チャットGPTでインターネット検索は変化するのか!?
ニュースでも名前を聞くことが増えた「チャットGPT」。対話型AIなのですが、リリース当初から注目を集めています。
今回はチャットGPTが今後も上手く成長したとすると、間違いなく影響してくる「インターネット検索」で考えられる変化についてお話していきます。
1: チャットGPTとは
「Chat GPT」と書いて「チャット・ジーピーティー」と読みます。
正体は対話型AIです。2019年から「OpenAI」という研究組織(イーロンマスクなども出資してました)が研究を進め、昨年末にリリースされた途端に登録者が急上昇。
その結果、チャットGPTの機能や性能よりも、登録者急増に注目したメディアが騒ぎ足したという経緯があります。
チャットGPTが、これまでの対話型AIよりもスゴイのは、英語以外の言語でも利用できるところです。世界約30ヶ国に対応しているということで、日本語で質問をすると日本語で返してくれるという、何ともすごい状態になっています。
また、リリースされたところなのに、これまでの対話型AIと比較すると「対話できている」ことが多い、返答もある程度は的を得ている、というように性能部分も高い状態で登場してきました。
チャットGPTは、今後も膨大な情報をインターネットから学習し、どんどんと語彙や表現を増やしてくることは間違いありません。
また、登録者が増えたことで対話も増えますので、適切な対話を生み出すための「パターン」「ケース」も増やせますので学習スピードが加速度的に向上するはずです。
「より自然な会話」
ここに近づいてくるでしょうし、相手の言葉に合わせた返答もしてくるでしょう。
2: チャットGPTで出来ること
チャットGPTは対話型AIなので、スタンスとしては「質問」されたことに「答える」ことを主目的にしています。
大きな枠組みでは現在のGoogle検索と同じです。何か質問をすると答えが出てくる。50年以上前なら「魔法の箱」です。
と、ここまでの機能だったとすると、「Googleで良いよね」ということになりますが、チャットGPTは単に質問に答えを出してくるだけではありません。
質問した文章の内容によって、自然な文章で回答をしてくれるのがポイントです。
例えば、こんなことが出来ます。
- テーマを与えて(質問)小説を書かせる(回答)
- テーマを与えて(質問)歌詞を書かせる(回答)
- 必要な機能を伝えて(質問)プログラムコードを書かせる(回答)
いかがでしょう。このように書くとおわかりだと思いますが、学生さんの小論文や小学生の宿題なども「回答」を出してくれる可能性が非常に高いということです。
ただ、日本語は複雑なのでもう少し先だと思いますが、英語圏では問題になっているようです。
自分も小学生の頃にチャットGPTがあれば「夏休みの読書感想文」を書いてもらいたいです。
3: チャットGPTが検索に与えると思える影響
今は調べたいことがあれば、Googleへキーワードを入力しますよね。すると、Googleが「これが良いんじゃないですか」というページを検索結果の一覧として並べてくれます。
その中から、自分が気になったところをクリックすると、ホームページやブログやSNSの投稿などへ飛んでいきまして、自分で内容を読んでいく(または動画を見る)という流れになります。
しかし、チャットGPTが本格的に利用されるようになると、そもそもキーワードを入力するというところから流れが変わってしまう可能性があります。
例えば自分の知りたいことを「話し言葉」で音声入力します。するとチャットGPTが、話し言葉で質問に対する答えを出してきます。さらに出てきた答えを音声で聞くようにすれば、文章なのか動画なのかも関係ありません。
では、こんな検索をした場合を考えてみましょう。
<従来のGoogle検索の場合>
「ホームページの集客方法について知りたい」
↓
「ホームページ」「集客」「方法」というキーワードをGoogleへ入力
↓
関連するページが検索結果に表示される
↓
表示された中から自分にとって意味がありそうなページを見ていく
↓
他のサイトの内容も見ていきながら、自分で情報を整理する
<チャットGPTの場合>
「ホームページの集客方法について知りたい」
↓
そのまま入力するか音声入力する
↓
チャットGPTが要約して文章で回答
どうですか?どちらが楽ですか?後者ですね。なので、おそらくほとんどの人は後者を使い始めるはずなんです。
ただしここで大切なポイントは、自分で情報をまとめているワケではないので、情報の真実性を見抜く力や情報整理力などは養えなくなる可能性が高いことです。
わからないことを簡単に知ることはできます。それも今流行の「要約」で知れますから簡単に「わかっているつもり」になれます。でも、本当にわかっているかどうかはかなり怪しい。
知らないよりも知っていることは大事です。でも、知っているよりもやっているかどうかが肝心です。
と言いつつ、チャットGPTが自分のホームページの改善点などを指摘してくれるようになる可能性もありますので、上手に使えるようになる必要はあります。
4: これから予測できること
チャットGPTは、今のところこんなことに使えると考えています。
「競合の分析(神奈川県のホームページ制作会社の競合は?)」
AIという仕組みから言えるのは「過去のデータを有利に使える作業」に向いていることです。ということは、自分が既に知っていることを、掘り下げて調査したいときや要約してほしいときです。
反対に未来のことに使うのは難しいですね。予想や予測ではなく確率で答えを出してくるので、自分では思いつかない視点を見つけるなら使えますが、何らかの答えが欲しい人には向いていないです。
日本の残念な経営者に多い「必ず成功する方法でないなら受け付けない人」には、絶対に上手に効果的に活用できないツールだと言えます。
また、チャットGPTが進化して使えるような存在になってきたときですが、質問のキーワードを見つける能力と共に「チャットGPTが理解しやすい質問力」を身につけないといけません。
「どういう情報を私は欲しいのか」
これからのデジタルや情報に関するリテラシーとしては、良い質問ができるように自分自身を鍛える必要がありますね。
5: まとめ
チャットGPTは多かれ少なかれインターネットの検索に影響を与えてくるはずです。
今後のGoogleの行動にもよりますが、チャットGPTによる回答に「情報の正確さ」「情報の信頼性」が低下していくようなことが起こると、「やっぱりGoogleか」となる可能性も否定できません。
このように考えるなら、Googleが昨年末に打ち出した「E-E-A-T」による評価基準の変更は、「オリジナリティが高く、経験のある情報=正確さと信頼性が高い」ということに繋がりますので、チャットGPTが苦手とする領域を見越した対応とも考えられます。
GoogleとOpenAIのどちらの力が強くなるにしても、今後も調べる人が欲しいのは、
「経験に基づく正確な情報=オリジナリティが高いコンテンツ」
であることには変わりません。
時代の流れを捉えることは大切ですが、普遍的なことを淡々と正しく情報を精査して積み重ねていくことが喜ばれることは変わりませんので大切ですね。