差別化戦略で儲けを増やせ!成功事例と使い方
差別化できると儲けが増える。マーケティングを学んでいると、必ず耳にする内容です。
そこで差別化を考えるのですが、、、なかなか「選ばれる」ような差別化ができなくて、惨敗した企業様もいらっしゃると思います。
今回は差別化戦略の成功事例や使い方についてお話していきます。
目次
1: 差別化は3つの戦略の中の一つ
差別化は3つの戦略の中の一つです。この3つの戦略の違いを理解した上で、差別化戦略を進めないと、何のための差別化なのかわからなくなってしまいます。
(1)コストリーダーシップ戦略
低価格の商品やサービスを提供し、とにかく「薄利多売」で多くのユーザーへ販売し、自分たちの支持者を増やす戦略です。
この方法は資金が豊富にあり、消耗される商品やサービスを提供しているところへ有利に働きます。
例えば「ダイソー」です。業界の中で一気に主導権を握るまでに成長していることは、みなさんもご存じの通りです。
(2)集中戦略
特定の地域、特定のターゲットに絞って商品やサービスを提供する戦略です。
コストリーダーシップ戦略のように、幅広いユーザーの獲得は目指していません。独自の優位性が発揮できる部分だけに集中しています。
(3)差別化戦略
今回のテーマである「差別化戦略」は、「他のところが持っていない魅力で、業界内で独自の地位を獲得する」戦略です。
いかがでしょう。先の2つと比較するとわかりますが、差別化戦略というのは言葉で言うほど簡単ではありません。
だって「他のところが持っていない魅力」がないといけないのですから。コストリーダーシップ戦略のように資金で勝負できません。集中戦略のように一点突破を狙ってリソースを集中するのでもありません。「魅力」というかなり曖昧なものを味方に付けないといけません。
2: 差別化とは何なのか
差別化戦略での「差別化」とは、結局のところ「魅力」なのです。それも他者(この場合は消費者や企業)から見ての「魅力」です。
いくら自分たちが「これが自分の魅力だ!」と強く発言しても、他者が認めていなければ不一致が発生します。
では、どういった企業が差別化戦略を用いているのか。
答えは簡単。「高級ブランド」です。
同じようなバッグ。同じようなシューズ。同じような車。
なのに、「○○だったら高くても買う」という心理。
差別化とは、値段に関係なく「魅力」によって購買意欲をかき立てる仕組みなのです。
あなたの会社やビジネスが差別化を望んでいるのなら、このような「魅力」があるでしょうか?
そして知っておいて欲しいのですが、こうした魅力は昨日今日で完成できるものでもなければ、口だけで伝わるものでもありません。
「さぁ、何か差別化のポイントを作ろう」と言っても、1年や2年で作れないのが真実です。
3: 差別化するメリットとデメリット
差別化をする上で知っておきたいのがメリットとデメリットです。
(1)メリット
まずはメリットから見ていきます。
[1]価格競争からの脱却
先ほども申し上げましたが、差別化するということは、他にはない魅力で勝負することですから価格の問題がクリアされます。
というのも、モノやサービスに値段に見合った価値を求めているのではなく、魅力という曖昧な部分に価値を求めているため、100万円と言えば100万円になってしまいます。
また、10円と言えば10円にもなります。
[2]利益率向上
価格競争から脱却することで、利益率が向上します。当たり前ですね。
同じような商品やサービスを販売した場合、魅力によって他社の商品やサービスより100万円高くても売れるのですから。
例えばアップルのiPhoneなんて「魅力」が価格の大半を占めていますよね。
[3]強みの明確化
差別化できると、今まで以上に自分たちの強みを明確化できます。すると市場は、さらに自分たちのことを認めてくれるようになります。
まさにアップルです。別にアップルがスマートフォンを最初に考えて作ったわけではありませんが、世の中の大半の人はアップルのiPhoneからスマートフォンが始まったように錯覚しています。ブラックベリーの方がスマートフォンとしては早かったのですが。
[4]新規参入の抑制
差別化し市場が認めると、同じ市場への新規参入が難しくなります。
普通に考えると、わざわざ市場で力を持っているところがあるのに、同じ土俵へ後から参入したいなんて考えませんからね。
ライバル不在でビジネスできますから、笑いが止まらない状態でしょう。
(2)デメリット
メリットがあれば、必ずデメリットもあります。これは間違いありません。
[1]反発
差別化することで、これまでのファンの中に反発を感じる人が「絶対」に出て来ます。
- アップルきらい
- ソニーきらい
当初のコンセプトから離れることで差別化が成立した場合、このような問題が起こります。でも、これは仕方のないことです。
合わないファンからの反発は、裏を返すと差別化が成功している証でもあります。
[2]顧客の流出
反発した中には、離脱していく顧客も出て来ます。これも仕方ありません。
差別化後のコンセプトや提供形態などが合わないのなら離脱は必然です。このデメリットを気にされる方は、差別化なんて考えてはいけません。
誰からも嫌われない方法はありません。寄ってくる人もいれば離れていく人もいて当然。
万人から好かれるという幻想は断ち切りましょう。そうすると、顧客の流出はデメリットでなくなります。
[3]労力
差別化を成功させるためには、かなりの労力が必要になってきます。
想像してもらいたいのですが、
- ルイ・ヴィトンは創業何年でしょう
- コーチは創業したとき何を作っていたでしょう
- ジェフ・ペゾスはアマゾンを立ち上げたとき、1日何時間働いていたでしょう
- アップルは何度の挫折を味わっているでしょう
世の中で差別化できているところは、私たちが想像できないような労力を注ぎ込んだ結果として、今のポジションを得ています。
差別化を考えるとき、これらの働き方を「労力」と捉えるならデメリットになります。しかし、自分が楽しいからやっているのなら労力というデメリットにはなりません。
結局は、自分が仕事を楽しめているのか、仕事にイヤイヤ働かされているのかの違いです。
4: 差別化の見つけ方
どうしても差別化したいという方は、次の3つの視点で考えてみてください。
(1)市場
自社を取り巻く環境。業界の市場性。競合の動向。市場を分析しましょう。
どんな環境で自分たちはビジネスを行っているのかがわからないと、何も決めることができません。
(2)ターゲット
販売したいターゲットを絞り込むことが必要です。差別化の場合は特に重要です。
嫌われたらどうしよう。というのは気にしないでください。
(3)ポジション
自社が他者と違う部分。「魅力」になる部分を明確にし、かつ、確立する努力が必要です。
ここで重要なのは「魅力」です。できること・できないことではありません。魅力的に映る部分です。
「手にするだけでうれしくなる」
こういう視点で考えてみてください。
5: 差別化戦略の使い方
中小零細企業、個人事業主の方が差別化戦略を行う場合、どのように使っていけば良いのでしょうか?
大手企業のように広告予算が豊富にあるわけではありませんね。
そこでおすすめなのが「WEB」を使った「ポジショニングメディア」という方法です。
ポジショニングメディアとは、特定のターゲット層へ向けた「○○専門WEBメディア」です。
発信する方法は
- ホームページ
- ブログ
- SNS
なんでも構いません。
この方法がもっとも安価でスピーディーにスタートでき、絞り込んだターゲットへ届けやすい仕組みです。
6: 差別化戦略の成功事例
差別化戦略で成功している企業というと
- スターバックス
- ソニー
- マクドナルド
- ワークマン
- アップル
- キーエンス
誰もがイメージできると思います。
まずは、これらの企業サイトをじっくり見てほしいと思います。「知っている」だけではいけません。実際に見てください。見ているだけで「何か買ってみたい」と思うはずです。これが「魅力=差別化」です。
そして、このように感じられる気持ちを高めた上で実際に購入してください。楽しい気持ちになった状態で、自社の魅力を見つけて貰いたいのです。
あなたらしい魅力こそ、最強の差別化ポイントです。まずは気持ちを柔軟にし、明るい気持ちで向き合ってください。頭を悩ました状態では「魅力」なんて見つかりませんから。
7: まとめ
差別化を考えるなら魅力を見つけ、高めることが大切です。
人と違うこと=差別化、というように定義されやすいですが、本当のところ必要なのは「魅力」です。
だって、スタバしかコーヒーを売っていないわけではありませんよね?ブルーボトルも売っています。タリーズだって売っています。駅の自動販売機でも売っていますし、コンビニでも売っています。でも、スタバで買う人が多いですよね?なぜでしょうね?
差別化のポイントは何度も言いますが、他者から見た「魅力」です。