カスタマージャーニーをマップ化してコンテンツで集客する方法
コンテンツマーケティングでは、顧客(カスタマー)の行動を正しく理解し予測しておかないと、瞬間の欲求に対応し、適切なコンテンツを提供することができません。
特に現在はスマートフォンからホームページやブログへアクセスされることが多いため、カスタマーごとに適した「瞬間の欲求」を捉えるために、行動を理解しておく必要があります。
以前なら「ペルソナ」を設定するだけで解決できましたが、現在はアクセスの流入元が多いこと、興味や行動の多様化から大きく捉えた「ペルソナ」だけでは対応できません。
そこで、一人の顧客(カスタマー)がどのように流入し、時系列に従ってどのような行動をとっていくのかを把握する考え方と表現方法である
「カスタマージャーニー」
と
「カスタマージャーニーマップ」
について紹介します。
目次
1: カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、顧客が購買するまでの足取りを“旅”に見立て、時系列に沿って行動を把握する考え方です。
カスタマージャーニーはペルソナが設定されていれば、必要ないようにも思います。
しかしペルソナは「ターゲットを明確化」してはいますが、ターゲットの行動に対して適切なアプローチまでは想定していません。
例えば、ペルソナが「34歳女性、独身の会社員で年収500万円」だったとします。
このペルソナが「飲食店を探す」という行動に出た場合、考えられるのは
- 自分が行きたいお店を探す
- 友人と食事するためのお店を予約する
このような理由が考えられます。
どちらも同じ「飲食店を探す」ですが、理由や到達地点が違いますので、それまでの行動や欲求が違ってきます。
ということは、コンテンツマーケティングを行い、コンテンツを提供する場合には、行動と欲求によって違った内容が必要となります。
ペルソナの設定は大切ですが、そのペルソナがどのようなシーンで、どのような行動を行うのか。
そして、その行動ではどのようなコンテンツを欲しているのか。
ここを時系列に考え明確化するのが、カスタマージャーニーという考え方であり、コンテンツマーケティングに活かせるメリットなのです。
2: カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーという考え方は大変便利です。
しかし、ただ考え方としてあるだけでは、スタッフと共通認識を持つことが出来ません。
情報は共有されることで認識が一致し、目的や目標へ向かって全員が進むための地図であるべきです。
そこでカスタマージャーニーをマップ(図)にすることで、より考えを明確化し認識を共有することができます。
人は文章よりも図の方が理解しやすいですし、ひと目で理解できるほうが誤解や思い込みが少なくなります。
3: カスタマージャーニーマップの作り方
では、カスタマージャーニーマップの作り方を紹介します。
3.1: ペルソナ設定
カスタマージャーニーとはいえ、最初に必要なのはペルソナです。
これは変わりません。
「誰」を明確化することは、すべてのマーケティングに必須です。
たった1人のペルソナを作ってください。
3.2: 行動と仮説
ペルソナが
- どのように商品やサービスを認知し
- どのような行動を経て
- 購買に至り
- 購買後は、どのような行動をするのか
大きくわけると、次のようなペルソナの行動フェーズになります。
- 無関心
- 認知
- 興味・関心
- 比較・検討
- 行動(購入または離脱など)
各行動フェーズに従って、ペルソナがとる行動を洗い出します。
3.3: 検証
仮説によってペルソナの行動フェーズが整理されたら、次には市場へ聞いてみて検証します。
仮説の内容が正しいのか、外しているのか、あなたの顧客へ直接聞いてみてください。
アンケートを勧めるところもありますが、アンケートで正直な答えが出てくることは希です。
あなたのビジネスですから、直接会って意見が聞けないのなら、電話で直接聞いてみるようにしましょう。
ここで失敗すると、後のことがすべて無意味になってしまいます。
3.4: メディアと消費行動
ここから具体的なカスタマージャーニーマップの雛形を作っていきます。
まずは、横軸に先ほどあげた「ペルソナの行動フェーズ」を並べます。
- 無関心
- 認知
- 興味・関心
- 比較・検討
- 行動(購入または離脱など)
縦軸には
- タッチポイント
- 行動
- 思考
を並べます。
横軸の各行動フェーズで、ペルソナがどのようなメディアやサービスに「タッチ(接触)」するのかを記入しましょう。
新聞かもしれませんし、Googleかもしれません。
Facebookかもしれませんし、口コミサイトかもしれません。
次に横軸の各行動フェーズで、ペルソナがどのような「行動」をするのかを記入しましょう。
スマホで検索するのかもしれません。
SNSでシェアされた情報を探すかもしれません。
口コミサイトの評判を探すかもしれません。
そして、最後はキャンペーンサイトで申し込み購入する。
このように「行動」を記入しましょう。
最後に「思考」ですね。
横軸の各行動フェーズで、ペルソナがどのような「思考」でいるのかを記入します。
- やりたいことがわからない
- 他人からの目が気になる
- ネットだけじゃわからない
- 他社と比較中
などなど。
また「思考」には「感情」も繋がってきていますから
- 漠然と不安を感じている
- 悩んでいる
- 解決策を探している
- 比較することで悩んでいる
- 決める
など、行動フェーズで様々なことを頭の中で考え思考し、その結果、感情を表していることを記入します。
3.5: マップを作る
今はまだ長い文章や箇条書きで記入されていることでしょう。
それぞれの内容を図に置き換えておきます。
また矢印を使って、行動の流れを表現するとより理解しやすくなります。
どうしても図では表現できないことには、短い一言コメントとして箇条書きを簡潔に書いておきます。
カスタマージャーニーマップは一度で完成はできないと思います。
何度か書き換えながら、より具体的で検証できた情報を精査し、1枚の紙に全ての情報を集めてください。
2度、3度と書き換えるつもりで行いましょう。
その結果、共有認識を持ちやすい、そしてカスタマーへ最適なポイントで接触できるオリジナルの「旅」を示した地図が出来上がります。
4: カスタマージャーニーの主役に注意
カスタマージャーニーを考える上で注意することは、
「主役は誰なのか」
ということです。
- わかっている
- 知っている
- 何度も会っているので大丈夫
このように僕たちは顧客について考えてしまいがちです。
しかし、顧客のことは顧客にしかわかりません。
それこそ時間の流れや価値観の変化から、数ヶ月前とは変化している可能性もあります。
ですから、僕たちがもっとも気をつけるところは
「常に主役は顧客(カスタマー)である」
ということですし
「僕たちは顧客のことは何もわかっていない」
という真実を受け入れることではないでしょうか。
役立つ「カスタマージャーニー」ですが、主役を間違えていては意味がありません。
ここを忘れずに「カスタマージャーニー」を考え「マップ」にし、あなたのビジネスに活用してください。
5: まとめ
カスタマージャーニーはコンテンツを作るときの目的やアプローチするタイミングが理解しやすくなるものです。
特に複数人の担当者が関わる場合には、目的やアプローチのブレが減り、より力を発揮します。
誰がどの作業をするのかということもわかりますし、顧客が予測と違う行動をしていないかを計測する「基準」にもなります。
ぜひあなたのビジネスに取り入れてもらい、情報を整理し、より効率的に効果のある消費者行動に沿ったコンテンツを提供してください。
そして最後に。
何度も言いますが「主役は誰なのか」を忘れないようにしてくださいね。