正直、楽しみたい!仕事に必要なコミュニケーション能力を高める方法
仕事では初対面の人とも関係を作っていかないと、いけないことがあります。
でも、相手のことを知らないし、第一印象で何だか「話にくい」人だなと感じて、うまく話が切り出せないということもありますよね。
こちらが精一杯ガンバッテ、何とか話を振って見ても「ハイ」だけで終わられると、もう次が続かないまま沈黙。
初対面の人にも、スッ~と入っていけるコミュニケーション能力は、非常に魅力的ですし、出来れば身につけておきたいものですよね。
今より少しだけでも、コミュニケーション能力が高まるだけで、人と会って話すことへの「苦しさ」や「悩み」が解消されますし、家に帰ってから「あ~、話せなかったなぁ~」と自己嫌悪になることも減ることでしょう。
そこで今回は、仕事で必要になる「コミュニケーション能力」を高める方法についてお話します。
目次
1: コミュニケーションとは
人と関わる上で必要であり重要になるのが「コミュニケーション」。
この能力だけで、まわりからの評価や見られ方が変わると言われています。
では、そもそも「コミュニケーション」とは、どんなことを言うのでしょうか。
「コミュニケーション」の定義は、様々にあります。
心理学者やカウンセラーなどの専門家によっても違いがあります。
そこで、今回は「コミュニケーション」についての定義をしておきたいと思います。
今回お話する中での「コミュニケーション」とは
『人と人とのやり取りをスムーズにすること』
このように定義しておきたいと思います。
2: コミュニケーション能力とは
「コニュニケーション」の定義が出来たところで、次に「コミュニケーション能力」とは何かを見てみます。
これも様々な定義やイメージがありますが、私たちは学者ではありませんので、難しく捉える必要はないと思っています。
ということで、コミュニケーション能力とは、どんなことなのかというと
- 目的に合った
- 言葉や声のトーン
- 笑顔をはじめとする顔の表情
- 身振り手振り(ボディーランゲージ)
を上手に使い分ける能力
こんな風に言えると思います。
では、ひとつずつ見ていきましょう。
2.1: 目的
あなたが居る環境では、どんなコミュニケーション能力のスキルが必要でしょうか。
誰もが同じ、コミュニケーション能力を必要としているわけではありません。
人それぞれに、居る環境によって必要となる能力には違いがあります。
2.2: 言葉や声のトーン
例えば、エンジニアなど専門職の中でのコミュニケーション能力なら「論理性」が大事なります。
反対にセールスの最前線なら「感情」が大事になります。
言葉や声のトーンは、すべてのところで同じということはありません。
2.3: 笑顔をはじめとする顔の表情
いつも元気に笑顔全開、が必要なわけではありませんよね。
目的と居る環境によっては、控えめな表情の方が良い場合もあります。
また、元気いっぱいな笑顔が必要な場合もあります。
いつも「元気いっぱいの笑顔」でいることが、コミュニケーション能力が高いことではありません。
2.4: 身振り手振り(ボディーランゲージ)
笑顔と同じですが、身振り手振りも大きいことが、いつも良いことではありません。
控えめな方が良い場合もあります。
このように「コミュニケーション能力」とは、常に「元気いっぱいで大きな身振り」が必要だということではありません。
「コミュニケーション」の定義でもお話しましたが、必要なのは
『人と人とのやり取りをスムーズにすること』
この部分を忘れずにいてください。
3: コミュニケーションの真実
コミュニケーション能力を身につけると、人とのやり取りがスムーズになって、自分の言いたいことや考えていることや
相手の言っていることや考えていることが「100%」伝えあえる、と私たちは思いがちです。
しかし、コミュニケーションの真実はこうです。
『100%完全に伝えあえることはできません』
人は人生の中で、それぞれが特別な経験をしていきています。
同じものを見ても、その捉え方やイメージが違います。
限りなく近づけることはできますが、完全に同じということはありません。
これは自分が相手に伝えたことが、100%伝わっていない。
反対に、相手が言ったことも、私たちは100%理解出来ていないことを表しています。
このことを頭に置いた状態で、相手との「差」を少しずつ小さくしていく能力が「コミュニケーション能力」だと言えるでしょう。
4: コミュニケーション能力を高める基本
それでは、コニュニケーション能力を高めるための基本をお話します。
ただ「雑談力が高い」というだけでは、コミュニケーション能力が高いとは言えません。
内容のない会話を長時間続けることが、コミュニケーション能力が高いことでもありません。
コミュニケーション能力が導く最終地点は「信頼」の獲得です。
そのために必要な基本を、まずはお話します。
4.1: 第一印象
第一印象は、3秒、6秒、10秒、いや30秒で決まると、様々な意見があります。
専門家によっては「一度決まった第一印象は変わらない」とも言われています。
確かに人は視覚からの情報を多く取り込んで判断しています。
その次に聴覚を多く取り込んでいます。
ということは、第一印象とは
- 見た瞬間
- 挨拶した瞬間
この2つで、ほぼ決定しているということです。
なら、基本としてはどうするのかというと、環境や目的にあった「表情」をすることです。
仕事の商談なら、笑顔と自信に溢れた表情で。
そして、挨拶は「ハッキリ」と聞き取りやすく言いましょう。
また、挨拶するときに注意することは
- 相手を見て、ハッキリと挨拶をする
- 挨拶した後に礼をする
多くの人が、挨拶しながら礼をしています。
これだけでも、第一印象が変わります。
4.2: 聞き上手
「傾聴(けいちょう)」という言葉をご存知でしょうか?
傾聴とは「相手の話に耳を傾けて聴く」という意味です。
そして傾聴はコミュニケーション能力を高める基本です。
誰もが自分の話を聞いてほしいと思っています。
反対に、他人の話は聴きたくありません。
自分の話をし、相手に聴いてもらうことで、承認欲求が満たされるのです。
話している方は気分が良くなり、ドンドンと話し続けます。
このときのポイントは、相手に集中しながら聴くことです。
そうすると、自然と頷きも出てきます。
ワザとらしい「すごいですね~」「わたしも思います~」「なるほどですね~」という、おかしな状態にはなりません。
相手の話を聞きながら、こんなことを質問しようか、ということも浮かばなくなります。
相手に集中して聴けるようになると、次は相手の表情や声のトーンなどを感じながら聴いてみましょう。
相手が笑顔で話されたときに、「楽しかったんですね」と言ってあげられると、相手はすごく嬉しくなります。
4.3: 質問上手
質問は最高のコミュニケーション能力です。
質問はコミュニケーションの基本ですが、質問が上手にできる人は多くありません。
というよりも、ほとんどの人が、効果的な質問ができません。
そこで、まずは次の3つの質問を覚えておきましょう。
この3つを覚えておくだけでも、深い意味のある会話になりますよ。
(1)具体的に言うと
多くの会話は「ぼんやり」としたイメージのままです。
そこで「具体的には」と質問することで、相手の思考は自動的に具体的な言い方を探し始めます。
この質問は、深堀していくときにも効果的です。
(2)教えてください
「もう少し詳しく教えていただけませんか?」という質問は良いですね。
相手の承認欲求を満たしますし、より会話が深堀されます。
端折って話していた部分が、詳しく出てくることもあります。
(3)他には
「他にはありませんか?」という質問です。
意外なことに、全部話したつもりでも、この質問をすると「あ~、そういえば」というように出てくるものです。
そして、そんなときに出てきた話題こそ、深まる会話になることが多いものです。
5: コミュニケーションを効果的にするスキル
ここからは心理学などで取り上げられることが多い、効果的なスキルを紹介します。
このスキルだけを覚えて使っても、第一印象が悪かったり、相手の話を聞かずに自分の話ばかりしていては、スキルの効果は感じられないことでしょう。
だから、まずは基本の3つに注意を向け、その上でこれから紹介するスキルを活用してください。
5.1: ザイオン効果
相手との接触回数を増やすことで、信頼関係は構築すると言われています。
1度よりも2度。
2度よりも3度。
大きな交流会でも、会場の中でドリンクを取りに行ったときに3度会えば、何となく親近感が湧くものです。
5.2: ラポール
ラポールとはフランス語であり、心理カウンセラー達が使うことの多い言葉です。
ラポールとは、短い時間の間に、相手と信頼関係を築く方法。
一般的には、相手との共通点を見つけ出すことですね。
- 出身地
- 出身校
- 趣味
- 血液型
- 生まれた年
- 星座
などが一般的に使われます。
5.3: ミラーリング
相手と同じ表情やジェスチャー、ボディーランゲージをすることです。
相手が腕を組んだのなら、あなたも腕を組む。
相手が足を組んだのなら、あなたも足を組む。
相手が笑顔で話しているなら、あなたも笑顔になる。
相手が真剣な表情なら、あなたも真剣な表情になる。
合わせ鏡のように合わせるスキルです。
注意することは、わざとらしくならないこと。
ただ相手をマネしているだけだと、相手はあなたのことを信頼しません。
というよりも、ムカつかれることもあるでしょう。
ポイントは「自然に行う」ことです。
5.4: ペーシング
相手のペースに合わせるスキルです。
相手が話す口調、声の大きさ、トーン、速度。
テンポが合うと、気持ちいいものです。
反対にテンポが合わないと、相手に
- 興味ないのかな
- 威圧的だな
などという印象を与えます。
5.5: バックトラッキング
日本語で言うと「オウム返し」です。
相手が言ったことと、同じことを言う方法です。
例えば、
『昨日は残業で遅くなったから疲れたわ』
『遅くなって疲れたんだね』
『そうそう、もう、帰れへんかと思ったわ』
という流れになることが多いです。
しかし、これも注意するポイントがあります。
「オウム返し」が、コミュニケーション能力を高めるスキルとして紹介されてから、本当に同じことを返す人がいます。
それも、何の感情も入っていない、ただ「オウム返し」というスキルを使っているだけでの人です。
相手は言葉以上に、空気感も感じています。
「ただ返しているだけだな」と感じます。
そう思われるような使い方をするのなら、使わない方が良いと思います。
比較的簡単なので使う人も多いですが、ただ相手が言った言葉を返すだけだとは考えないでくださいね。
返す言葉には「感情」が入っていることが必要です。
5.6: 喩え
喩え話は、相手にわかりやすく伝えることができる、スキルのひとつです。
自分の意見だけを伝えるのではなく、経験談や名言・格言、第三者の出来事を使って話すと、相手に伝わりやすく記憶にも残りやすくなります。
喩えるときには、シンプルでわかりやすい言葉を使うことも忘れないでください。
せっかく喩えているのに、専門用語などを使っていては、相手の理解は進みません。
6: 効果的な質問パターン
コミュニケーション能力というと、相手を操るようなイメージを持っている人がいるかもしれません。
しかし、本来のコミュニケーション能力とは『人と人とのやり取りをスムーズにすること』です。
そこで、よりスムーズにするために使えるのが「質問」です。
多くの人は質問をしません。
また質問をしているつもりでも「詰問」になっている人もいます。
これでは、人との関係性をスムーズにすることができません。
また、反発を招くこともあれば、自分勝手な解釈だけで仕事をすることにもなりかねません。
ここでは、使いやすい質問のパターンを紹介します。
ぜひ覚えておいて、普段の仕事でも活用してみてください。
(1)指示が曖昧
例:これ渡しておいて。
質問:誰に渡せばいいですか?
指示が曖昧なときには5W1Hが使えます。
- 誰が
- いつ
- 何を
- どこで
- どのように
これを組み合わせてみてください。
(2)曖昧な仕事
例:この作業、やって。
質問:具体的にどうやればいいですか?
仕事だけではなく、行動が伴うことでありながら曖昧な場合には「具体的には」という質問が効果ありです。
(3)曖昧な比較
例:私は字がヘタだ
質問:誰と比べてヘタだと思うの?
比較対象が曖昧なままでの話は、スムーズにやりとりできません。
何と比べてヘタなのか。
何と比べれば上手なのか。
普段の暮らしにも多い「曖昧な比較」です。
(4)抽象化
例:がんばります。
質問:どんな風にガンバリますか?
ガンバル方向が間違っているかもしれません。
人によってガンバルの基準も違います。
ガンバッテいることには変わりありませんが、はっきりとした「名詞」で答えてもらえるのがいいです。
(5)限界点の設定
例:私にはできません。
質問:どうしてできないと思いますか?
根拠なく、自分で自分の限界を設定しているとき使える質問です。
(6)完璧主義
例:こうでなければいけない。
質問:変わったらどんなことが起こりますか?
違った視点を見つけてもらうときに使える質問です。
(7)勝手な普遍性
例:○○はいつも私を認めてくれない。
質問:一度も認めてくれたことはないのですか?
例外を見つけたり、勝手な思い込みを変えるときに使えます。
7: まとめ
コミュニケーション能力とは、違った価値観や感情の捉え方をしている人間同士が、スムーズにやりとりするための力だと思います。
他人の心の中は、どんな人も理解できるものではありません。
どんな風に感じているのかを、100%理解することはできません。
でも、少しでも共通して理解できることがあるのなら。
コミュニケーション能力を、僕たちは良い方向性に使っていくことが最善の方法だと思います。
最初から相手がコミュニケーションを取る気持ちがないのなら、それは仕方ありません。
でも、相手が「恥ずかしい」とか「気後れしている」だけなら、コミュニケーション能力を高めている僕たちから話しかけて、スムーズで意味のある交流関係を築いていきたいと思いませんか。
今回は、今後のビジネスでも役立つ「コミュニケーション能力」についてお話させていただきました。
僕、SONIDOの須山は、セミナーなどに参加すると「須山さん、人との輪を作るのが上手ですよね」と言われることがよくあります。
『照れます(笑)ありがとうございます!』
自分では意識しているわけではありませんが、知らない間に今回お話したことを使っているのかもしれません。
もし、コミュニケーションについて「不安」「悩み」「質問」などありましたら「お問い合わせ」からご連絡ください。
もしかすると、あなたのお役に立てることがあるかもしれません。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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