なぜリピートされない?顧客離れの原因と対策方法
「顧客離れに気づいたときは、すでに手遅れ」
賢い経営者なら十分に理解されていることです。なぜなら、顧客離れは売上低下に直接影響をもたらすから。
そして、売上が低下すると商品やサービスの「質」の低下を招き、どんどん良くない方向へと進むから。
顧客離れに気づかず、もしくは気づいているけれど放っていては、取り返しがつかない経営状況になってしまいます。
今回は、新規顧客は獲得できてもリピートされない。または、最近になって顧客離れが起こっている気がする。こんな方へ原因と対策方法をお話します。
目次
1: 顧客離れを起こす原因とは
どうして2回目の購入が発生しないのか。どうして過去のリピート客が減っているのか。
まずは原因を見つけなければいけません。結果には必ず原因があります。いくらリピート向けの施策を打ち出したとしても、あなたのところの原因にマッチしていなければ全くと言っても良いくらい成果は出ません。
1.1:覚えていない
顧客離れが起こる原因の1位は「覚えていない」ことです。
自分たちが考えているほど、お客様はこちらのことを覚えてはいません。世の中には同じような商品やサービスを提供している競合他社があります。そのため、特定の会社やお店をしっかり覚えているなんて不可能。
例えば、あなたが楽天で買い物をしたとします。楽天の場合、ショップではなく商品と価格で選ぶことが多いはず。ということは、実際に購入したとしても、購入したショップの名前を記憶していることはほとんどありません。
同じことが、あなたの会社やお店でも起こっているのです。
1.2:飽きた
提供するサービスや商品には賞味期限のようなものがあります。
同じサービスや商品を5年、10年と提供していては、いくら懇意にしているお客様でも「他のものを試してみたい」と考えます。要するに「飽きる」のです。
これは消費する商品でも同じです。例えば洗濯洗剤。同じものを何十年も継続して販売すると飽きられるので、名称を少し変えたりパッケージを変えたりして「新しいもの」のようにしています。
1.3:優先順位が下がった
最近まではあなたのサービスや商品を選んで使うことが、お客様の人生にとって優先順位が一番だったとしても、今も同じとは限りません。
最近になって新しく興味をもったことが優先順位の一番になったのなら、おのずとあなたが提供するサービスや商品への優先順位は下がっていきます。
特に「お金」が関係するサービスや商品であれば、優先順位の高いものから順に使っていきたいのが人の性です。
必然的に、あなたのところから離れていくことになります。
1.4:求めている期待に合わない
顧客離れでもっとも困った原因です。
お客様が求めている期待に合わないサービスや商品を提供していると、あたりまえですが顧客離れが発生します。
お客様は大切なお金をあなたに払っています。これは、お客様がお金という対価を払うことで、自分にとってメリットが感じられると期待しているからです。
しかし、その期待が満たせないとわかると、誰でも離れていきます。
あなたも同じではないでしょうか?
例えば、誰かと一緒に仕事をしたとします。相手は自分の利益だけを考え、言葉巧みにあなたを動かすことで楽をして稼ごうとしています。あなたは直感的に相手の考えを察知しました。
さて、あなたは一緒に仕事を続けるでしょうか?間違いなく離れていくはずです。
1.5:他社へ乗り替え
携帯電話で良くあるケースです。
同じようなサービスや商品を提供している競合の方が、お客様にとって相性が良い。または得が多いと感じられると乗り換えが発生します。
1.6:人との関係性
お客様はサービスや商品を購入するためだけに会社やお店を選んでいるのではありません。
どのような接客をされるのかも気にされています。
もし、お客様が「大事にされている」と感じられたのなら、顧客離れが起こりにくくなります。反対に「大事されていない」と感じることが多いのなら、他社への乗り替えなどを検討されますので顧客離れが加速します。
これは対面での接客でも、ネット通販での接客でも同じです。
2: 原因から考える対策方法
さて、原因がわかったところで、それぞれの対策方法を見ていきます。
2.1:覚えていない
忘れられないように、継続した関係性構築を行う必要があります。
一定期間ごとに自分の存在を思い出してもらう行動をします。
2.2:飽きた
新商品や新サービスを定期的に導入していきます。
または、コンサル業のような情報提供型の場合は、お客様が「なるほど」と感じられる新しい提案を提供していきます。
どちらにしても「飽きられない」ためには、新しいことの提供が必要です。
2.3:優先順位が下がった
これはどうしようもありません。
お客様の財布はひとつですから、お客様の優先順位が戻ってくることを願うばかりです。
2.4:求めている期待に合わない
すぐに改善を進めましょう。
サービスや商品の質を向上させる必要があります。顧客の声をしっかりと聞き、求められていることを理解し、サービスや商品の改善点に取り入れてください。
2.5:他社へ乗り替え
他社に感じているメリットは何かを見つけ、同じメリットが自社でも提供できないか検討してください。
自社でも提供できるのなら、すぐに導入する必要があります。自社では提供できないことなら、別のメリットを見つけて強く打ち出していくことが必要です。
2.6:人との関係性
お客様とはどういう存在なのか。
お客様は何を求めているのか。
お客様目線で考え直してください。
もっとも簡単にお客様目線になれるのは、自分でお金を使って買い物をすることです。
百貨店や有名ショップへ足を運んで買い物をしてみてください。楽しくなる接客もあれば、二度と行きたくないと感じる接客もあります。
ネット通販でも同じです。安心して買い物ができて、到着までイライラせずに済むところもあれば、注文しても音沙汰なしで、いきなり商品が届くようなところもあります。
どちらも自分で経験してみることが大切です。人は自分で経験したことしか実感として理解できません。
3: デジタル活用ならこんな方法
デジタル活用で顧客離れを軽減できる方法があります。
(1)メールマガジン
忘れられないために定期的にアピールするのに向いているのがメールマガジンです。
一ヶ月に3~5回でかまいません。
(2)コンテンツマーケティング
継続してお客様に役立つ情報を公開することで、忘れられることが減ります。また、新しいサービスや商品の発表もできますので、飽きられることも減ります。
(3)SNS運用
写真で見てもらえるサービスや商品なら、SNSを活用して定期的にアップしていきましょう。
これだけでも忘れられることが減ります。また、お客様からの反応が直にわかりますので、今後のサービスや商品展開にも活かせます。
4: まとめ
顧客離れは放っておくと深刻な問題になります。少しでも気になったら、早急に原因を見つけ対策するようにしてください。
そして顧客離れの対策を考えると、自社のサービスや商品のあり方を考えるキッカケになります。また、お客様との関わり方を見直すキッカケにもなります。