オウンドメディアを立ち上げたいが、何から始めればいいか分からない。人手もなければ、大きな予算もない。でも、広告費をかけずに集客できる仕組みを作りたい。そんな方に向けて、この記事を書いています。
大企業向けの「チームを組んでフルスクラッチで構築」という話は、ここではしません。SONIDOが実際に1人で運営してきた経験をもとに、中小企業・個人事業主が今日からでも始められるオウンドメディアの作り方を、具体的なステップで解説します。
目次
オウンドメディアとは(簡単に復習)
オウンドメディアとは、自分(自社)が所有・管理する情報発信の場のことです。ブログ・コーポレートサイト・ホームページが代表例です。広告(ペイドメディア)や口コミ・SNS(アーンドメディア)と並ぶ、3つのメディアのうちの1つです。
オウンドメディアの最大の特徴は、コントロールできることと資産として積み上がることです。広告は止めたら即日で止まりますが、オウンドメディアに蓄積したコンテンツは、更新を続ける限り働き続けます。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いや、なぜAI時代にこそ有効なのかについては、コンテンツマーケティングとは?で詳しく解説しています。
集まるオウンドメディアと、集まらないオウンドメディアの差
まず正直にお伝えします。オウンドメディアを立ち上げても、人が集まらないまま終わるケースがほとんどです。情報発信が不定期になり、モチベーションが落ち、更新が止まり、また再開しようとしてもうまくいかない。このループに入ってしまうサイトを、私はたくさん見てきました。
集まるオウンドメディアと集まらないオウンドメディアの差は、「誰に届けたいのか」が決まっているかどうか、たった1点です。
わかりやすい例を出します。あなたがトイプードルを飼っている飼い主だったとして、次の3つのオウンドメディアが検索に出てきたとき、どれを選びますか。
- ペットの情報を発信するサイト
- 犬の情報を発信するサイト
- トイプードル専門のサイト
答えは明らかです。「3」を選ぶはずです。発信している情報の量はほぼ同じでも、「自分のために作られている」と感じた瞬間に人は引き寄せられます。インターネットでは、絞り込んだ相手に向けた専門特化の情報が、最も人を集めます。
オウンドメディアを作る5つのステップ
ステップ1:誰のためのメディアかを決める(ターゲット設定)
最初にして最重要のステップです。「誰に届けたいか」を、できる限り具体的に決めます。
- 業種・職種・年齢・地域
- どんな悩みを抱えているか
- 何を知りたくて検索しているか
- 今どんな状況にあるか
「中小企業の経営者」ではなく、「ホームページを作ったのに問い合わせが来なくて困っている、地方の製造業の社長(50代・従業員10名・受注が季節に偏っている)」くらいまで具体化してください。絞れば絞るほど、何を書けばいいかが自然に決まります。
ターゲット設定の詳しい方法はターゲットオーディエンスの選び方で解説しています。
ステップ2:コンセプトとテーマを決める
ターゲットが決まったら、メディア全体のコンセプトを決めます。コンセプトとは「このメディアは何について、誰のために、どういうスタンスで発信するか」の一文です。
例:「ホームページ集客に悩む中小企業の経営者が、今日から動けるようになるための実践情報を発信する」
これを決めておかないと、記事のテーマが散らかって一貫性がなくなります。一貫性のないメディアは、Googleにも訪問者にも「このサイトは何の専門家か」が伝わりません。
ステップ3:プラットフォームを決める(WordPressがおすすめ)
オウンドメディアを置く場所を決めます。既存のホームページと同じドメイン配下に作ることを強くおすすめします。
理由はシンプルです。別ドメインで立ち上げると、ドメインの信頼性がゼロから始まります。既存サイトのドメイン評価を活かしながら記事を積み上げられる、サブディレクトリ(例:sonido.jp/blog/)の形が最もSEO上有利です。
ツールはWordPressが最善です。無料・カスタマイズ自由・SEOプラグインが豊富の3点揃っています。設定の複雑さを心配するより、まず動かしてみることを優先してください。
ステップ4:記事を書き始める(継続できるペース設定が命)
ここが最大の関門です。「継続できるペース」を最初に決めてください。週1本書ける人は週1本。それが難しければ月2本。最初から頑張りすぎると3か月で燃え尽きます。
書くネタは、お客様から聞かれた質問が宝の山です。「よく聞かれるけど、毎回説明している質問」をそのまま記事にしてください。その質問をしているお客様と同じ悩みを持つ人が、今もGoogleで検索しています。
記事の質について言えば、「どこにでもある一般論」は書かなくていいです。AIが量産している時代に、一般論は価値を持ちません。あなたの現場経験・実際の事例・自社だからこそ知っていること、これを書いてください。それがAI時代に最も評価される一次情報です。
記事数の目安は、最初の半年で20〜30本。ここまで積み上がると、Googleが「このサイトはこのテーマの専門サイトだ」と認識し始めます。
ステップ5:数字を見て改善する
Googleサーチコンソールとアナリティクスを必ず入れてください。3か月に1回でいいので、次の数字を確認します。
- どんなキーワードで記事が表示されているか
- どの記事がよく読まれているか
- 読まれた記事からサービスページや問い合わせへ進んでいるか
うまくいっている記事のテーマをさらに深掘りし、読まれていない記事はタイトルや内容を見直す。この繰り返しが、オウンドメディアを育てます。
中小企業がオウンドメディアで大企業に勝てる理由
大企業のオウンドメディアは、チームライターが一般論を量産します。中小企業の社長・担当者は、現場の一次情報を持っています。「うちの加工技術ではこの素材には対応できないが、こういう工夫をすれば可能になる」「お客様からよく聞かれる失敗のパターン3つ」、こういう具体性のある情報はAIにも大企業にも真似できません。
AI検索時代に、AIが参照先として選ぶのは、この種の「専門性×現場経験」がある情報源です。大企業より中小企業、専任ライターより当事者の発信の方が、これからの時代には強い武器になります。
オウンドメディアが頓挫する3つのパターン
頓挫するパターンはほぼ決まっています。
パターン1:最初から大きく始めようとする。 毎月10本、SEOツールを完備、専任担当を置く……そんなスタートは続きません。まず月2本から。続けられることを最優先にしてください。
パターン2:ターゲットを決めずに書き始める。 「誰でも役立つ情報を」という発信は、誰にも届きません。最初の1時間はターゲットを決めることに使ってください。
パターン3:3〜6か月で諦める。 オウンドメディアの効果が出るまでには時間がかかります。最初の数か月はほぼ誰も来ません。でもここで止めてしまう人がほとんどです。止めなかった人が、1年後に一人勝ちしています。
まとめ
オウンドメディアの作り方は5つのステップです。①ターゲットを決める → ②コンセプトを決める → ③WordPressで既存ドメイン配下に作る → ④週1本ペースで一次情報を書き続ける → ⑤数字を見て改善する。
大きな予算も、専任チームも、最初は要りません。必要なのは「ターゲットを一人に絞ること」と「続けること」の2つだけです。
オウンドメディアを通じた集客の仕組みづくり全体については、集客の仕組みをつくる方法もあわせてご覧ください。
よくある質問
Qオウンドメディアとブログの違いは何ですか?
厳密には、ブログはオウンドメディアの形式の一つです。ただし「ブログ」は個人の日記的な発信を指すことが多いのに対し、「オウンドメディア」はビジネス目的・ターゲット設定・コンセプトを持って運営する、戦略的なコンテンツの発信場所という意味合いで使われることが一般的です。
Qオウンドメディアはいつから効果が出ますか?
最初の成果が出るまでに3〜6か月、安定するまでに1〜2年が目安です。最初の半年で20〜30本の記事が積み上がると、Googleに専門サイトとして認識されやすくなります。最初の数か月はほぼアクセスが来ませんが、ここで止めてしまうケースが大半です。続けることが最大の差別化になります。
Q何を書けばいいか分かりません。ネタの見つけ方は?
お客様から「よく聞かれる質問」が最高のネタです。毎回説明しているような質問は、同じ悩みを持つ人が今もGoogleで検索しています。それをそのまま記事にするだけで、ターゲットにとって価値のあるコンテンツになります。難しく考えず、「昨日お客様に聞かれたこと」を書いてみてください。
Qオウンドメディアはホームページと別に作った方がいいですか?
別ドメインではなく、既存のホームページと同じドメイン配下(例:example.com/blog/)に設置することをおすすめします。既存サイトのドメイン評価を活かしながら記事を積み上げられるため、SEO上の効果が早く出やすいです。別ドメインで立ち上げると、ドメインの信頼性がゼロから始まります。
まとめのあとに、もう一歩
コンテンツマーケティングの全体像と「AI時代にこそ有効な理由」はコンテンツマーケティングとは?もう古い?で、集客の仕組みを根本から整えたい方は集客の仕組みをつくる方法もどうぞ。
オウンドメディアの立ち上げ、いっしょに進めませんか?
「何から手をつければいいか分からない」「続けられるか不安」「自社に合ったテーマ設定を相談したい」という方は、SONIDOの無料相談をご利用ください。御社のビジネスとターゲットをお聞きして、今日から動けるオウンドメディアの方向性をいっしょに整理します。