「ホームページから問い合わせは来るんです。でも、なかなか良い仕事につながらないんですよね」
ホームページの相談を受けていると、こういう話を聞くことがあります。
問い合わせがゼロなら、話は比較的シンプルです。
まずアクセスを増やす。ホームページの内容を見直す。問い合わせまでの流れを改善する。
ところが、月に何件か問い合わせは来ている。
それなのに、
「金額だけ聞かれて終わる」
「相見積もりばかり」
「うちでは対応していない仕事の相談が多い」
さらに、もっと利益の出る仕事を増やしたいのに、小さな仕事ばかり来る。
となると、単純に問い合わせ数を増やせばいいという話ではありません。
むしろ、今と同じような問い合わせが10件から20件に増えたらどうでしょう。
電話やメールの対応は増える。でも、売上はそれほど変わらない。
これでは忙しくなっただけです。
ここで一度考えてみたいのが、
「何件問い合わせが欲しいか」ではなく、「誰から、どんな問い合わせが欲しいのか」
ということです。
この記事では、ホームページから来る問い合わせと自社が欲しい仕事がズレてしまう原因と、欲しいお客様からの問い合わせを増やすための改善方法を紹介します。
なお、「問い合わせの質以前に、そもそも問い合わせが来ない」という場合は、先にホームページからのお問い合わせを増やす方法をご覧ください。
問い合わせが多ければ、本当に集客成功なのか?
たとえば、ホームページから毎月20件の問い合わせが来ている会社があるとします。
「月20件」と聞くと、かなりうまくいっているように感じます。
ところが中身を見てみると、
- 対応エリア外から5件
- 予算がまったく合わない相談が5件
- 自社では対応していない仕事が4件
- とりあえず相見積もりが4件
- 本当に商談したい問い合わせが2件
だったとします。
一方で、別の会社は月5件しか問い合わせがありません。
でも、そのうち3件が自社の得意な仕事で、価格帯も合っていて、実際の商談へ進んでいる。
さて、どちらのホームページが優秀でしょうか。
ホームページ集客を考えるとき、どうしてもアクセス数や問い合わせ件数のような分かりやすい数字に目が行きます。
もちろん、それらも大切です。
でも会社にとって本当に必要なのは、問い合わせという数字そのものではありません。
その先にある仕事や売上につながる問い合わせです。
「問い合わせの質が悪い」というより、会社とお客様がズレている
ここで一つ、言葉について触れておきます。
この記事では分かりやすく「問い合わせの質」と表現していますが、「良いお客様・悪いお客様」という話ではありません。
会社によって、欲しい仕事が違うだけです。
たとえば工務店なら、新築住宅を増やしたい会社もあれば、リフォームを増やしたい会社もあります。
外壁塗装会社でも、戸建て住宅を中心にしたい会社もあれば、工場やアパートなどの大型案件を増やしたい会社もあるでしょう。
つまり、
「自社が増やしたい仕事」と「問い合わせてくる人」が合っているか。
ここを見ます。
実際、ホームページを見ていると、
小さな工事から大規模工事まで対応します。
どんなことでもお気軽にご相談ください。
という表現をよく見かけます。
悪いことは何も書いてありません。
むしろ親切に見えます。
ただ、ここで私は、
「この会社は、本当はどんな仕事を増やしたいんだろう?」
と思うことがあります。
誰でも歓迎するホームページを作れば、本当にいろいろな人が来ます。
その結果、会社側が「これはちょっと違うんだよな……」と思う問い合わせまで増えてしまうわけです。
ホームページから来る問い合わせがズレる7つの原因
1.「誰に来てほしいか」が決まっていない
まず見直したいのがターゲットです。
「ターゲットを絞ると、お客様が減りそうで怖い」
という話を聞くことがあります。
気持ちはよく分かります。
だから、
「個人・法人問わず対応」
「小さな仕事から大規模工事まで」
「どんなお悩みでもご相談ください」
と書きたくなります。
ただ、これではホームページを見た人全員に、
「あなたも対象ですよ」
と言っているのと同じです。
結果として、会社側があまり受けたくない仕事まで問い合わせが来ます。
ここで考えてほしいのは、
「できる仕事」
と
「増やしたい仕事」
は同じではないということです。
できる仕事を全部並べる前に、まず「今後どんな仕事を増やしたいのか」を決めます。
そこが決まれば、トップページで伝えることも、施工事例も、SEOで狙うキーワードも変わってきます。
2.得意な仕事がホームページから分からない
会社側は自分たちのことを知っているので、
「うちは○○が得意」
というのが当たり前になっています。
ところが、初めてホームページを見る人は知りません。
「住宅工事全般に対応しています」
だけでは、
新築が得意なのか、リフォームが得意なのか、水回りなのか、自然素材なのか分かりません。
そこで使いたいのが施工事例です。
ただし、施工事例も数だけ増やせばいいわけではありません。
ここが結構大事です。
これから増やしたい仕事に近い事例を、意識して増やします。
たとえば1,000万円前後の大型リフォームを増やしたい会社なら、5万円、10万円の修理事例ばかり掲載するのではなく、大型リフォームの事例を詳しく見せる。
そして、
「どんな相談だったのか」
「なぜこの提案をしたのか」
「どこにこだわったのか」
「工事後どうなったのか」
まで伝えます。
施工事例は過去の記録でもありますが、私はそれ以上に、これから欲しい仕事を呼び込む営業資料だと考えています。
3.価格しか比べるものがない
これは本当によくあります。
ホームページを開く。
サービス内容を見る。
料金を見る。
でも、
「他社と何が違うのか分からない」
そうなると、お客様が比較できるものは何でしょうか。
価格です。
A社80万円。
B社90万円。
C社110万円。
違いが分からなければ、
「じゃあ80万円の会社でいいか」
となるのは、それほど不思議ではありません。
だからといって、料金を隠しましょうという話ではありません。
伝えたいのは、
価格と一緒に「なぜその価格なのか」を伝えること。
たとえば外壁塗装なら、
使用する塗料だけではなく、下地処理をどこまで行うのか、何回塗るのか、施工後の保証はどうなっているのか。
110万円には110万円になる理由があるはずです。
そこまで伝わって初めて、お客様は価格以外の部分でも比較できるようになります。
外壁塗装80万円〜
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お気軽にお問い合わせください
→ お客様からすると「他社との違い」が価格しかない
下地処理・使用する材料・施工方法・保証など、「なぜこの価格になるのか」まで具体的に説明する。
→ 価格以外にも比較する基準が生まれる
価格だけで比較されていると感じる場合は、値段を下げる前に、中小企業の差別化戦略で紹介している「選ばれる理由」も一度整理してみてください。
4.SEOで集めている人がズレている
これはSEOに力を入れている会社ほど、一度確認してほしいところです。
アクセスが増えている。
検索順位も上がっている。
一見、順調です。
でも、そのアクセスは誰が来ているアクセスなのか?
ここを見ないといけません。
たとえば品質重視の外壁塗装会社が「外壁塗装 激安」のような検索からアクセスを大量に集めても、会社が求めているお客様とはズレる可能性があります。
検索数が多いから、そのキーワードを狙う。
これは分かりやすい考え方ですが、検索数が多いことと、問い合わせにつながることは別です。
場合によっては、
「○○市 外壁塗装 雨漏り」
「自然素材 注文住宅 ○○市」
「工場 屋根 修理 ○○県」
といった検索数の少ない具体的なキーワードの方が、自社の仕事に近いことがあります。
SEOはアクセスを集めるためだけにやるものではありません。
会いたいお客様に見つけてもらうためにやるもの。
この視点は忘れないようにしたいところです。
キーワード選定については、SEOキーワード選定の完全ガイドで詳しく紹介しています。
5.ホームページに「やらないこと」が書いていない
ホームページ制作では、どうしても良いことをたくさん書きたくなります。
「これができます」
「あれもできます」
「こんなことにも対応できます」
でも問い合わせのミスマッチを減らしたいなら、反対の情報も必要です。
たとえば、
- 対応エリア
- 対応していない工事
- 最低受注金額
- 工期の目安
- 法人のみ・個人のみ
- 緊急対応が可能かどうか
こうした条件です。
「そんなことを書いたら問い合わせが減りませんか?」
減る可能性はあります。
でも、対応できない問い合わせなら、最初から来ない方がお互いにとって親切です。
電話で10分話してから、
「申し訳ありません。そこは対応エリア外なんです」
となるより、ホームページを見た段階で分かる方がいい。
つまり、問い合わせを増やさないための情報が、問い合わせの質を上げることもあるということです。
6.良いお客様ほど問い合わせ前に慎重になっている
高額なサービスほど、問い合わせる側も慎重になります。
注文住宅なら数千万円。
大規模リフォームなら数百万円。
BtoBサービスやホームページ制作でも、契約すれば長い付き合いになるかもしれません。
そうなると、
「とりあえず問い合わせてみよう」
とはなかなかなりません。
会社概要を見る。
施工事例を見る。
代表者を見る。
料金を見る。
お客様の声を見る。
場合によってはブログまで読む。
かなり見られています。
そこで情報が少ないと、せっかく条件の合うお客様が来ているのに、問い合わせる前に離れてしまうことがあります。
だから、
施工事例、お客様の声、料金の考え方、仕事の流れ、スタッフ紹介、よくある質問。
こうした情報を少しずつ積み重ねます。
一つひとつは地味です。
でも、
「ここなら相談しても大丈夫そうだな」
という感覚は、こういう小さな情報から生まれます。
この考え方は信頼残高とは?でも詳しく解説しています。
7.問い合わせフォームだけ直そうとしている
「問い合わせの質が良くないので、フォームに予算の項目を追加しましょう」
もちろん、これは間違いではありません。
予算、希望時期、場所、相談内容などを入力してもらえば、ある程度のミスマッチは防げます。
ただ、私はフォームだけで解決しようとするのは少し違うと思っています。
問い合わせフォームは、ホームページの一番最後にあります。
そこへ来るまでに、
「この会社は誰向けなのか」
「何が得意なのか」
「どのくらいの価格なのか」
「他社と何が違うのか」
が伝わっていなければ、最後のフォームだけ厳しくしても根本的な解決にはなりません。
問い合わせの質を改善したいなら、フォームではなく、その手前から見直す。
これが基本です。
問い合わせの質を上げるなら、まずこの7つを確認する
ここまでの内容を整理すると、チェックしたいポイントは次のようになります。
| 確認すること | 具体的に見るところ | 狙い |
|---|---|---|
| ターゲット | 誰から、どんな仕事を増やしたいか | 対象外の相談を減らす |
| 強み | なぜ自社を選ぶのかが伝わっているか | 価格以外の判断材料を作る |
| 施工事例 | 今後増やしたい案件に近い事例があるか | 欲しい仕事を呼び込む |
| 価格 | 金額だけでなく価格の理由まで説明しているか | 価格比較を減らす |
| SEO | 欲しいお客様が検索する言葉を狙っているか | アクセスの質を上げる |
| 条件 | 対応エリアや対象外の仕事まで伝えているか | ミスマッチを減らす |
| 問い合わせ前 | 不安や疑問に先回りして答えているか | 納得した状態で相談してもらう |
全部を一度に直す必要はありません。
まず、
「今来ている問い合わせ」と「本当は欲しい問い合わせ」の違いを書き出す。
ここから始めると、問題がかなり見えやすくなります。
「問い合わせを増やしたい」の前に決めておきたいこと
ここまで読んでいただいた方に、一つだけやってみてほしいことがあります。
紙でもExcelでも構いません。
次の3つを書いてみてください。
今、どんな問い合わせが来ているか?
本当はどんな仕事を増やしたいか?
その仕事を依頼する人は、何を見て会社を選ぶのか?
これだけです。
「問い合わせを月10件から20件にしたい」
という目標より、
「○○市周辺から300万円以上のリフォーム相談を月3件増やしたい」
の方が、やることは圧倒的に見えやすくなります。
ターゲットが決まる。
狙うSEOキーワードが決まる。
掲載する施工事例が決まる。
トップページで伝える内容も決まる。
問い合わせフォームで確認したいことも決まる。
全部つながっています。

Search Consoleを見ると「誰を集めているか」が分かる
すでにSEOに取り組んでいる会社なら、Google Search Consoleも一度見てみてください。
検索順位だけを見るのではありません。
どんな検索キーワードで自社のホームページが表示されているか。
ここを見ます。
実際に確認してみると、
「こんな言葉で表示されていたのか」
というキーワードが見つかることがあります。
その中に、自社が増やしたい仕事とは関係の薄いキーワードが多いなら、SEOで集めている人そのものがズレている可能性があります。
逆に、
「このキーワードで来る人なら、まさにお客様になりそう」
という検索語で11位、15位、20位くらいまで来ているページが見つかることもあります。
だったら新しい記事を10本作る前に、そのページを改善した方が早いかもしれません。
私たちもSEOを見るとき、順位だけではなく、
「このキーワードで上がったら、仕事につながるのか?」
というところを見るようにしています。
アクセスが増えた。
順位が上がった。
そこで終わらず、その先まで見る。
ホームページ集客では、ここが結構大事です。
まとめ
ホームページから問い合わせが来ているのに、なかなか欲しい仕事につながらない。
そんなときに、さらにアクセスを増やそうとするのは少し待った方がいいかもしれません。
今と同じ人を2倍集めても、同じ悩みが2倍になる可能性があるからです。
まず確認したいのは、
「今、誰を集めているのか」
そして、
「本当は誰に来てほしいのか」
です。
この2つにズレがあれば、
ターゲット、SEOキーワード、施工事例、価格の伝え方、対応条件、問い合わせまでの流れを一つずつ合わせていきます。
問い合わせは、多ければ多いほど良いとは限りません。
10件来た問い合わせのうち、本当に話したいお客様が1人しかいない状態より、5件中3人が「ぜひ話を聞きたい」と思えるお客様の方がいい。
少なくとも私は、ホームページ集客を考えるなら、こちらを目指した方がいいと思っています。
だから「問い合わせを増やす」の前に、一度こう考えてみてください。
誰から、どんな仕事の問い合わせが来たらうれしいだろう?
ここが決まると、ホームページでやるべきことも、かなり見えやすくなります。
問い合わせそのものを増やしたい場合はホームページからのお問い合わせを増やす方法、検索から見込み客を集めるためのキーワードについてはSEOキーワード選定の完全ガイドも参考にしてください。
よくある質問
Qホームページから自社に合わない問い合わせばかり来るのはなぜですか?
ターゲットや対応範囲が曖昧だったり、SEOで狙っているキーワードと自社が求めるお客様がズレていたりする可能性があります。問い合わせフォームだけではなく、誰に何を提供する会社なのかがホームページ全体で伝わっているか確認してみてください。
Q問い合わせの質を上げるには何から始めればいいですか?
最初に「どんなお客様から、どんな仕事の問い合わせが欲しいのか」を具体的にします。そのうえで、現在掲載している施工事例、SEOキーワード、価格、対応エリアなどが、そのお客様に合った内容になっているか確認するのがおすすめです。
Q問い合わせフォームの項目を増やせば改善できますか?
予算や希望時期などを入力してもらうことでミスマッチを減らせる場合はあります。ただし、フォームだけで解決しようとせず、その前のページで得意分野、価格帯、対応範囲、施工事例などを伝えることも大切です。
Qターゲットを絞って問い合わせ件数が減っても大丈夫ですか?
件数だけを見ると減る可能性はあります。しかし、対応できない相談が減り、自社の得意な仕事や利益につながる問い合わせの割合が上がるのであれば、会社にとっては良い変化と考えられます。
欲しいお客様から相談されるホームページを一緒に考えます
「問い合わせは来るけれど、なかなか良い仕事につながらない」
「価格だけ聞かれて終わってしまう」
「もっと自社が得意な仕事の相談を増やしたい」
こうした状態なら、問い合わせフォームだけではなく、ホームページ全体を一度見直してみる必要があります。
SONIDOでは、単純にアクセスや問い合わせ件数を増やすだけではなく、
誰に来てほしいのか。
その人に何を伝えれば、自社を選んでもらえるのか。
というところからホームページを考えています。
SEOキーワード、ホームページの内容、施工事例、問い合わせまでの流れなどを確認しながら、自社に合った見込み客から相談してもらえる形を一緒に考えます。