運営する目的の1つは、あなたのビジネスや商品、サービスを知ってもらう(認知度アップ)ため。
ビジネスを継続するためには、興味を持っている消費者へ知ってもらわなければいけません。ビジネスで知られていないことは、存在しないのと同じです。
(2)見込み客との接触
2つ目は、まだあなたの顧客ではない「見込み客」と接触しコミュニケーションをスタートする足がかりにすることです。
最近の消費者意識として顕著なのは、暑苦しいセールスを大変嫌う傾向が強いことでしょう。消費者は自分のペースで知りたいことを探し、自分の都合の良いタイミングで情報を得ます。
このように従来とは違った価値観で行動していますので、いつでも見込み客のタイミングで情報を見てもらい、気に入ればアクションを起こしてもらえるような仕組みを用意しておくことが必要です。
(3)信頼関係の構築
見込み客とのコミュニケーションが繰り返されると、少しずつですが信頼関係が構築されていきます。
そして、信頼関係が太くなるにつれ、見込み客が行動を起こすとき「あなた」を一番に思い出してくれるでしょう。
(4)ファン化
信頼関係を築き、あなたの顧客になってくれたなら、その瞬間に見込み客はあなたのファンになっています。
これまでのコミュニケーションと役立つ情報によって、見込み客は自分の悩みや不安を解決するためには、「あなたしかいない」という状態に変化しています。
3: オウンドメディアの運営で知っておきたいこと
中小企業がオウンドメディアを運営するとき、失敗しないために知っておいてほしいことがあります。
(1)オウンドメディアのコンセプト決定
オウンドメディアをスタートする前に、メディアサイトのコンセプトを明確にして決めましょう。
コンセプトが曖昧だと、発信する情報もフラフラとしてしまい、何の専門メディアなのかわからなくなります。
これはサイトを見る消費者もわからなくなりますが、運営しているあなたもわからなくなり、成果を生み出すことが難しくなります。
(2)オウンドメディアのチーム編成
社内の誰が責任を持って運営するのか、チーム編成を考えましょう。始めれば誰かが率先してやってくれると思うのは失敗の前兆です。
(3)ペルソナ設定
コンセプトを決めれば次は「誰に伝えたいのか」を決めましょう。どんな人(ペルソナ)がターゲットなのかを明確にすることで、伝えたいことが定まってきます。
(4)オウンドメディアサイトの制作
ここまで決まれば、オウンドメディアのサイトを作りましょう。自分たちで制作しても良いですし、専門の制作会社へ依頼してもいいですね。
(5)コンテンツの企画
オウンドメディアで大事なのがコンテンツ(役立つ情報)です。ペルソナの不安や悩みを解決するコンテンツを企画してください。
(6)コンテンツの制作
コンテンツの企画ができたら、コンテンツを制作しましょう。
文章中心のコンテンツでも構いませんし、動画を使っても良いですね。ペルソナが見ている媒体に合わせてコンテンツを作ってください。
(7)運営の継続
オウンドメディアはスタートできれば終わりということはありません。あなたの会社が存在し、商品やサービスを提供している期間は常に運営を継続する必要があります。
チーム編成した中で、コンテンツの企画や制作を含んだスケジュールを立てて対応しましょう。
(8)メディアサイトの状況分析と改善
メディアサイトは公開して終わりではありません。
- どのようなアクセス状態になっているのか
- どんな年齢層が見ているのか
- 見ているペルソナは、どんなキーワードで検索しているのか
こういった外からはわからない(インサイト情報)を分析し、改善策を検討していきましょう。
ビジネス書で登場する「PDCA」を回すことが大切です。
4: まとめ
これからの会社にはオウンドメディアが必須になると思います。消費者は商品やサービスに興味を持ったとき、次は「どんな会社だろう」「どんな商品やサービスだろう」とメディアサイトを探して見に行きます。
それも興味を持った瞬間に、スマートフォンでササッと検索して見に行きますので、このタイミングでオウンドメディアが見つからないと「はい、さようなら」になってしまう確率が高まります。
コロナ禍によって国も「デジタル化」を推進しています。そして5Gの登場によりこれまで以上にデジタルでの情報検索と収集が消費者にも普及していくことでしょう。
こういった「これからの流れ」に乗り遅れないためにも、中小企業でもオウンドメディアをスタートし、新しい流れに対応しておきたいところです。
今回のコンテンツを参考にし、ぜひあなたの「オウンドメディア」を手に入れ、運営し成果を感じてみてください。