ChatGPTの登場によるコンテンツマーケティングの課題点
学校教育や政治の世界にまで影響を及ぼしているChatGPT。当然ですがビジネスの世界にも影響は出て来ます。
特にコンテンツマーケティングを主軸に行っているところは、無視できるレベルではありません。
以前、日本で問題となったDeNAの「WELQ」問題の再来となるのか。それとも、、、対話型AIが指数関数的に成長し、年末頃にはダンボールを抱えて退社する人が増えるのか。さらに、年末をもって閉店する会社や事業所が増えるのか。
または、全く違う方向へ進み、「やっぱり使えないよね」となるのか。法規制で「使えなくするのか」、どんなことになるのかわかりませんが、多かれ少なかれしばらくの間は翻弄されることは間違いありません。
ということで、翻弄されるのなら少しでも優位な視点で使っていければ良いなと思いますので、ChatGPTの登場によって生まれたコンテンツマーケティングの課題点をお話しようと思います。
目次
1: ChatGPTの登場で変わる「コンテンツ」の量産体制
ChatGPT(OpenAIという会社が作った)はユーザー登録さえすれば「すぐに誰でも無料で」使える対話型AIサービスです(有料もあります)。
基本的には、僕たちが質問を入力すると、AIが回答してくれるという流れです。これまでにも似たようなAIはありましたが、ChatGPTは回答スピードも早く、意外に的確な答えを返してくることが多いため話題になっています。
例えば、「○○の方法を教えてください」と質問すると、わかりやすくステップバイステップの形を使って箇条書きで教えてくれます(やってみてください)。
簡単なところですと「鉛筆の削り方」とか「パスタの湯がき方」などが試してみるのに良い質問だと思います。
で、やってみるとわかりますが、本当に上手に教えてくれます。ただし、回答をじっくり見るとコンテンツマーケティングを進めてきた人ならわかりますが
「わかりやすいコンテンツと同じフォーマットだよ!」
そうなんです。オリジナルコンテンツとして公開しても良いような回答になるのです。
ということはですね、「すぐに誰でも無料で」良いコンテンツが自動的に作れるということになりますね。
そうすると、「WELQ」事件のときのように、同じようなコンテンツがインターネット上で溢れかえるわけです(ただし今回はAIなので全く同じではなく、微妙に変化させてきます)。これはSEOコンテンツの飽和状態が訪れること間違いありません。
これまでなら、1コンテンツを数時間使って作っていたのが、1本数百円未満で大量生産することも夢ではありません。現在のクラウドワークスやランサーズの激安ライティングを蹴散らすような状態になる可能性だってあるのです。
2: 安くて早くてソコソコで良い人は大喜び
このような状態、「安くて、早くて、ソコソコの内容」で満足できる人にとっては朗報です。
しかし「ソコソコ」では満足できない人にとっては大きな問題です。というのも、こういうケースにおける「ソコソコ」とは
- 信頼性が低い
- ターゲットとの適合性が低い
- 自動生成のテキストでは信頼関係が築きにくい
このような側面が常にあるからです。
こういうことを気にしない人なら、ChatGPTが自動生成してくれるコンテンツはベストアンサーです。
反対に気にする人にとっては、ChatGPTの存在は大変苦々しい思いをする原因になります。
3: コンテンツマーケティングに押し寄せる課題点
役立つ情報を提供し、そこから信頼関係を築き、お客様になっていただく「コンテンツマーケティング」。ChatGPTが登場したことで、こんな課題点が出て来ました。
「AIの回答の正確性が保証できない」
AIは機械学習で回答する選択肢を増やしています。しかし、正しいかどうかは今のところ判断できません。そのため、回答を鵜呑みにすることはできません。
ただ、正確性など気にしない会社などが、対話型AIを使ってコンテンツを大量生産し公開するようになると、コンテンツマーケティングが成立しなくなる可能性が出て来ます。
インターネットを使って検索した人が「信じてくれない」状態になると、いくら良いコンテンツを公開しても見てもらえないからですね。
また、こんなケースも考えられます。
コンテンツを検索で探すのではなく、最初からChatGPTに回答を求める人が増える。
こうなると困りますよ。そもそも検索しないのですから、コンテンツへたどり着きません。コンテンツはChatGPTの学習情報として活用されるだけになる可能性だってあるわけです。みんなでChatGPTを育てているイメージです。
4: コンテンツマーケティングでChatGPTを上手に使うコツ
コンテンツマーケティングでChatGPTを上手に使うコツは、次の仕事をやってもらうことです。
- コンテンツ記事のアウトラインを生成
- コンテンツの要約案を提示
- マーケティング施策の構成案を生成
他には、アンケートの構成案なども生成できます。
ChatGPTは、現時点では「何らかのアウトライン」「要約情報」を生成してもらうのに向いているということです。
例えば、こんな質問をすると回答をくれます。
Q:40代に勧めたい肌美容についてSEO対策を行います。対象となるSEOキーワードとコンテンツについて提示してください。
実際にやってみてください。無料のChatGPTでも以下のような使える回答が返ってきます。
5: これからのコンテンツ作成ポイント
学習する情報が増えれば増えるほど精度が増すのがAI。そのため、イーロンマスクが言っていましたが、一旦、開発を停止させないと「脅威」レベルに成長する可能性もあります(と言っていたマスクが対話型AIの開発を宣言しました)。
こういったネガティブなことも念頭におきながら、これからのコンテンツ作成のポイントを考えますと、今のところAIには打ち破れない部分を強化するしかありません。
「実際の経験からくる情報」
ウルトロン級に成長すれば実経験もついてきますが、今ところは無理っぽいです。
これからのコンテンツ作成は「経験」に意味が出てくると考えています。そしてもう一歩進めて考えると、経験を持つ「誰が言っているのか」に人はフォーカスしてくるでしょう。
他人の実績を自分の実績のように言う「実績共有」だけの人と、1000回失敗した人が1度成功した方法を語るのでは、内容が似ていたとしても価値が全く違います。
これからのコンテンツ作成は「経験」を活かせる内容や方向性で進める必要があります。そしてもうひとつ。多くの経験をしている人が有利だということです。
家に閉じこもって、ネットを見て、知っている・わかっているつもりでは経験は積めません。自分のカラダを使って行動した経験を積み重ねましょう。
6: まとめ
対話型AIの登場で、大きな変化が訪れようとしています。この流れを大きく変えることはできません。インターネット普及前の時代へ戻ることもできません。
だったら、上手に「ツール」として使うのがベストです。ツールに使われてはいけません。振り回されてはいけません。使うのは僕たちです。あくまでもツールの一つとして使わなければいけません。
AIは人生相談の相手ではありません。一般的な回答はくれるでしょう。しかし、回答に及ぶ背景は理解できていません。
恐れる必要はありせんし、毛嫌いする必要もありません。車やドライバーと同じように、適したシーンで活用する。この考えを意識してほしいと思います。