塾の生徒集めの方法~価格競争から脱却するアイデアとポイント~
塾を経営されている方の中には、
- チラシ
- ポスティング
- 駅前でのビラ配り
- アンケート
などなど、いろんな方法を試してみたけれど、集客にほとんど効果が無かったという経験をされた方もいらっしゃると思います。
塾はフランチャイズの台頭もあり、個人経営されている塾の新規生徒獲得は従来よりも難しくなっています。
そこで、価格競争から脱却しながら、塾の生徒を集めるアイデアやポイントをご紹介していきます。
1: 生徒集めでこんな間違いをしていませんか
生徒集めが思うように進まない。
だからと言って次のような方法に走ると、出費ばかりが増えてしまい、結局は効果が感じられないまま負債だけが増えるということにもなりかねません。
(1)フランチャイズの検討
フランチャイズはネームバリューがあります。
テキストなども用意されていますから、生徒集めも楽になり経営も楽になるように思います。
しかし、ただフランチャイズに加盟したからといって、すぐに結果が出てくるものではありません。
その理由は、塾を選ぶ親御さんやお子さんは「知名度」や「見た目に美しい教材」がほしいのではないからです。
(2)IT環境の導入
少なからず導入されていると思います。
でも、もっと良い仕組みがあるだろうと考え、最新のシステムを導入すれば生徒集めも楽になるのではないかと考える方がいらっしゃいます。
これもフランチャイズと一緒です。
塾を選ぶ基準は何なのか。
親御さんやお子さんは「どうなりたい」のか。
塾は「なりたい自分」に近づけるのかどうか。
近づくための指導をしてくれるのかどうかが肝心です。
最新のシステムを導入したからといって、生徒さんの「なりたい自分」が手に入ることはありません。
(3)集客コンサルとの契約
集客専門のコンサルタントさんと契約する方法があります。
すでにご活用されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
コンサルタントさんは、集客(生徒集め)の方法をご存じです。
しかし、一時的なテクニックによって生徒を集めても、継続して通ってはくれません。
ただ「無料」に引かれて入塾した生徒さんよりも、あなたの塾に入りたいと考えて入塾してくれる生徒さんを増やしたくないでしょうか。
2: 生徒集めを行う前に準備することとは
生徒集めを行うとき、意外にも準備をせず、勢いだけや効果の無かった「いつもの方法」を何度も繰り返し実施する方がいらっしゃいます。
これでは、広告費や労力、時間だけを無駄に使っていることになります。
ですから、生徒集めを行う前には準備することをオススメします。
準備のポイント1
料金設定は適切でしょうか?
大手学習塾と比較して「高い」という印象なのか「安い」という印象なのか。
高いからダメなのではなく、新規獲得時には「お金の痛み」を軽減する手法を導入してみませんか?
たとえば、最初の2ヶ月、3ヶ月だけは、週1回の授業単価を4,000円~5,000円くらいに設定し、その後は通常料金で授業を行うのはどうでしょうか。
この方法は大手ヨガスタジオなど、価格もライバルもどちらも競争が激しいフィットネス業界で使われている手法です。
価格戦略を考え準備しましょう。
準備のポイント2
あなたの「人間力」を整理しましょう。
入塾に関しての説明会や面談で、どのような設備や最新のIT機器を使っているという「特徴」ではなく、
あなたのところへ入塾することで「どのような変化がもたらされるのか」というベネフィットを提案するようにしましょう。
そして、ベネフィットを確かに遂行する「あなたの人間力」をアピールする必要も忘れてはいけません。
このように書き出しますと「わかっているよ」と心の中でつぶやく方もいらっしゃいますが、人は普段から考えて整理していることしか、一貫性と情熱をもって相手に伝えることはできません。
口先だけで都合の良いことを話しても、お客様もバカではありませんから、雰囲気から「うそっぽい」と感じ
「じゃあ、ちょっと考えてみます。」
という決まり文句を残して去って行かれることでしょう。
- どのような想いで塾を始めたのか
- どのようなストーリーがあって今もがんばっているのか
- 生徒さんがどのように変化されるのが最高の瞬間なのか
このようなことを整理していくと、あなたの人間力が明確になり、迷っている親御さんやお子さんの心に「ここだから」という想いを持ってもらうことができるはずです。
3: ポイントは断れないオファー
「オファー」とは、取引を行うときに双方で決めた条件です。
塾の場合ですと、価格がもっともわかりやすいでしょう。
オファーは、見せ方によって印象が大きく代わります。
同じ価格であっても見え方が違うだけで、成約率も変わってきます。
例えば、10,000円の商品があったとします。
- 50%引き
- 5,000円引き
- もうひとつ購入で2つ目無料
さらに、期間限定(○○までの特別案内)、限定数量(限定○○名のみ)をオファーに組み入れると成約率が変わります。
それでは、学習塾で使われることの多いオファーはどのようなものでしょうか。
- 体験無料
- 入学金無料
- 教材無料
- 初月無料
だいたいこんな感じです。
で、ここで気づいていただきたいのですが、すべてが価格に関するオファーなんです。
価格は比較検討にわかりやすいため、このような状態になっているのだと思いますが、これは価格競争に自ら入っていることも事実です。
こういう価格のオファーも大事なのですが、同時に価格ではない「断れないオファー」も検討してみましょう。
どのようなオファーが考えられるのかというと、ポイントとしては「悩み」を解決できるオファーです。
塾を検討されている親御さんやお子さんの悩みは何でしょうか。
あなたの塾が掲げている方針によって変わりますが、多くの場合は
「今よりも成績アップ」
もう少し掘り下げて考えるなら
- 次の試験までに何とか
- 今学期中には何とか
- 他の子供と同じスピードでの授業は難しいかも
こういったことも出てくるはず。
いいですか。
このような少し掘り下げた悩みが解決できるオファーを提案出来たとすると、入塾を検討されている方にとっては「断れないオファー」になり得ます。
だた「成績が上がります!」よりも、「次の試験には上がります!」の方が具体的であり断る理由がありません。
さらに、
「もし、次の試験で成績が全く上がらなかった場合には、授業料はいただきません!」
このようなオファーを出すとすると、まず断ることは難しくなります。
4: 生徒集めのアイデア
ここでは生徒集めのアイデアを紹介します。
先ほどまでの話を組み合わせながら、これから紹介するアイデアを使っていってください。
(1)コンテンツを充実する
ここで言う「コンテンツ」とは、塾全体からアウトプットするものです。
授業の内容もさることながら、
- 受付の対応
- 電話の対応
- メールの対応
そして、ホームページがあるならば、ホームページから発信する情報の量や品質も充実させるように意識してください。
塾という場所は、趣味のカルチャースクールではなく、お子さん達の将来に影響を与える場所のはず。
コンテンツの充実無しに、生徒集めは成功しません。
(2)小さくテストは常識
人の反応は、いくら考えても理解することはできません。
論理的には「A」が得であるとわかっていても「かわいい」という言葉によって「A」よりも割高なものを選ぶ人がいます。
ですから、オファーやコンテンツは「これだから絶対に大丈夫」というのではなく、
「出してみないとわからない」
という気持ちで小さくテストをしてもらいたいのです。
例えば、一部の地域だけ、一部の学年だけを対象にして「断れないオファー」をテストしてみる。
結果、成約率がアップしたのなら、他の地域や学年にも使ってみる。
効果のないことにお金と労力を注ぎ込んで行うよりも、まずは小さくテストすることを実践してください。
(3)無料というパワーを使う
無料は最大のパワーです。
でも、使いすぎると弱まります。
ですから、期間限定や人数限定で使うことが重要でしょう。
また、無料は「タダの商品」だと考えてはいけません。
「ゼロ円の商品を購入いただいた」という考えをもってください。
そうすることで、無料だからといって品質をガクンと落とすことがなくなります。
(4)人を引きつけるキャッチコピーを使う
キャッチコピーで反応は変わります。
どのようなキャッチコピーが正解なのかは、正直なところわかりません。
どのような生徒さんなのか、どのような親御さんなのかによって変わってきますから、小さくテストする必要があります。
キャッチコピーを考えるとき、どのようにするのが良いのかというと、マネるのが始めやすいですね。
同業者のキャッチコピーをマネるはダメですが、他業種のキャッチコピーや売れている書籍のタイトルをマネると考えやすくなります。
例えば、最近売れている書籍なら「ゼロトレ」。
これをベースにして「ゼロ○○」というキャッチコピーを考えてみるのも方法です。
また、最近の流行なら「最強の食事」のようなタイトル。
これをベースにするなら「最強の算数」とかにもできそうです。
ゼロから考え出すのは大変ですが、同業以外のキャッチコピーを元にして考えると、比較的簡単に思いつくものです。
すぐに始められることですから、今日からでもキャッチコピーを変えて小さくテストを繰り返してみてください。
(5)複数の入り口(マルチチャネル)を用意する
今の時代、塾を知ってもらう入り口がたくさんあります。
だからと言って、すべてを使う必要はありません。
大切なのは、あなたがターゲットにしている相手が、どのような入り口を普段の生活で使っているのかです。
- スーパーに買い物にいく親御さんなら、スーパーのチラシが入り口
- スマホをさわる時間が多いなら、スマホに広告
- 検索して比較したいのなら、コンテンツをアップして信頼度を獲得する「コンテンツマーケティング」
よく言われる表現ですが、
魚の居るところにエサと釣り糸をたらさないと釣れません。
5: まとめ
塾の生徒集めについてお話していきました。
今回お話しましたように、どのような断れないオファーを提供できるのかを考えてみてください。
そのためには、塾を探している親御さんやお子さんの考えている
- 悩み
- 不安
- フラストレーション
を的確につかむ必要があります。
しかし、これは教育を提供されているあなたなら、難しいことではないはずです。
人と向き合い、人生に影響を与える仕事を選ばれているのですから、人のことを深く理解する癖がついているはずですから。
ぜひ、あなたのチカラを最大限に発揮して、塾の生徒集めを成功させてください。