信頼残高とはビジネスが上手くいく法則です!
ビジネスに関して学んでおられる方なら「信頼残高」という言葉をお聞きになったことがあると思います。
この言葉は『7つの習慣』の著者である「スティーブン・コヴィー」が書籍の中で使っている言葉です。
そのため言葉だけ知っているという人もいらっしゃることでしょう。また、ビジネスを進める上で重要なことと認識されている人もいらっしゃるはず。
しかし、実際に信頼残高を意識すると「どうすれば貯まるのか」わからないという方もいらっしゃいますし、貯まっているつもりだったのに全く役に立たなかったという経験をされる方もいらっしゃいます。
そこで今回は「信頼残高」とは。そして、ビジネスの成功に関係してくる「信頼残高の増やし方」についてお話していきます。
1: 信頼残高とは
信頼残高という言葉から受け取るイメージは、みなさん何となくあると思います。まずは、そのイメージを確かなものにしていきましょう。
(1)銀行の残高をイメージしよう
信頼残高をイメージするときですが、具体的なイメージを作りやすいのが銀行口座の残高です。
あなたの銀行口座を見てください。パソコンからでも構いませんし、通帳を開いてもらっても構いません。
右端の列に残高がありますよね?銀行口座の場合、この列は「お金」の残り具合を示していますが、信頼残高の場合は「お客様からあなたへの信頼度」の残り具合が示されているとイメージしてください。
さて、あなたの信頼残高はどれくらいあるでしょうか?高ければ高い方が、競合が登場したときに有利です。
(2)信頼残高の使い方注意点
信頼残高の使い方には注意が必要です。
例えば、銀行口座の残高を使う場合、口座から引き出した「お金」は、あなたの好きなお店で使えます。コンビニでもハイブランドショップでも、スーパーでも百貨店でも使えます。
対して、信頼残高から引き出した「信頼」は、誰にでも使えるものではなく、信頼残高を貯めた相手だけに使えます。
いくら信頼残高が貯まっているからといっても、これまで知り合いでもなんでも無かった人に使うことはできません。また、誰か別の人の信頼残高を頂戴して、自分の信頼残高として使うこともできません。
お金なら「貸し借り」できますが、信頼残高はできないのです。
(3)信頼残高の特徴
信頼残高には次のような特徴があります。
[1]貯まりにくい
思っているように貯まりません。いくら自分が信頼を貯めようとしても、相手から頂かないと一切貯まらないのです。
また、繰り返し信頼することが起こって、はじめて少しずつ貯まっていくという特性もあります。例えば、初対面の人との待ち合わせで「待ち合わせ時間に遅れなかった」としても、相手からすると「当たり前」ですから信頼残高は貯まりません。
しかし、こうした行動が10回、20回と続くと、やっと相手から「信頼残高」が少しだけ受け取れるようになります。
[2]減りやすい
信頼残高は貯まりにくいにも関わらず、いとも簡単に減ってしまいます。
- 企業の不祥事
- 一度の遅刻
- SNSの投稿と炎上
これまで何ヶ月も、何年も掛けて少しずつ貯めてきた信頼残高ですが、こうしたことが発生すると、次の瞬間には「ゼロ」になってしまうのです。また、ゼロなら良い方で、マイナスになる(負債ですね)こともあります。
[3]取り戻しにくい
一度でも減ってしまった信頼残高は、簡単には取り戻すことができません。最初に貯めたときの2倍、3倍の期間と地道な行動や対応によってしか取り戻せません。
いかがでしょうか?このように信頼残高は貯まりにくく減りやすいもの。しかし、そういったことが分かっているにも関わらず、コロナ禍で困ってスタートしたホームページやオンラインショップの中には、信頼残高なんて無視したような対応をするところも見受けられます。
そして、信頼残高を無視した対応をしているのに、「売れない」「集客できない」「リピートされない」と嘆いているのです。
当たり前です。1度目の取引で信頼残高がゼロかマイナスになっているのですから、そこからビジネスが順調に伸びていくことは考えにくいものです。
2: ビジネスが上手くいく信頼残高の増やし方
ビジネスを順調に伸ばすためには、信頼残高を増やすことが大切です。ここでは「増やし方」をご紹介します。
(1)相手を理解する
自分だけに感心をもっていても信頼残高は貯まりません。というのも、信頼残高は相手からいただくものだからです。
信頼残高を貯めたいのなら、相手の立場で理解することを癖にしましょう。
- 相手が大切にしていること
- 相手の関心事
- 相手を認める気持ち
この3つを意識するだけでも、相手を理解しようとする姿勢が感じられ、信頼残高が貯まりやすくなります。
(2)小さなことこそ大切にする
小さな礼儀やマナーに気を配りましょう。
- ドアの開け閉め
- 丁寧な挨拶
- きちんとした御礼
人間関係をスムーズに進めるために必要なことばかりです。最近では「フレンドリーな対応」を「よし」とし、初対面の人にも「お友達」のように接してくるセールスマンやアポインターが増えています。しかし、こうした対応は、小さなことを大切にしているとは感じられません。
- 小さな無礼の連続
- 小さな不親切
- 無神経
信頼残高を減らす行動になっています。あなたが信頼残高を増やしたいのなら、こんなマネをしてはいけません。
(3)約束を守る
小さな約束でも、口約束でも守りましょう。信頼残高のスタートラインです。
というのも、いくら小さな約束でも口約束でも、言われた人は「絶対」に忘れていません。こういうことが繰り返されると「口だけの調子のいい人」認定されますので、信頼残高を増やすことは難しくなります。
(4)期待を明確にする
相手の期待を明確にし、応えるようにしましょう。
- 手抜き
- 報告忘れ
こういうことを無くすだけでも信頼残高が貯まっていきます。
(5)誠実さを示す
言い換えれば「信頼」を失わないようにすることです。
- 失敗
- 間違い
- 問題
こういうことを隠蔽したり、ごまかしたりしないことです。
反対に、ちょっとした良いことを「誇張」するのも誠実さがありません。
(6)謝罪の気持ちを失わない
間違い、誤った判断、勘違い。こうしたことが発生した場合、謝罪できる気持ちを失わないことです。
不正をすることで隠蔽しようとする企業風土を持った会社もありますが、不正はいつかバレるもの。そして、バレたときには信頼残高がマイナスになります。
(7)ウソをつかない
ビジネスをする上で「ウソ」を言って商品やサービスの魅力をアップさせる人がいます。
一時的には信頼残高が増加するでしょう。しかし、ウソは必ずどこかから漏れるもの。バレたときには、取り返しが付かない状態になっています。
被害に遭った人は、二度とそんな人へ信頼残高を貯めようとは考えません。
(8)価値ある情報を提供
信頼残高を増やすために、どんなビジネスでもやってほしいのが「役立って価値のある情報」を提供することです。
ウェブマーケティングの世界では「コンテンツ」と呼ばれているものです。
どんな商品やサービスでも価値のある情報が提供できます。
特徴やメリットだけではなく、購入することで得られる明るい未来を伝えましょう。
(9)売った後がスタート
信頼残高を倍々に増やしていく方法があります。
それは、売った後(お客様が購入した後)からスタートする「フォロー」です。
売りっぱなしは信頼残高を急激に減らすことになりますが、売った後のフォローは簡単に信頼残高を増やすことができます。
やらない会社や人が多いです。しかし、やれば結果に出てきます。
3: まとめ
信頼残高はビジネスの成功に影響していきます。
そのため、増やすこと(貯めること)を考えなくてはいけません。
しかし、先ほどもお話しましたが「貯まりにくく」「減りやすい」性質を持っています。だからこそ、常に気配りし地道に増やしていくことが大切です。
まわりが何を言おうと関係ありません。バカな商売の仕方をしていると言われても構いません。良いお客様と長くお付き合いし、ビジネスを安定させたいのなら信頼残高を増やすことは必須です。
急激には増えませんが、コツコツと増やしていきましょう。そしてフォローして、一気に増やしましょう。ビジネスが足元から強くなる方法でもあります。