建設業の悩み第一位とも言える令和時代の新規開拓方法とは?
これまでと同じ(昭和や平成と同じ)営業スタンスで新規開拓を行っておられる建設業の方は、令和になってからかなり苦労されていると聞くことが増えました。
- イベントで集めても売れない
- 昔は簡単に住宅が売れたのに
- チラシも全然反応がない
こういう経験をされている建設業や工務店の方は、今回の内容を最後までご覧ください。何かひとつは参考になると思います。
目次
1: 従来の新規開拓が通用しなくなった理由
通用しなくなったという「結果」があるということは、何らかの原因があります。
(1)従来型の問題点とは
昔は簡単に人が集まった。簡単に売れた。モデルルームを見に来てくれさえすれば売れた。
ここで大切なのは、従来型の問題点が見えにくいということです。というのも、今でも消費者の大半は、何らかの情報を得て、比較して決めているからです。
では、何が見えづらいのかというと、消費者の行動です。昔はインターネットが普及していませんでしたから、消費者が情報を得るためにはモデルルームへ足を運ぶとか、工務店さんに話しを聞きに行くとか、複数メーカーが集まっているイベントへ参加するとか、誰の目にもわかりやすい行動が伴っていました。
そのため、
- ○○な家族構成だったら売れそう
- ○○な年代の人だったら売りやすそう
- お子さんに楽しんでもらえれば信頼を勝ち取って話しを聞いてもらえそう
こんなことも具体的に考えることができました。
しかし!
令和時代はインターネットが普及しています。スマートフォンなんて一人一台の時代です。
70代、80代の人もスマートフォンをもっています。
ここで気をつけて感じてもらいたいのが、情報を得る方法が従来よりも格段に簡単になったことです。
どこに居てもスマートフォン一台あれば、住宅に関する情報が手に入ります。別にモデルルームへ足を運ばなくても問題ありません。工務店さんへ出向いて相談なんてしなくても大丈夫。
イベントをやっていれば、楽しそうな出し物だけ体験して帰れば、子どもも楽しいのでOK。
いかがでしょう。消費者が得る情報のルートが全く変わってしまっているのです。そのため、従来ですと検討の初期段階からお付き合いできていたため、比較的信頼を得やすかったのでご成約までの進みも早かったのですが、今では対面で相談するのは、消費者がかなり学んだ後からになりますので、簡単には成約まで進むことができません。
ヘタをすると、新人の営業担当よりも消費者の方が詳しいこともあり、そうなると信頼関係が構築できないため、今すぐ購入をほのめかしていたとしても成約まで話しを進められないまま終わってしまいます。
(2)集客効果が感じられなくなったこと
従来と同じようにチラシや新聞広告を出しても、新規の問い合わせが増えない。
これも先ほどの原因と同じです。インターネットとスマートフォンです。
そもそも論になりますが、これから新築住宅を購入しようと考えている世代の中で、新聞を取っている人はかなり少ないです。
チラシをポスティングしたとしても、余程自分の興味を惹く内容でなければゴミ箱行きです。
なぜなら、スマートフォンで検索すれば、必要な情報が出てくるからです。
昔の消費者は、情報が提供されるのを待っていました。今の消費者は自分で調べるようになっています。
(3)費用対効果が低いこと
令和の時代に訪問営業をしても費用対効果が低いです。
また、イベントを行っても費用対効果が低いです。
どちらも今の消費者の心に響きません。なぜなら、消費者は
- なぜ訪問営業しているのか
- なぜイベントしているのか
理由を知っているからです。
押し売りされそうなイベントへ足を運んで個人情報を記入したいでしょうか?
知らない訪問営業に自分の時間を使いたいでしょうか?
あなたが逆の立場なら、ウキウキとした気持ちで対応したいでしょうか?
逆の立場ならあなたの気が乗らないことなのに、消費者が喜ぶと考えている時点で時代から取り残されています。
2: 令和時代の新規開拓方法とは
令和時代の新規開拓方法をお話していきます。
(1)今の時代の新規開拓
視点を変えてください。
「売りたい自分」の目線ではなく、「買いたい消費者」の目線が必要です。
「どうすれば上手く売れるのか」ではありません。「どうすれば喜んで買ってもらえるのか」を考えるのです。
あくまでも「相手目線」が大事です。
(2)消費者が欲しいものは・・・
相手目線で考えたとき、今の消費者は住宅を購入するとき「家がほしい」と思っているのなら大きな間違いを犯しています。
「家がほしい」というのは結果です。私たちが知らないといけないのは結果の先にある未来像です。
このような視点で考えるなら、家がほしいのではなく「どのような生活ができるのか」が未来像になります。
家のスペックなんて資料を見ればわかります。他メーカーと比較しても大きな違いはありません。
決め手は、ここで住宅を購入した場合「どんな未来なのか」です。
(3)イメージできるかどうか
未来像を描くとき、消費者には具体的にイメージできるよう説明をする必要があります。
- ○○みたいな
- ○○かもしれません
- ○○だと思います
どれも便利な言葉ですが、具体的ではありません。これでは大きな買い物をする消費者は未来像を描いてイメージできません。
- ○○に没頭できる家です
- 家族が顔を合わす時間が増える家です
- 掃除の手間が掛からない家です
これくらい具体的に伝えましょう。そうしないとイメージできません。
イメージできないものに大金を差し出す人はいません。間違っても住宅という商品の魅力について語るだけというのはいけません。
(4)おすすめの新規開拓方法
今の時代におすすめの新規開拓方法をお話します。
[1]SNS運用
住宅というのはイメージできないといけません。イメージするためには写真や動画が一番です。
ということは、SNSを活用してモデルルームや見学会の模様を発信しましょう。
[2]ホームページ運用
SNSだけでは発信した内容が流れてしまいます。
そこで、いつでも見てもらえる場所としてホームページを運用しましょう。
「SNSで見つからなくなったけれど、ホームページへ行けばいつでも見つけられる。」
こういう状態を用意しておくことが大切です。
[3]ネット広告運用
地域を絞ってネット広告を出しましょう。
ネット広告からは、広告用のページ(ランディングページ)へ誘導することで、自分たちの魅力を伝えつつ、消費者に未来像をイメージしてもらえる説明や画像・動画を準備しておけば「お問い合わせ」「相談」へ進んでもらいやすくなります。
[4]代行という手段
- SNS運用
- ホームページ運用
- ネット広告運用
どれも自社では人材不足で出来ない。
そういう場合は「代行」という手段があります。専門の会社やフリーランスへ外注することで実現できます。
当然費用が必要になりますが、自社で人材を育成する、求人して募集する、ということと比較すると安上がりです。この部分に関して「もったいない」「外部の人間に1円でも払うか!」「タダで教えろ!」という考えをお持ちの場合、新規開拓の改善などは考えないことです。これまでと同じことを繰り返しましょう。
3: 必要なのは「相手視点」
建設業の方の新規開拓ですが、とにかく「相手視点」で考えてください。
- ○○だったら買うだろう
- 囲い込めば買うだろう
こういうの、全部NGです。だれが囲い込まれたいですか?「買うだろう」なんて失礼ではないですか?
あなたがイヤなことは消費者もイヤです。そんな雰囲気を感じるところで話しを聞きたいとは思いません。まして買いたいなんて思いません。
4: まとめ
建設業の方が難しいとおっしゃる新規開拓。
上手くいっていないところのほとんどは「自分視点」になっています。しかし、時代が変わった今では「相手視点」こそ大切なポイントです。
簡単ではありませんが、視点を変えて考えることから始めてください。