地域密着型工務店さんが自社集客する場合のコツを説明
地域密着型工務店さんの多くは、仕事に困っているということはありません。ただし、仕事の内容に悩みを持っているところは多いはず。
というのも、ほとんどの地域密着型工務店さんにやってくる仕事は「下請け」だから。
だからこそ、最近は地域密着型工務店さんが「下請けから脱却したい」「自社で集客して契約したい」と考えておられます。
でも、自社で集客をされたことがないため、どのようなことが必要なのか良く分からない方もいらっしゃいます。
今回は、地域密着型工務店さんが自社集客する場合のコツを説明していきます。
目次
1: 地域密着型工務店さんの集客で大切なこと
地域密着型工務店さんが自社で集客される場合、行動を起こす前に理解していただきたい基本的なことがあります。
どれも自社集客には大切なことです。
(1)デジタルとアナログの関係
DX化やChatGPTをはじめとする対話型AIの出現によってデジタル化への波が大きくなっています。そのため、何でもかんでもデジタルで対応しようとする経営者の方もいらっしゃいます。
大手企業なら問題ありません。しかし地域密着型工務店さんの場合、相手にしているお客様層が大手企業とは違います。また、自分たちの存在や取り組みを知ってもらうために使える広告予算も違います。
このような現実がありますので、地域密着型工務店さんの場合は集客するときに、デジタルとアナログの両方を活用するように考えてください。
これまでと同じアナログの方法と、ウェブを使ったデジタルの方法。両者をつなぎ合わせて活用することで自社集客の成功確率がアップします。
(2)マーケティングの基礎を理解
セールスには力を入れてこられた工務店さんも多いでしょう。しかし、マーケティングに力を入れてこられたところは多くありません。
どうしても目先の売上獲得が最優先になるため、セールスに力を入れてしまうのは仕方の無いことですが、これからの時代
- 買ってください
- 契約してください
- 値引きしますから絶対に自社で契約を!
こういう「しつこいセールス」は嫌われる傾向にありますから、従来と同じようなセールスを続けていても成果が出にくくなることが見えています。
そこで、セールスよりも少し視点を広くした仕組みである「マーケティング」の基礎を学び理解しておきましょう。
と申しましても、何から学べば良いのかわからない方もいらっしゃると思いますので、そういった方は「ハイパワーマーケティング」という書籍を購入して精読してください。
書籍そのものは古いものですが、マーケティングの基礎は変わっていませんので今の時代でも活用することができます。
(3)集める前に知られること
自社集客というと、「集める」ことばかりに意識がいきます。しかし、ここで注意が必要なのです。
人を集めるという行為は、考えているよりも簡単ではありません。おそらくあなたが自社集客をスタートすると、考えていたよりも集まってこないことに愕然とされる可能性が高いです。
どうしてこのような結果になるのかというと、人を集めるためには「知ってもらう」必要が先にあるからです。
マーケティングで話される言葉を使うと「集客」の前に「認知」が必要なのです。
2: 自分たちで集客するために準備すること
自社集客するために、以下の情報を集め、自社でじっくりと検討しましょう。ここで手を抜くと、中途半端な集客活動になってしまうため、いくら時間を使っても成果が出てきません。
(1)自社の課題
どうして自社集客したいのか。課題を明確にしておきましょう。
「下請けからの脱却」を課題にされるところが多いですが、どうして下請けから脱却しなければいけないのか、その理由を明確にしておくことが大切です。
もし、今後も発注先と良好な関係を築いていけるのに、無理に自社集客するというのも、おかしな話です。
「どうして自社集客したいのか?」
かっこいい理由は必要ありません。本心からの理由を明確にしてください。
(2)自社の強み
課題の次は自社集客するに当たって重要なポイントになる「自社の強み」の明確化です。
他社と比較して、自社は何が強いのか。わかりそうで難しいポイントです。
- 技術的な強み
- 人と成りの強み
- 価格の強み
- 工事期間の強み
- サポートの強み
工務店さんによって様々な強みがあるはずです。
強みを見つけるときに意識してもらいたいのが、「強み=得意なこと」ではなく「強み=魅力=この工務店さん良さそう」と思われるポイントを発見することです。
(3)ターゲット
あなたの工務店が力を発揮できるターゲット層を見つけましょう。
例えば工務店さんによっては、
- 新築が得意
- リノベーションが得意
- 増築が得意
- 二世帯住宅が得意
- デザイナーズ住宅が得意
このように得手不得手があるはずです。無理に不得意なことを求めているターゲットを見つける必要はありません。得意なことを求めているターゲットを見つけてください。
自社集客は学校の勉強ではありません。不得意なことをがんばって伸ばす必要なんて1mmもありません。得意なことをさらに伸ばすことが重要です。
(4)自社が解決できること
ターゲットが求めていること(ほとんどは悩みや不安です)を、自社の強みで解決できるかどうか考えてみてください。
そして解決できるなら、どういう方法を使って解決することで、今よりも明るい未来が手に入るのかを整理しておきましょう。
いくらターゲットの悩みや不安を見つけても、自社の強みで解決できないのなら自社集客に使えません。
このような場合は、ターゲットの設定を考えなおすか、自社の強みの洗い出しをやり直しましょう。
(5)自社のコンセプトやテーマを明確化
自社の強みとターゲットと解決できることが決まると、自社集客におけるコンセプトやテーマが明確になります。
そしてコンセプトやテーマが明確になると、実際に集客する方法を絞り込むことができますし、費用を使って広告を出すときにも役立ちます。
3: 知っておいてほしい集客実現までの流れ
自社集客の為には次の3つの流れが必要になります。
(1)認知
(2)行動
(3)成約
まずは「知ってもらう」ことが大切です。地域密着型工務店さんが自社集客できないときに最も多い理由です。
知ってもらうことによって、始めて相談など成約に結びつく行動が生まれます。知らないのにいきなり行動が生まれるのは、迷惑なセールスくらいです。
あなたが求めている自社集客は(2)や(3)ですが、その前に(1)が出来ていないと、成果は生まれないのが現実なのです。
しっかりと、この流れを理解しておいてください。
4: ターゲットタイミングに合わせた具体的な集客方法
それでは具体的な集客方法をお話します。
(1)デジタル集客の基礎
まずは、次の3つを基礎として準備しておきましょう。
- [1]MEO対策
- [2]ホームページ
- [3]SEO対策
MEO対策は、Googleのアカウントがあれば無料で登録できます。今日からでも対策できる方法です。
ホームページやSEO対策に関しては、ホームページの制作や、ホームページ内で紹介する「お役立ち情報(コンテンツ)」の制作が必要ですので、MEO対策よりは時間と手間がかかりますが、長く安定した集客活動には不可欠なツールです。
(2)認知
認知を高める方法が、以下の3つです。
- [1]チラシ
- [2]看板
- [3]ウェブ広告やポータルサイト
新聞を取っているご家庭が減っていますので、チラシはポスティングがメインになります。
看板に関しては、野立て看板や建築中に取り付ける「幕」が効果的です。
ホームページが準備できているのなら、ウェブ広告を対象地域に絞って出すことも検討しましょう。
ポータルサイトは登録費用が必要なところもありますが、「これから客」に知ってもらうためには不可欠な場所です。
(3)行動
認知してもらったら、いよいよ集客への行動を生み出す方法が必要になります。
- [1]ブログ
- [2]展示会
- [3]無料相談
- [4]ウェビナー
ブログはあなたの工務店の「人と成り」を知ってもらうのに適しています。また施工事例やお客様の声を見てもらい信頼度を高めるのに役立ちます。
展示会に関しては、リアルにコミュニケーションを取れる場所ですから、集客率が低くても成約率が高くなりますので、機会があれば積極的に開催しましょう。
無料相談やウェビナーですが、コロナによってリモートで行うことへのハードルが下がりました。工務店の事務所に居ながら、お客様候補の顔を見ながら相談に乗ることもできますし、ウェビナーを開催して学んでもらうこともできます。
この段階では「成約」がチラつきますが、それよりも「信頼度の向上」にフォーカスするべきです。
(4)成約
信頼度が高くなると、成約へ向けて動き始めます。
- [1]ホームページ
- [2]訪問での対応
上記の2つのパターンが多いです。ただし、ホームページから成約に近いお問い合わせがあったとしても、工務店さんの場合は「訪問での対応」が欠かせません。
そのため、ホームページだけ愛想が良く信頼できる工務店ではなく、対面でも同じように感じてもらえるマナーを意識してください。
今の時代「職人=無愛想」は通用しません。
5: まとめ
地域密着型工務店さんが自社集客するためのコツについてお話しました。
ポイントは、デジタルとアナログを両方活用すること。そして集客の前には「認知」が必要であること。
この2つは必ず覚えておいてください。
認知活動をしていないのに、自社集客が成功するなんてあり得ません。そういうことが出来たところは、すでに地域で高い認知をされていた工務店さんです。
手法やチラシの内容ばかりマネしても、認知率が違いますので上手くいきません。