ホントに使える?もう古い?マーケティングファネルとは?
マーケティングを設計する際、忘れてはいけないのが「マーケティングファネル」。
今回は聞いたことはあるけれど自社での活用方法がわからない方や、マーケティングファネルってナニ?という方へご紹介します。
目次
1: マーケティングファネルとは
マーケティングファネルとは、消費者が認知し、興味を持ち、比較・検討し、購買行動を起こすまでの過程を段階的に表現した考え方の一つです。
マーケティングファネルという言葉で気をつけないといけないのが「ファネル」の部分です。ファネルとは日本語で「漏斗」という意味です。
そこで、漏斗をイメージしてもらいたいのですが、漏斗って逆三角形になっていますよね?そして逆三角形の広い部分から「認知」「興味」「比較・検討」「行動」という風に見てもらうと、かなりわかりやすくなると思います。
どうしてこういう考え方をするのかというと、消費者が購買や成約まで進むとき、一足飛びに「はい、購入します!」とはなっていないためです。
一般的な消費者の場合、困ったことが発生したところから、どうしようと悩み、解決策を探し始め、やっと「これかも?」という商品やサービスを発見します。この発見した段階が「認知」です。
当然ですが、認知段階へ入ってくる人は大勢います。というのも、人間の悩みはほとんど同じですから。
認知まで進んだ人の中の何人かは「とても困っている」ため、どうしても解決したい。そこで認知した商品やサービスと同じようなものが他社に無いのかを探し始めます。ここが「興味」の段階です。
興味を持って探し始めると、同じような商品やサービスの情報が手に入りますから、「比較検討」することになります。しかし、興味を持った人が全員、比較検討するとは限りません。興味を持った人の半分が比較検討してくれれば大成功。人は、そんなに自分の悩みを解決したいとは強く思っていないのです。
比較検討を行った半分以下の人の中から、また半分以下の人が実際に購買や成約へ向けた行動を起こします。
ここまで進んでくる人は、かなり困っている人です。何としても解決したい人です。
さて、ここで漏斗をもう一度イメージしてください。広い部分が「認知」でした。認知した人の中で「興味」へ進むのは、認知の半分くらい。そして「興味」から「比較検討」へ進む人は半分以下。さらに「比較検討」から「行動」を起こすのは、またまた半分以下。
漏斗を逆三角形として見た場合、行動まで進むのは広い部分から入って、狭い部分へ進むごく一部の選ばれた人ということになります。
この「選ばれた人」というのがポイントです。僕たちは確実にビジネスへ繋げたいため、漏斗のような逆三角形の入り口を用意し、段階を進むことで対象者を絞り込むのが理想なのです。
2: マーケティングファネルが重要と言われるワケ
マーケティングファネルが重要と言われるワケを見ておきます。
(1)なにが重要なのか
段階的に進んでもらう仕掛けを用意するため、自社の商品やサービスが思っているように売れない場合、どの段階が良くないのかを知ることができます。
例えば、認知段階で思っているような人数を獲得できていないのなら、広告やSEO対策など「集客」の最前線に問題が隠れているはずです。
認知と興味は上手くいっているけれど、どうも比較検討で他社に流れている。このような場合、比較検討されている内容を洗い出すことで、自社が選ばれない理由を知ることができます。こういうケースでは、料金の見せ方、特徴の表現の仕方、ベネフィットの欠落などが原因になっていることが多いです。
このようにファネルを使うことで、どの段階が問題なのかを知れますから、無闇に広告を増やすというようなバカな行動をしなくなります。問題が認知だったら広告を増やせばいいですが、比較検討が問題だった場合に広告を増やしても、何も解決しません。
(2)もう古いのか
マーケティングファネルは「もう古い」と言われることもあります。
確かに考え方の基礎は古いです。しかし、人間の消費における行動は、そんなに大きく変化していません。
誰もが無意識に「認知」「興味」「比較検討」「行動」の流れに沿って動いています。実際には、これら4つの段階の間(スキマ)に、SNSを使った段階やインターネットを活用した段階が含まれていると考えるのが良いと思います。
ということで、マーケティングファネルそのものは確かに古い考え方ですが、今はもう使えないくらい古いのかというと、そんなことはありません。これからも十分に使える基礎的な考え方です。
3: マーケティングファネル3つの種類
マーケティングファネルには3つの種類が登場しています。時代に合わせて変化しているということです。
(1)パーチェスファネル
「認知」→「興味」→「比較・検討」→「行動(購入)」
もっとも基礎的なファネルです。通信販売が全盛だった頃から、今でもテレビショッピングなどで変わらず使われている方法です。
認知から行動へ進む中で、対象となる人数は減っていきます。より絞り込んだ上でセールスをするという考え方です。
(2)インフルエンスファネル
SNSの拡大によって生まれたファネルです。
インフルエンスファネルとは、消費者が購入した後、どのように商品やサービスを広めてくれるのかを示しています。
「使用の継続」→「知人などへ紹介」→「情報発信(共有)」
今の時代なら、「口コミ」「ツイート」などです。インフルエンスファネルが機能すると、想像しているよりも広く早く、商品やサービスの売上が拡大します。
(3)ダブルファネル
パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせた、今の時代に合った考え方です。
「認知」→「興味」→「比較・検討」→「行動(購入)」→「使用の継続」→「知人などへ紹介」→「情報発信(共有)」
昔なら、一度購入した人の口コミだけで、急激に市場が拡大するなんて考えられませんでした。しかし、SNSが普及している現在では、たった1人が一度購入し情報を発信したことで、新たな見込み客が増加し生まれる「循環型モデル」を作ることができるようになっています。
特に、一度購入した人が「芸能人」「有名人」であった場合、本人がSNSへ「これ、よかったよ」と公開すると、その日のうちに注文が殺到することもあります。
4: マーケティングファネルを活用する方法
どのように活用すればいいのかお話します。
(1)カスタマージャーニー
パーチェスファネルを活用するためには、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
- タッチポイント
- 行動
- 思考や感情
- 施策
これらを段階ごとに洗い出していきます。
認知 | 興味 | 比較・検討 | 行動(購入) | |
タッチポイント | ||||
行動 | ||||
思考や感情 | ||||
施策 |
例えば、認知段階ではタッチポイントとして「インスタ」を活用。インスタで興味を持った人をホームページへ誘導。ホームページにて簡単に比較検討できるページを用意し、購入へと進んでもらう。消費者(この場合は見込み客)がどのような順序で行動しているのかをイメージすることが大切です。
(2)ゴールを「発信」へ
購入後、どのような体験をしているのかを広く知ってもらうために「インフルエンスファネル」を使っていきます。
購入された方へ体験をお聞きすることから始まります。対面でもいいですし、ツイッターなどを活用してもいいです。
継続的な満足度を高めることで、自然発生的に口コミが増えます。すると急速に市場が拡大します。
従来のマーケティングと同じようにゴールを「購買」へ置くのではなく、「体験の発信」へ置くように考えてください。このように考えてもらえると、ファネルを活用しやすくなります。
5: まとめ
マーケティングファネルは今でも使えます。でも、時代の流れに合わせるコトも必要です。
まずは「売る」という部分には「パーチェスファネル」をこれまで通り採用。そして、今の時代に合った方法として、「インフルエンスファネル」を用意。
セールスと体験が一対となることで、売上が拡大する時代へ進んでいます。