忙しすぎて涙が出る!そんな工務店の営業方法を紹介します
小さな工務店さんは、モデルハウスを持っておられないことが多いです。
そのため大手住宅メーカーのように、イベントや説明会を行うことで営業するのは難しい。それが現実だと思います。
また、最近では「飛び込み営業」を行っても、玄関を開けてもらう以前に、インターフォンで一言話をすることも難しいため、これまでの営業方法だけではお客様を獲得することが厳しくなってきています。
そこで今回は営業方法に悩んでおられる工務店さんへ、忙しすぎて休みもなくなる、そんな方法を紹介していきます。
1: 仕事が無くて困った話
どうして工務店でも住宅販売業でも不動産業でもない「SONIDO」が、工務店さんの営業方法についてお話しようと思ったのか、その理由をお話しします。
今年の3月末頃(新型コロナ直前です)に、関西の建設関係の社長様からSONIDOへ、次のようなご相談がありました。
去年の末頃までは、ホームページから仕事の問い合わせがあったんですけど、年明けから全くなくなりまして。ほんと、このままいくと仕事がゼロという状態になってしまいます。
このままじゃ、かなり厳しいんですけど、同じ地域の競合は忙しそうにしているんで、困ったなと。
そこでSONIDOとしては、従来の集客方法だけではなく、インターネットを使った集客方法を提案させてもらいました。
というのも、今のお客様候補の多くはインターネットで依頼したい会社を探しているから。見込み客が居るところで注目され選ばれる方法の導入を提案したということです。
そして、こちらの社長様も決断が早く「それ、やります!」ということで対応完了したのが5月初旬。
世間では、新型コロナの影響で仕事が激減していた時期なのですが、対応完了した後の2週間で、なんと30件以上の問い合わせがありました。
そして、順番に見積もりを出していくと、すぐに7件の契約。来年の閑散期にも仕事の予定が入る状態になったという成果が出たのです。
このような事例が起こったこと。そして、もう一つは、去年お手伝いさせて頂いた注文建築をメインにされているところも、新型コロナの影響を気にすることなく、月に1件ずつ契約が決まっていくという成果(人材が欲しい状態)もあり、SONIDOとしては営業方法で困っておられる工務店さんの参考になれば良いかなと思ったため今回お話させていただくことにしました。
2: 工務店の営業方法でやってはいけないこと
工務店さんの営業方法をご提案するとき、SONIDOで気をつけていることがあります。
それは、次のような3つの「やってはいけないこと」をウリに考えないことです。
- (1)安さ重視
- (2)どこでも引き受け
- (3)何でもやる
確かにお客様を集めやすく感じるかもしれません。誰でも安いことに注目しますし、どこの地域でも引き受けてくれるところは楽です。
さらに、言えば何でもやってくれるところなら、ダメもとでも便利です。
しかし、この3つはデメリットも一緒に抱えています。
安さ重視ということは、あなたにコミットしていないということでもあります。1円でも安いところを探しているだけなので、少しでも気に入らないとクレームになることもあります。だって、あなただから選んだということではないですから。
次の「どこでも引き受ける」や「何でもやる」は、便利だから選んでいるという側面があります。これも「あなただから」ではありません。
便利に言うことを聞いてくれるから選んでいるだけ。
このような仕事は取りやすいかもしれませんが、多くの場合
- 利益が低く
- クレームが多く
- 広がりがない
という、工務店さんにとっては長くおつきあいできないお客様候補になってしまいます。
工務店さんの仕事を安定化させるためには、新築だけではなく長くつきあうことでリフォームやリノベーションも含めて頼りにされたいはず。
でも、そういう広がりがないお客様候補だと、常に新規ばかりを獲得しなくてはいけませんので、いくらがんばっても経営が楽になることはありません。
3: 工務店の営業方法では視点を変えよう
では、工務店さんの営業方法に必要なことは何かというと、これまでの営業方法の視点を変える必要が出てきます。
これまでは、住宅を販売するとか、外壁塗装を売り込むという視点がメインだったと思います。
しかし、この視点では、今のお客様は振り向いてはくれません。これからの営業方法に必要な視点とは、あなたを選ぶことで「どんな快適な未来があるのか」を意識することが大切です。
もし「快適な未来」というのがイメージしづらいのなら、こんな風に考えてもらってもいいと思います。
「どうすればお客様が喜ぶのか」
要するに、工務店視点ではなく、お客様視点に変えないといけないのです。
先ほどご紹介しました二人のクライアント様も、お客様視点に変えたことで共感を呼び、
- お値引き
- 早期契約特典
- ご成約割引
などをしなくても、適正価格にてご契約いただけるようになっているのです。
確かに工務店さんとしては利益を出さなくてはいけません。そのためには「売り込む」ことも必要です。
でも、単に「これいいですよ!」だけの売り込みでは選んでもらえません。「あなたが言うなら選ぶ」という信頼関係が必要なんです。
人は信頼関係を作るとき、自分の利益だけを重視した話や自慢話ばかり聞かされても関係を築けません。
信頼に必要なのは、相手が喜ぶことです。
もし、あなたがこの考え方を理解しづらいのなら、あなたが大好きな人の誕生日にサプライズすることを考えてみてください。
これが相手視点を獲得する訓練になります。
4: 工務店がやっておくべき営業方法
最後に工務店さんがやっておくべき営業方法についてご紹介します。
下請けの仕事もOKなら、とにかく仕事の幅を広げるという方法があります。
お客様と直接契約するのではなく、元請けから仕事を獲得するのなら、便利な工務店の方が有利です。
当たり前ですが、仕事が丁寧でないといけません。
下請けでも、お客様と直接契約するのでも、丁寧に仕事ができないと口コミで「使えない工務店」と広まります。
不思議なことですが技術職というものは、いくらがんばって丁寧にやっても評価されないことがほとんどです。だから、一度くらいは少し手を抜こうと考え、いつもより少しだけ丁寧な仕事をしないと、そういうときに限って誰かが見ていて「手を抜いてる」と評価されてしまうもの。
がんばるしかないのですが、丁寧に仕事をしましょう。
お客様と直接契約を目指すなら、親しみやすい人柄を意識してください。
ヘコヘコする必要はありませんが、ムスッとしていてプラスになることはありません。
専門家として、誠実な対応をすること。そして職人でありながらも、同時にサービス業でありアドバイザーであることを忘れてはいけません。
事務所で待っていても仕事は来ません。だって、あなたのことを知らないのですから依頼しようがありません。
そこで待つよりも攻めることが大切です。
- ホームページ
- ブログ
- SNS
こういった情報発信ツールは、いくらでもあります。自分から情報発信することで、一人でも多くの人の目に止まるようになります。
そして今の営業方法で重要なのは、お客様が工事の依頼先を見つけるまでの流れです。
例えば、住宅を建築したいと考えたとき
- インターネットで自分の悩みや疑問の解決策を検索して探す
- 見つけたホームページやブログをいくつか見て比較
- 比較した中で信頼できそうに感じたところへ問い合わせをする
このような流れになります。この後になって初めて、直接お会いして相談を受けることになります。決して今話題の「ZOOM相談会」「オンライン相談会」を謳ったからと言って、その営業方法がいきなり成果を生み出すことはありません。
信頼獲得の後に「ZOOM相談会」「オンライン相談会」があります。ですから、まずは自分から知ってもらい、信頼を獲得するための行動を起こすようにしてください。
工務店さんの場合、お客様候補は地域に根付いていることが多いです。
そういった場合には、チラシ(アナログ)とホームページやブログ(デジタル)の両方をつなげるように活用しましょう。
例えば、折り込みチラシにホームページやブログへ誘導する「QRコード」をつけておけば、スマートフォンで簡単にデジタル情報を見てもらえます。
アナログは時代遅れで、デジタルが一番。そんな世の中の傾向もありますが、大切なのは自分がお客様にしたい人はどちらの媒体をよく見ているのかということです。
まだまだチラシをご覧になる方が多いのなら、アナログとデジタルをつなげましょう。
5: まとめ
工務店さんの営業方法で悩んでおられるのなら、今回お話しましたように「変化」を取り入れることが大切です。
特に最近の流れとしては、アナログから興味を持っても最終的には、ホームページやブログをご覧になった上で相談へ行動する方が増えています。
このような流れを従来の営業方法に取り入れることで、新しいお客様候補を獲得することができるでしょう。
ちょっとした視点と営業方法の変化によって、忙しすぎて休みがなくなることもあります。
最初にお話しました社長さんは、問い合わせが多いので毎日お客様のところへ伺って相談を受け、夜遅くまで見積もりを作り、工事の手配やスケジュールをする状態が続いているということです。
まさに「忙しすぎて涙が出る」そんな状態だと思います。
ですから、あなたも待っているだけではなく、変化を取り入れてください。きっと「久しぶりに休みほしいな」という現実がやってくるはずです。