住宅業界の集客に必要な次世代マーケティングとは
住宅業界の集客に必要な方法は、顧客行動の変化によって大きな変革を求められています。
従来と同じような集客方法をこれからも継続したとしても近い将来、競合の中でも「次世代マーケティング」を取り入れたところに負けてしまうことが予想できます。
どうしてこのようなことを言えるのかというと、住宅業界よりも一歩先に
- 整骨院や整体院
- 歯科業界
- ホームページ制作会社
これらの業界で変化が起こってしまったから。SONIDOとしては、この変化への対応を5年前から徐々に行っていたため、「待ってました!」という流れになりましたが、そうでないところは大変な痛手を被っていると思います。
このような経験から、今回は住宅業界の中でも経営に関心の高いあなたへ、次世代マーケティングについてお話していきたいと思います。
1: 住宅業界の顧客行動の変化
住宅業界の顧客行動には変化が起こっています。あなたは気づかれているでしょうか?
(1)住宅展示場
週末に開催されることが多い「イベント」です。昔なら住宅展示場をオープンし、週末へ向けて新聞チラシを入れるだけで、多くのご家族や子供連れの方々が来場いてくださいました。
そして来場された方から
- お名前
- 住所
- 電話番号
- 家族構成
など、個人情報をいただくことで、後追い営業で住宅販売まで進めることもあったと思います。
しかし最近はどうでしょう。そもそも住宅展示場へやってくる家族連れが減ってきていませんか?
どうにか来場くださるご家族も、積極的に住宅を購入するために来ているのではなく「レジャー」のひとつとして来場されていないでしょうか?
現場で営業とのやりとりもそこそこに、自分たちの知りたいことだけ質問され、後は家に帰ってからネットで検索。
こんな流れになってきています。
(2)新聞のチラシ
ポスティングもありますが、どうにかして住宅に興味をもってもらうため、チラシを配ることもあると思います。
従来なら自宅に入ったチラシをじっくりと見て、自分に合っていると感じたら「見てみようか」と行動を起こしてくださいました。
しかし、先ほどの「住宅展示場」でもお話しましたように、展示場へ来てもらうための「お手紙」としてチラシがあるだけで、そこから契約まで進めることは大変難しくなっています。
(3)ポータルサイト
インターネットにあるポータルサイトへ登録されているところも多いと思います。
ただ、ポータルサイトから契約まで進んだ方は多くないはずです。
ポータルサイトを見ている人は、情報収集の一環として見ていることが多く、「ここに工務店があるんだな」と知ってはもらえますが、「ここが良い」と選んでもらえることはほとんどありません。
(4)インターネットの有料広告
すでに利用されているところもあるでしょう。
しかし、どれくらいの利益が生み出されているでしょうか?広告費に見合う利益が出ているでしょうか?
最近では、インターネット広告を使う競合が激増しています。反面、消費者はインターネット広告に興味を持ちにくくなっています。
ということは、広告費用は右肩上がり、広告の反応は右肩下がり。
経営という視点で考えると、今後も継続するのは得策ではないことがわかります。
2: 住宅業界が持っているマーケティングの課題
このような状況になりつつある住宅業界ですが、そもそも上手くいかないマーケティング上の課題を見過ごされているケースが多いものです。
例えば、
- 中小であれば大手と比べて差別化出来ていない。
- 設備に関しては、どこでも同じものを仕入れられるので違いが出せない。
- 予算や人材の不足によって、オリジナル商品を生み出すことは難しい。
また、注文住宅の場合ですと施工技術だけではなく
- デザイン
- 柔軟な対応
- 保証
こういった部分も求められるため、単にお金を使って宣伝するだけでは、契約まで進んでもらえないことが出てきています。
さらに、地域に競合も増えてきていることでしょう。全国でフランチャイズ展開している競合も登場しています。
住宅業界という大きなくくりで見るなら、
- 大手家電販売店
- ホームセンター
こういった知名度の高いところも、競合になりつつあります。
こういった課題がどんどんと増えつつある住宅業界ですが、今後はどのようなマーケティングを行うことで、厳しい課題を解決の方法へと進めるのでしょうか。
3: これからのマーケティングとは
これからのマーケティングには、次からのポイントが重要になってきます。ぜひ、お話しするポイントをあなたの会社のマーケティングに組み入れていただき、住宅業界が持っている課題を解決していただきたいと考えています。
(1)差別化
これからのマーケティングには、明確な差別化が重要です。差別化という言葉がわかりづらい場合は「らしさ」を見つけることと置き換えてもらっても問題ありません。
あなたの会社だから出来ること。強みや技術、価値観や自分たちが考える
理想の暮らしのスタイルなどを発信することで、差別化することができます。
(2)ネットを上手に活用
これからのマーケティングには、インターネットの活用が不可欠です。
特にコロナ禍によって「オンライン会議」が浸透したことで、初めての方とのやりとりは「オンライン」を活用する必要も出てきます。
また、今回のコロナによって多くの消費者が、インターネットで自分の悩みや不安、知りたいことを探す習慣を身につけました。
この行動をマーケティングへ生かすことで、これまでとは違い、あなたの価値観や理念に共感した「あなただから依頼したい」と考える人を集めることもできます。
(3)集客チャネルを持とう
ポータルサイト、チラシ、展示場だけではなく、インターネット上にも集客チャネルを持ちましょう。
具体的には、検索結果の上位にあなたのホームページや役立つ情報を表示するように対策する(これをSEO対策と言います)ことで、ホームページへの訪問者を増やします。
訪問した人と、役立つ情報を使ってコミュニケーションを取り、最終的には「相談」「問い合わせ」へと誘導していきます。
(4)すぐに集客したい場合
SEO対策による集客には、半年から1年の時間が必要になることは多いです。そのため、集客を行いすぐに成果を感じたい方は、インターネットで広告を出す必要が出てきます。
例えば
- リスティング広告
- SNS広告
- Yahoo!広告
地域と悩みを見つけることで、ターゲットを絞った広告を出すことができます。広告はターゲットを絞ることで成約率を上げることもできます。
(5)地域ビジネスならやっておこう
Googleマイビジネスというものがあります。
無料で登録できるものですから、検索されたときの対策としても登録してきたい機能です。
(6)カスタマージャーニーマップを作ってみよう
カスタマージャーニーマップとは、ターゲットの行動を地図のように描いたものです。
- どういう悩みで検索するのか
- 検索から得た情報から、どのような行動をするのか
- 行動から次に起こすアクションは何か
- このタイミングで何が欲しいと感じているか
- コミュニケーションを続けたいと感じているか
- 問い合わせへ誘導されたいと感じているか
こういった内容を地図として表現することで、適切なタイミングを逃すことなく、必要な情報を提供したり、コミュニケーションを取ったりし「信頼」を築くことができます。
(7)信頼
次世代マーケティングの根幹となるのが「信頼」です。これからの消費者は信頼していないところに依頼することはありません。
簡単にスマートフォンで口コミを見つけることもできますから、あなたが「うちの会社は良い仕事をします!」と言ったとしても、相手はすぐに信じません。
何度もコミュニケーションを取り、役立つ情報を理解し、本当にこの会社(この人)は信頼できるのかどうかを判断していきます。
この部分が、従来のマーケティングと大きく変化した部分です。口の上手い営業マンだけでは仕事は取れない理由がここにあります。
簡単に情報が手に入る時代です。当然ですがウソの情報も混ざっています。ですから、あなたがこれから行うことは真実の情報、役立つ情報を丁寧に公開しつづけ、あなたとコミュニケーションを取った人から信頼を勝ち取るマーケティングをデザインすることなのです。
4: まとめ
住宅業界の顧客行動は変化しました。従来以上に「信頼」というキーワードが大きな力を持っています。
これから、もっと情報が溢れていきます。そんな時代には「真実」「信頼」が大きな意味を持っています。
口だけのセールスではなく、小手先のセールステクニックでもなく、顧客の視点に立ち、悩みや不安を解決するアドバイザーとして接することを優先していきましょう。
この考え方でマーケティングをデザインされると、きっとあなたの会社にも新しい顧客が流れ込んでくるはずです。